ジェスカ ラ フィン
「大変なことになりましたね。僕達は、どうすればいいのでしょうか?」
ペリンガはハンサメに訊ねた。
「…情報では、あなた方の仲間である、ラロレーンさんが、盗賊団のジョイン
トにか嘗て、『ダラビファダラの洞窟』に閉じ込められて、迷っているようで
す」
ハンサメは答えた。
「『ダラビファダラの洞窟』は、新月になった第1夜に、その入り口の姿を現
すといいます。もう急がなければなりません。『サラーニャの森』は、私達は
『文明国スワンダ』から移動しているのを見ていましたが、ヨファンセ高速船
の通る僅かな山と山の間を通ることができませんし、此処に置いていくしかあ
りません」
ハンサメは言った。
「さぁ早く『サラーニャの森』を出ましょう。そして、新月と満月の時にしか
開かない、私達がいないと入れない、『ダラビファダラの洞窟』に入りましょ
う」
チンギューガは言った。
僕達は不安なことを色々抱えて、「サラーニャの森」を出て、「サンガズの
草原」に入ると、奥に光り輝く洞窟の入口があった。僕達は息を呑んで、「ダ
ラビファダラの洞窟」に入った。壁の両側に松明が灯っていて、左右に曲がっ
ていたが、真っ直ぐに西に伸びていた。途中で幅が広くなり、携帯電話で見て
みると、メールの方位磁針で、「レーピオンドの町」は、北方に位置していた。
「サラーニャの森」の世界地図を、写真で撮ると、世界地図と方位磁針の機能
がついたのである。「レーピオンドの町」から流れる、雪解け水が、「ダイダ
グ川」に流れ、そして「ダラビファダラの洞窟」に流れていた。
僕は掬って水を飲んでみた。心が洗われるような気がして、胸がすっ、とし
た。緩やかに北方へ洞窟は曲がっていて、坂が上がると、横の幅が広くなって
いった。突然地面と壁から天井全体にマス目が走った。
「…盗賊団との戦闘だ!!」
ペリンガは叫んだ。分かれ道があって、マス目に気付いた誰かが走って来
た!! ラロレーンだった!!
「ラロレーン!!」
ソフサラコマは叫んだ。
「ソフサラコマさん!! エクアクスさん!! ペリンガさん!!」
ラロレーンも叫んだ。
「盗賊団の松虫のピラサと、蚯蚓のドゴーに閉じ込められていたんだ!! 君
達が来ると、いきなりマス目が現れて…道に迷って空腹だったんだけど、奴ら
が追いかけてきて、自分が弱くなってきたら君達に会ったんだ…僕もブレード
を構えるよ!! 敵が、後ろから襲ってくるぞ!!」
ラロレーンは言った。僕達は武器を取り出した。僕はブレードを構えて、奴
らが来るのを待った松虫のピラサと、蚯蚓のドゴーは、マス目をそれぞれ、斜
めに丸い洞窟、壁と天井を関係なく、角に止まるまで走って来て、1歩ずつ走
って来た。それぞれ、1秒に1アクション、1秒に1歩、走って来た。彼らは
攻撃の範囲に、限りがあるようだった。
「お前等は、自分達が王者だと思え!!」
ドゴーは言った。僕達は駆けて、僕はドゴーをぶった斬った。後ろに下がり、
天井に張り付いたピラサが、ラロレーンに攻撃を仕掛けてきた!! ラロレー
ンは上手く避けて、真空刃でピラサにダメージを与えた。ソフサラコマが左の
壁から、右の壁へ、ワープ移動して、移動している隙に、蹴りでピラサにダメ
ージを与えた。地面のマス目に両手を突いて、両足で回転脚をやった。ドゴー
をぶっ飛ばして、ペリンガは、火炎の球を溜めて、洞窟の穴へ、火炎の球をぶ
っ飛ばしていった。ピラサは狙いを定めて、ペリンガの胸を突いた。僕がブレ
ードでドゴーを切り裂いた。天井と、地面では、僕達も盗賊団も、力の強さが
違うので、かなり苦戦した。ペレサからの攻撃を受けると、ケッティのハンサ
メと、レオポンのチンギューガが、
「大丈夫ですか!?!?」
と叫んだ。僕はブレードでドゴーの両足を払って、空中に体を浮かさせた。
空中に浮かすと、ほぼ無敵状態になることができる。ドゴーは、無敵のまま、
僕に突っ込んで来た。僕はブレードで攻撃を防いだ。避けて、後ろ向きになり、
立って、ブレードで横の壁まで吹っ飛ばした。ソフサラコマがペレサの角を掴
んで、折って地面に吹っ飛ばした。ラロレーンが、ペレサの腹をブレードで切
り裂いた。血が吹き飛び、僕の前方に倒れた。ペレサにブレードを振るった。
僕達は中央付近に集まった。半分ぐらいまでライフを減らした、ペレサとドゴ
ーは、前後から迫って来て、飛び上がった。僕達は、バック転をして、ペレサ
を交わした。そして、洞窟の奥にハンサメとチンギューガと一緒に駆けた。出
口の近くまで来ると、地面の水溜りが凍りついていた。壁の水滴も凍っていて、
ツルツルとしていた。天井には、.しだけ氷柱があった。僕は左手から火炎を
出して、ブレードに巻いて、ブレードを構えて、突っ込み、ペレサの胴体を切
り裂いた。洞窟の出口からは、オレンジ色の太陽の光が出ていた。氷柱の水滴
が地面に落ちると、ジュ!! と、地面が溶けて穴が開いた。水滴が付いたブ
レードを、ドゴーを斬って、水滴を天井に飛ばすと、ドゴ!! と音を立てて、
大きく天井が凹んだ。何千トンもかけられたようで、洞窟の山の天井の1部は、
吹っ飛んでいって、宇宙の彼方へと飛んで行ってしまったらしい。ラロレーン
は、ドゴーを貫いた! 僕はドゴーの頭を飛ばした。ドゴーは行動不能となっ
てしまった。ペレサは、両手を広げて、氷の膜を集めて、両手をクロスさせて、
僕達に両側からそれを飛ばして来た。僕等は血が噴き出して、しかも氷に重力
をかけたせいで、傷口を深くした。ブレードに血が流れていたが、ペレサを斬
って、青い泡の血を流させた。ラロレーンが後ろに回って、ブレードを斧のよ
うにして、真上に斬り裂いた。ソフサラコマが体の毛を立ち上げて、刃のよう
に立ち上がらせて、ペレサを切り裂いた。ペレサの剣で、ソフサラコマの耳は
片方千切れたが、ジョイントで治した。ペリンガは、2末のブレードでペレサ
の胴体を貫通させた。そして、火炎と稲妻を巻いて、ペレサの胴体を吹き飛ば
した。僕は、頭を吹き飛ばした。
盗賊団は全滅した。ブレードを払うと、僕達は武器を収めた。洞窟の出口は、
氷柱で覆われていた。マス目が消えていった。僕達はハンサメとチンギューガ
のいる出口付近まで駆けた。そして、2匹と一緒に、「ダラビファダラの洞窟」
を出た。光が照らし出されると、そこは雪の世界だった。白銀の世界だった。
「ダラビファダラの洞窟」が、生温い空気を吐いて、怪物のように見えた。僕
達は雪の中を上がった。もの凄く高い山があった。遠く麓に、「レーピオンド
の町」があった。よくじっと見てみると煙が立っていた。温泉街だからだろう
か。雪の山から見下ろす、「レーピオンドの町」1帯の景色は、凄いものだっ
た。右側に、冷たい「ダイダグ川」があった。「ダイダグ川」は、「レーピオ
ンドの町」まで伸びていた。「レーピオンドの町」の前で、「ダイダグ川」は、
2つに分かれていた。左側の川が、「レーピオンドの町」に続いていて、山脈
に飲まれ、右側の川も、山脈に飲まれていた。木に、雪が積もっていた。しか
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史