ジェスカ ラ フィン
僕は言って、3匹を連れて北の「サラーニャの森」へ戻った。僕達は急いで
「ヘーミッド」の世界地図を広げてみた。それから、方向転換をして、ホメネ
カの方に視線を向けた。「ソンパラメードの森」を2つに割ったホメネカは、
東に月を進めて、「パパロメの間欠泉」の方角に向っているようだった。僕達
はホメネカが戻って来る前に、ミレンドファンテの集会のところまで戻った。
「今、ホメネカ様が、ソンデワンの元栓だった、『ソンパラメードの森』をお
割りになり、パパロメの間欠泉で、『セネアトレクの心臓』を揺すり出してい
ただいた!! 『セネアトレクの心臓』は我々にとってやっかいなものとなる
ものであるから、砂漠の間欠泉の中に、お捨てになったのだ。我々の野望は.
現されよう!! さぁ、我に従う者は角を高く揚げ、ダズバクルフ盗賊団に忠
誠を誓うがよい!!」
「そうはさせねぇぜ!! 『ソンデワン』では流通国ファニアータルのドラゴ
ンが、『ヘーミッド』ではホメネカが暴れまわっているんだ!! バートンも
生き返っていない!! 仲間達と戦い、仲間達を見つけてお前達ダズバグルフ
盗賊団を倒し、『ダイラコダラム』の世界を元に戻し、平和にするんだ!!」
僕は叫んで、エニとタタソソマラティとトポを安全な場所に誘導させ、ソフ
サラコマと共に飛び上がった。
「ハハハ、お前達か!! ここで抹殺して、今夜の宴の食前酒にしてやる!!」
セントーハットは言って、ハゲタカを僕達に自在に飛ばした。僕はブレード
でハゲタカを叩き切って、内臓を飛び散らした。ソフサラコマもブレードを両
手に構えて、ハゲタカの体を抉った。岩場に立って、騒然とした10万の勢を
地上に置いて、僕はセントーハットを見た。ソフサラコマは狂い切ったバイソ
ンと闘っていた。僕は後ろから襲いか嘗て来たハゲタカの首を吹っ飛ばした。
烏達がジョイントで、言うことを聞かないミレンドファンテの牛達を、雷を落
として言うことを聞かせようとした。烏のところまで飛び上がり、烏の嘴を真
っ2つに切った。ブレードと洋服がたくさんの烏の爪に掴まれ、ブレードを振
り払って、抜け出そうとしたが、烏が高速回転して、僕の腹に追突した。僕は
嘔吐した。真下では猪が角を構えて、群れを成して僕が針地獄に落ちるのを待
っているようだった。僕は洋服を掴んでいる烏の足をブレードで折った。上空
に居た、烏が稲妻を落として、僕は、感電した。ブレードで雷を引っ張って、
ブレードを噛んでいる烏を感電死させた。セントーハットは、烏の飛んでいる
全ての場所に雷を落とした。僕は、黒焦げになって墜落した。猪が、走ってき
て、飛び上がって、僕の洋服を切り裂いた。僕は1回転をして、猪を真っ2つ
にした。烏の大群が.のように走ってきて、真横に降ってきた。僕はガードし
切れずに、大ダメージを喰らった。
「ソフサラコマ!!」
ソフサラコマも烏の大群の.に飲み込まれているらしい。
「…うわぁぁぁ!!」
ソフサラコマの叫ぶ声が聴こえた。烏が過ぎ去ると、僕はうつ伏せに倒れた。
ホメネカが、「ソンパラメードの森」を、半分だけ残して、「ダマイ湖」の近
くに帰って来ていた。ソフサラコマは襤褸屑のように縫い包みのようになって
倒れていた。僕は体から大量に血を出していた。ミレンドファンテの牛達は、
騒ぎのあまり、辺りから姿を消していた。サラーニャの森が盗賊団に荒らされ
ていたら大変だと思った。盗賊団の下っ端のレベルは、6か7かと思った。僕
は体を震わせてブレードで起き上がろうとしたが、猪の大群が遥か後方から飛
んで来て、背中に突進をした。僕は連続でタックルを喰らって、とうとう倒れ
てしまって、体中を痛め続けた。砂煙が過ぎると、僕は吐血をした。猪達は、
「ダマイ湖」の中心部にいるようだった。烏達もそうであった。ミレンドファ
ンテの牛達は、やっと目が.めたらしく、僕達を、黒い白い輪となって、じっ
と眺め続けていた。
夕方になった。なんとか、ダズバグルフ盗賊団が行う予定であった儀式は引
き延ばすことができそうだった。ソフサラコマは、起き上がって、灰色になっ
た体毛をほろわずに、僕の所へやって来た。それから、僕達は、駆けて、5000匹の烏と1万匹の猪と、3000頭のバイソン達と闘った。切り裂いて切
り裂いて烏の肉と猪、バイソンの肉を捌いていった。肉の山積みができ、下っ
端達の戦いが済むと、夜になって、セントーハットは強さが2倍になった。
「さぁ、か嘗て来い!!」
セントーハットは叫んで、僕とソフサラコマは駆けた。飛び上がってセント
ーハットの腕を叩き、ソフサラコマは胸を叩こうとした。両方とも攻撃を腕で
塞がれてしまい、飛び退けて、攻撃の構えをした。僕は中指を引いて、ブレー
ドを内側に曲げて、ジョイントを溜めた。右側にも籠手のような盾をつけて、
ジョイントを溜めた。僕はフィールドが狭いほうが強かった。ジョイントを全
開にして、ブレードを鉈のように外側に曲げた。飛び掛って、セントーハット
の手首から先を吹っ飛ばした。セントーハットはニヤリと笑って、左の手の平
を開いて、僕の頭と両腕と両足を伸ばして、痛めて、爆ぜさせた。僕は回転し
ながら吹っ飛んでいって、砂丘の前でスピードを緩めた。空は暗くなっていて、
月はなぜか3日月になっていた。ブレードで起き上がって、トンファーにして、
近づいて、肘を曲げて、セントーハットを思いっきり叩いた。セントーハット
は揺らめき、頬を押さえて、頭を振った。砂を巻き上げて、障害物を作り、何
処にいるか分からないようにして、砂の弾を飛ばして、ブレードに直した僕に
襲い掛嘗てきた。宙に浮いた僕は、砂の弾を斬り付けながら進んだ。
「どこだ!?」
僕は辺りを見回して、敵の攻撃に構えていると、前から突然砂の巨大な手が
伸びて来て、僕を鷲掴みにした。
「うわぁぁぁ!!」
僕は叫んで、砂の手の中でもがいていた。砂の指を切り裂いて、外に出ると、
砂の巨人が突然現れて、僕を踏みつけた。
「ヘヘヘ、『ソンデワン』でジュデと戦った砂の巨人とは違うぜ」
セントーハットは言って、巨人を思うままに扱った。巨人に体を.まれ、放
り投げられる僕。砂の中に吹っ飛んでいって、傷だらけになった。今度は、砂
柱の壁が立ち塞がる前で、ソフサラコマは、踏まれ、体を両手で締め上げられ、
げはっ、と血を吐いた。
「…くっ!!…」
ソフサラコマ、と胸の中で叫んで、悔しさを握り締めていると、突然、渓谷
の頂上から、布のマントを巻いた人影が見えていて、素早く飛び上がると、ブ
レードをマントから見せて、セントーハットの胸を0字に切り裂いて、砂柱の
吹き上がる壁の上に立った。
「遅れちゃったね、10日前に『ペパラロンテの管』を出てきたんだ。後は、
蝶々のランナにエクアクス君とソフサラコマ君の匂いを探してもらって、ここ
まで来たんだ。『ユンデサ』から『へサノサの洞窟』を潜って、2人の後、最
後に、『ペパラロンテ』に下りて行くと、へップと言う、海豹に道を教えても
らい、盗賊団と戦い、力をつけて来たのでした」
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史