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ジェスカ ラ フィン

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って、森が動くのかと思っていたが、そうではなかった。僕達は岩の頂上付近
に座って、森の情景と、外の様子を見ていた。岩の窪みから出る霧がエメラル
ドグリーンの光を受けて、幻想的だった。「サラーニャの森」は砂漠を走って
いて、神秘的だった。駱駝が見えた。ちょっとした木々が見えた。やがて夜に
なった。星が透けて宇宙が見えていた。何もかもが美しい宇宙の1部に見えた。
馬達が「サラーニャの森」に並んで駆けて行った。峡谷の合間を縫って、森は
自在にかけて行った。森の奥に、果物が成っていて、僕達は腹が空くとそれら
を食べた。ソフサラコマが持ってきてくれた。霧がスチームのようになって、
睡眠を取る僕達を暖めてくれていた。霧は、僕達の傷を癒した。朝起きると、
月が異常接近していた。何かが起こるのだと思った。森は刻々と砂漠を進んで
いた。縞馬達がチーター達と、砂漠を走っていた。エメラルドグリーンの木々
の光は、朝になると止まって、木と木が、間に、「ヘーミッド」の世界地図を
映した。

「…これ、『ヘーミッド』の世界地図だよ!! …現在位置は此処だろう?
『農業国ヘーメルカル』はもう.しだ….に『ビニファドの砦』が見えた後に
は、『ロザイの川』がある。『ロザイの川』が見えたら北上しよう!!」

ソフサラコマは言った。

「農業国ヘーメルカル」の田園地帯を過ぎて、「ビニファドの岩山」を過ぎ
ると、前方に輝かしい長い「ロザイの川」が見えてきた。キラキラと煌いてい
て、僕達は川のギリギリまで行くと、右に森はカーブして、砂埃を「ロザイ川」
に被せて、川を上っていった。さすがに岸辺の近くでは、植物が多.生えてい
た。沐浴をしに来た人達や、駱駝や昨日会った馬達の1部が、体を休めて、水
を飲んでいた。人々は川辺にテントを立てて、釣りや漁をしていた。おそらく、
「農業国へーメルカル」の人達だろう。縞馬は、水浴びをしていた。象もそう
だった。フラミンゴ達は、片足で立っていた。人々は驚いていた。象のエニや、
牛のソソタタマラティや蝿のトポはミレンドファンテの牛達の集会の何処に行
ったのかと思った。第1、「サラーニャの森」を集会の近くへ持って行くわけ


には行かないし、ゲンザガルやエメコラーナ反乱軍を倒したことによって、烏
達から情報が伝わったに違いないし、ハゲタカ達が、集会所のところにいる、
セントーハットに言っているかもしれないのだ。

「…もし、この森が僕達に奪われたことを、牛達を人質にとっているセントー
ハットに知れ渡ったらどうなる?」

「そんなことはもう知れ渡っているよ!! ホメネカにも、あんなに月に迫ら
れて、盗賊団の中ではとんでもない騒ぎになっているかもしれない」

ソフサラコマは言った。動物達も、僕達の乗っている「サラーニャの森」を
見て、驚嘆していた。僕達の方を見る者もいた。川の流れよりも断然速く、川
の傍にいる動物や人達もみんな砂漠を動く森を見ていた。「サラーニャの森」
は何ミリか砂漠から浮いているようだった。「サラーニャの森」を見る為に、
集まって来ているのかもしれなかった。遠くからやって来たらしき者もいた。
噂を聞いてやって来た者もいた。

「ロザイ川」をずっと北上した。川の端切れの、小さな峡谷に着くと、生き
物はもういなかった。いつの間にか空は曇り空になっていた。ホメネカが、月
の上にいるのが見えた。なんだか、蠢いていた。僕達は「サラーニャの森」を
走らせた。世界地図を見ると、「ロザイの川」から.西に、川の千切れたよう
な湖が集まった、「ダマイ湖」があった。僕達は、.に森を走らせた。

2時間ばかり走ると、砂丘の下に、黒い染みのようなものが、「ダマイ湖」
に浮かんでいた。煙で黄色い砂漠が、舞っていた。牛だった。もの凄い数の群
れが、あらゆる方向に視線を向けさせて、じっと立っていた。熱いので、「ダ
マイ湖」の水を飲んでいた。飲み干そうとしていた。

「10万頭いるって言ってたよね…」

僕は言った。そして思わず唾を飲んだ。「ダマイ湖」の周りで煙が立ち、蝿
達が暴れ周り、牛達は尻尾を振っていた。空中に、ハゲタカの群と、セントー
ハットと思われる、鈴虫が立っていた。ハゲタカは、5000匹はいると思わ
れた。僕達の森に、もう気がついているようだった。僕達は「サラーニャの森」
を出て、砂漠の向こうの「ダマイ湖」に駆けた。ミレンドファンテの牛達が、
物凄い数居た。ハゲタカが黒い雲を作っていた。空は、太陽と月が出ていた。
ホメネカは、月の黒点みたく浮き出ていた。日差しをつくらないと、熱い。牛
達は壁となって立ち塞がっていた。「ソンパラメードの森」は、近くから見る
と、森が枯れていて、土が乾いていた。もの凄い大きさの森だったと改めて思
い直された。セントーハットは、ミレンドファンテの牛達を黙らせて喋った。

「いいかよく聞け!! 今日の夕刻、私達は、『ダマイ湖』をお前達の黒いシ
ミで沈ませ、夜になると、宇宙にもう1つ宇宙を張る。すべては『ロドデゼッ
ト』の完全世界を作るためだ。これだけのシミがあれば、もう『ヘーミッド』


は我がダズバクルフ教の盗賊団のものだ。夜にミレンドファンテ族の呪いのシ
ミを地上に伸ばし這わせ、この世界の端の孤から、『テンピョーテイレンの宇
宙』を『バーギャリアンの宇宙』に伸ばしてやる!! 『ソンデワン』のホメ
ネカの『放り』によって、崩壊してしまった『ソンデワン』の使者達、浮遊船
エスピショー号は、宇宙を通って、『フェザ山脈』へ向ったという」

「なんだって!!」

ソフサラコマは叫んだ。ミレンドファンテの牛達や蝿達は、驚愕のあまり、
大騒ぎしてしまった。突然、群衆をわけて、1匹の牛と象が走ってきた。

「わぁわぁわ!!」

ソフサラコマは倒れてしまった。

「どうしたんだ!?」

僕が叫ぶと、なんと、目の前に、牛のタタソソマラティと蝿のトポと、象の
エニがいた。どうやら、ソフサラコマは、蝿のトポにぶつ嘗て、倒れたらしい。

「ソフサラコマさん、エクアクスさん、お久し振りです!! やはり大変なこ
とになっています!! 蚯蚓のセントーハットは、今日の夕方にミレンドファ
ンテ達の体の染みを奪い、『ダマイ湖』を真っ黒に染め上げるのだそうで
す!! 月は、信号機の代わりをして、ここら辺の交通整備をやっていまし
た!!」

象のエニは言った。

「ホメネカは警察官に成り切って、『ソンパラメードの森』を揺らしながら、
世界中の動物達の交通規制をしているんだ!!」

蝿のトポは言った。突然、月がぴく、と動いて、10万匹の大群は黙り始め
た。セントーハットも、

「何だ!?」

とホメネカを見上げた。ホメネカは、ゆっくりと、月を遥か天に延びる「フ
ェザ山脈」の方へ進めていった。急速に速さを速めて、「フェザ山脈」の山頂
まで「ソンパラメードの森」を下ろして、ゆっくり「ソンパラメードの森」を
山頂にぶつけた。

「何!?!?」

指揮を執っていたセントーハットは驚嘆した。

「1旦サラーニャの森へ戻ろう!!」
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史