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ジェスカ ラ フィン

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かれていただけであった。しかし、もっと向こうの奥では、「ヘーミッド」の
端というだけあって、膨大な砂が落ちて、激しい轟音を立てていた。僕達の足
元からも、砂の流れができ、じっとしていると.し沈んで、前方へゆっくりと
流れていった。僕達は流れてしまうかもしれないというのを認識して、森の方
へ駆けた。

森の中は、なんとも言えず、まるでオアシスのようだった。ところどころに
綺麗な水が岩の滝から流れ、泉に流れていた。木の葉っぱが水で潤い、花は無
いがそれに葉が似た木々は、霧が吹き出て.で湿ったように、樹皮を黒ずませ
ていた。どうやら霧は、森の中心から出てきているようだ。森の奥に行ってみ
ると、やはり、大きな明らかに人工物だと思われる、綺麗に削られた灰色の岩
が、火山のように上に上がっていって、中央の窪みから、霧を噴き出していた。
空は開けていた。岩の前に、ゲンザガルがいた。


「俺を倒してからこの『サラーニャの森』を動かすことだな!! 俺は森の中
では弱い!! さぁ己の力を試してみよ!!」

ゲンザガルは言って、外へ飛んで行った。ゲンザガルを追いかけて、「サラ
ーニャの森」の前に出ると、何千、という、「農業国ヘーメルカル」のエメコ
ラーナ反乱軍が旗を持って立っていた。

「こいつらは、もう正義の感情が無いマリオネットだ!! リギーが月から操
っている!! 心置きなく戦え!! 行くぞ!!」

ゲンザガルはそう言って、エメコラーナの反乱軍を襲い掛からせた。もの凄
い奇声と砂埃と轟音を上げて。後ろでは、宇宙に砂漠の砂が流れていた。僕と
ソフサラコマはブレードを出して、相手が来るのを待った。烏の大群も飛んで
来た。まず、ゲンザガルが駆けて来て、耳とこめかみを押さえて、もの凄い超
音波を出した。僕達は、

「…うわぁ!!!!」

と叫んで、後ろに吹っ飛んだ。ソフサラコマは砂に突っ込んでしまった。僕
は、苦し過ぎて、砂漠の穴へ逃げた。超音波が響いて、砂漠の穴を壊した。

「ハハハ!! 此処、砂漠では、俺様の能力は2倍になるんだ!! だから、
砂漠では、超音波は何処でも届く!!」

ゲンザガルは笑って、僕とソフサラコマがいる砂の空間と砂の空間をぶつけ
て、弾けさせた瞬間に吹き飛ばした。

「…うわぁぁ!!!!」

ソフサラコマは飛ばされて叫んだ。

「ゲンザガルの体力は18だよ!! 夜になると、36になってしまう!!」

ソフサラコマは言って、突風に吹き飛ばされた。ワァァァ!! と声がして、
砂の上に落ちた。エメコラーナ反乱軍が猛スピードで駆けて来て、波が来ると、
ブレードで、人形を切り裂き、綿を吹き飛ばしていった。何千人にも囲まれ、
人形を切り裂く時の嫌な音が、ブレードから顎へ残った。胸を切り裂き、力の
余韻が残っているままに、綿を出していった。農具や安物の武器では、僕達に
勝てそうもなかった。しかし、何故か、寂しい余韻が残った。頭へ下から切り
裂き、ブリキの鉄板を真っ2つにし、藁を吹き飛ばしていった。

「ソフサラコマ!!」

僕は叫んだ。ソフサラコマは、爪から鋭い爪を出して、戦っているようだっ
た。日が沈みつつあった。もう一度ゲンザガルが超音波を出して、周りの人形
達を消滅させていった。僕は、耳を押さえて、ブレードを砂に突き刺して、地
中に潜った。すると、ゲンザガルの砂のドラゴンが僕を押し上げて、上空に吹
っ飛んだ。ドラゴンは僕に噛み付こうとし、髭の鞭で僕を殴った。僕は地面に


勢い良く倒れた後、ドラゴンの首を真っ2つに切った。ドラゴンは、頭が落ち
ると、ガバッ!! と割れた。胴体をゲンザガルが拳でぶち壊すと、

「はぁぁぁ!!」

と言って、リギーの使っていたマリオネットの糸を、ピン!! と伸ばし、
僕達に衝撃を与えた。砂漠を抉って、僕は吹っ飛んだ。ソフサラコマは、体か
ら血を流していた。あちらこちらに、エメコラーナ反乱軍の死体がゴロゴロと
倒れていた。焦げ付いて白い煙が出ていた。生き残っている人形はいないよう
だった。ゲンザガルは砂漠の砂の熱を集めて、上げて、ドパパパ…、と、灼熱
の弾を飛ばしてきた。盾代わりになった、人形の死体は、貫通して、燃えて、
森の前に炎の海を作った。僕はブレードを更に伸ばして、ゲンザガルを斬り付
けた。ブレードの刃が僅かに零れた。ゲンザガルの盛り上がった筋肉のような
表皮は、.し白い線がついただけで、ゲンザガルはニヤリと笑っただけだった。
超音波を出し、両手を鋭く上げて、砂を波立たせて、真空刃を飛ばした。僕の
皮膚は切れて、血を噴き出した。宙に舞っているところを、ゲンザガルに蹴ら
れて、砂丘に突っ込んでいった。

「エクアクス!!」

と言うソフサラコマの声が聴こえた。ソフサラコマも、ゲンザガルに殴られ
て、何処かの砂原に突っ込んでいったようだった。ブレードで砂を押し払って、
飛び上がって、真空刃を飛ばした。ゲンザガルは吹き飛んで、起き上がって構
えた。ソフサラコマも砂から飛び出して、構えていたゲンザガルにタックルし
た。遥か先に吹っ飛んでいったゲンザガルは、砂の中に突っ込んだ。砂の中か
ら超音波を発したゲンザガルは、砂原に起伏を作り、その起伏が割れると、大
量の超音波が流れ出た。僕達は頭を押さえて地面に倒れた。地面が歪んでいる
ように見え、嘔吐の代わりに血を吐いた。…な、内臓まで歪む…僕はブレード
で超音波の歪みを払い、飛び出して、大きくゲンザガルの胸を切り裂いた。ゲ
ンザガルの動きが止まると、ブレードをカチャ、っと音がするまで構えて、渾
身の力を込めて、ゲンザガルの心臓の部分を突いた。ソフサラコマが走ってき
て、ゲンザガルの頭部に狙いを定めて、ゲンザガルの頭を砕いて、首を折って、
だらん、とさせてジョイントで吹き飛ばした。ゲンザガルは夜になる前に両手
の力が抜け、活動を停止した。ブレードを抜き、胴体を吹き飛ばすと、ゲンザ
ガルと、エメコラーナ反乱軍の死体達は爆発した。僕はブレードの塵を払い、
カチン、とブレードを巻いた筒にしまった。ソフサラコマも爪をしまった。

ホメネカが僕達を見ているような気がしたが、出ているのは傾いた太陽の夕
日だった。

「どうやら、あの岩の窪みにサラーニャの森の玉を嵌めこめれば、この森は嵌
めこんだ者達の意思に自在に叶うのかもしれない」


ソフサラコマは言った。

「なるほど、じゃあ、この玉をあの窪みに入れてみよう」

僕は言って、「サラーニャの森」へソフサラコマと入り、奥へ行き、岩をよ
じ登り、サラーニャの森の玉を入れてみた。すると、岩の隙間にエメラルドグ
リーンの光が走って、地面の土を走って、神殿の柱のような木々にその光が灯
った。そしててっぺんの先が光った。「サラーニャの森」は、エメラルドグリ
ーンの光を灯して、中心部の岩の塔の窪みからボーリングの玉のような「サラ
ーニャの森」の玉を浮かせて動く速さに回転させて、霧を吹き上げていた。サ
ラーニャの森は蒸気機関車に見えなくもなかった。サラーニャの玉の中身が減
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史