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ジェスカ ラ フィン

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き離れて、力強くブレードを振って、真空刃を出した。スントラは牙の剣で真
空刃を堪えていたが、負けて、上空に真空刃が飛んで行ってしまった。真空刃
は消えて、スントラは剣を構えて襲いかかろうとしていた。ソフサラコマも起
き上がった。1向にけりはつかなかった。剣を僕達もカチャ、と鳴らして、剣
を交じり合った。スントラは、3末の手と顎牙で、足1末だけで、互角に戦い
合っていた。僕はスントラの脇腹をブレードで切り裂き、右腕の1番上の手を、
斬り落とした。ソフサラコマは、もう1末の足を折った。次いでに脇腹も吹き
飛ばして、スントラに緑の血を吐かした。僕は後ろに飛んで、ブレードの筒を
右手で押さえて、ジョイントの弾を吹き飛ばした。それはスントラの胸に当た
って、ぼろぼろと硬い皮膚を砕いていった。そして僕はブレードごと吹き飛ば
してスントラの体に貫通させると、顔面が黒くくすみ始めた。












16 農業国ヘーメルカル











スントラは両膝を突いて、ガク、と倒れた。目の中は、真っ白だった。胸が、
バカ、っと割れて、白蟻の大群が大量に出てきた。白蟻はビルの瓦礫を食って、
スントラと同じくらいの大きさになった。僕達は一体、一体、蹴散らしていっ
た。6時間後に、白蟻軍団は壊滅した。後は、動けなくなったスントラだけだ
った。零下何0度にもなって、スントラは全身に氷柱をぶら下げて、腕1末、
足2末で戦いの準備をした。ビルの瓦礫を食って、再生した。しかし力は元に
戻っていないようだった。僕は傷口が凍り付いて、血が凍り付いて、痛み出し、
僕は駆け出して、ブレードでスントラの首を跳ねた。ソフサラコマは脇腹辺を
手で押さえて、胸に力強く頭突きをした。スントラは倒れて、バタッ、と倒れ
た。白金の鎧は白くなり、末体を、活動を停止した。

「エクアクスが『ペパラロンテの管』に行く時に、下の『ソピョーゾギャニア
ンの宇宙』が、此処の『バーギャリアンの宇宙』と相反して、夜をこんなにも
寒くしてしまったんだ。しかも、…宇宙が『パチャラグルの流転』の衝撃で弛
んでいるこの地域に限って、温度が低いと象のエニは教えてくれたよ。上瓶の
『ソンデワン』の抜水した水は、『デンダララン』を通って、恐らくは『地底
世界ソロンペパール』を通って此処の『バーギャリアンの宇宙』を越えたんじ
ゃないかなぁ。何処に行ったか分からないけど。…取り敢えず、人々がいる所
に行って、傷の治療を受けよう、ウィズウィングルは大丈夫かなぁ…」

ソフサラコマは言った。僕はソフサラコマを肩に抱いて、中心街を後にした。
「ヘミダグリンの町」の入り口では、難民キャンプのようなテントが立ち並び、
町の奥の牢屋へは、警察の車が何台も向って走って行った。

僕達は、

「傷の治療を受けたいのですが…」

と言うと、救援医師の女性は、僕達に毛布をかけて、

「ひどい傷です!! 早速治療を受けましょう!!」

と言って、僕達を救急テントへ運んで行ってくれた。




翌日、ジョイントを傷口に当てていたおかげもあって、僕達は何とかスント
ラと戦う前の体力に戻っていた。救急医師で、「ハナサー牢獄」の看視人だっ
たバフマンズという男性は、

「『山脈連邦シャフキウ』には、砂漠の海ができる前に、この世界の海溝を満
たしていた、海水を留める『ベパー・ランセの崖』があるよ。そこは『ヨーク
ナッドの瓶壁』で、太古の『アパプルードの海水』を留めている。流砂が埋ま
っているんだ。誰もそこに行ったことがない。危険だからね。そこは、汚れた
絹を清める聖なる場所だそうだ。『ヨークナッドの瓶壁』は、ホメネカと同じ
位の、玉虫のペレサが公転でこちらの『ヘーミッド』の世界に来た時に、ジョ
イントを.いて、『回転』を使って、近づけて乗っ嘗て瓶を壊したんだ。空を
逃がして。ホメネカよりも先に、月に乗ったことがある」

と言った。空は晴れていた。

「『ナギャゾグビの長城』に行かないといけないね。一度、『パパロメの間欠
泉』というのを見にいこうよ」

ソフサラコマは言った。僕達は昼食を食べると、町の奥に行って、「ハナサ
ー牢獄」の奥にある、「ナギャゾグビの長城」を見た。砂は、なぜか空に出て
いなかった。崖の真下は、見えなかった。長城は、「全長1500km」とあ
った。遥か.西に、「パパロメの間欠泉」が見えた。星が白い星が、沈んでい
るか浮かんでいるか突き刺さっていて、垂れ幕のようなのだが、石のような山
のようであった。なるほどこれは広大な池のようだなと思った。「パパロメの
間欠泉」のさらに北東には、ユグス地方であろう、凄い規模の大きさの森があ
った。

「あっ、あの森の中に、川が流れている。なんていう川なんだろうね」

ソフサラコマは言った。『ナギャゾグビの長城』は、果てしなく.東に緩や
かに伸びていた。峡谷に、聳えている。

「『ナギャゾグビの長城』は、もう此処まで進むのが限界だ。町に戻って、高
速船ヨファンセの情報を聞こう」

僕は言った。突然ポケットの携帯電話にメールが来た。

「黒ずんだ色のじゃが芋を皮むき器で剥くように、『知己夕』も、また、神に
よって大陸を抉られ、適当に剥かれたのである」

「送り主の住んでいる場所だよ。『知己夕』って、メールの送り主が住んでい
る所じゃないかな。きっと、神様によって創られた世界だよ。じゃが芋をみた
いなんて、そんなことがあるわけないよ」

ソフサラコマは言った。

「相手の送り主のメール…アドレスが書いてあるよ。ここに送れば、返事が帰
ってくるんじゃない? あなたは何処に住んでいるんです嘗て。…あっ、でも


送れないんだったよね。…全部、1回目に届くらしいし。ま、自動的に送って
くるんだから、いいか」

「うん、あれっ、ここにアドレス…帳ってのがある。…何だこれ、何も書いて
無いじゃないか。メールを受け取ることと連絡しかできないんじゃないかな」

僕はメールを見て言った。



「ヘミダグリンの町」に戻って、「ヘルンズ川」の船着き場に行って、チケ
ット売り場の店員のアンバスからヨファンセ高速船のことについて訊いた。

「ヨファンセ高速船は、『ハモネンメ高速道路』の下を潜っていくんだ。潜水
艦になって、深い砂溝を通っていくんだ」

アンバスは言った。

「『レーピオンドの町』直行の船があるんだが、西にネットワークを広げたハ
ゲタカが邪魔をして、タイヤルズ高速船に穴を開けたんだ。タイヤルズ高速船
は沈没して、ファマレダ地方の『アゼマ砂溝』に飲み込まれていったという。
『アゼマ砂溝』に飲み込まれると、2度と浮上できないという言い伝えがある。
ヨファンセ高速船は1隻しかないが、砂漠なら何処でも渡れるようになってい
る。しかし、『ナギャゾグビの長城』から.は、砂の流れが酷くて、とてもじ
ゃないが渡れない」

「僕達は『農業国へーメルカル』に行きたいんです。知り合いが『農業国へー
メルカル』に向っていて、友も探していて、ミレンドファンテの牛達が人質に
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史