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ジェスカ ラ フィン

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ぇ、有力な情報を掴もうとしたいのなら、『フェザ山脈』に向嘗て、奥へ、奥
へと進んで行かなければならないのです。巨大な連邦も山脈の奥に控えていま
す。『ソンデワン』と同じ大きさですが、どうしようもないですねぇ」

エニは言った。

「あなた達はこれから何処に行くんです?」

トポは肘を出して答えた。

「『農業国ヘーメルカル』だよ。近くで、タタソソマラティの仲間が、ミレン
ドファンテの牛達が、なんでも、脇腹の染みを集めて、集会を始めるらしいん
だ。なんか、ダズバクルフ盗賊団の儀式みたいだぜ」

「囚われているのです。盗賊団に。肉牛を売って、金を稼いでいるのは、ハー
トグラスの、鈴虫のセントーハットです」

タタソソマラティは言った。

「『ソンデワン』で誘拐された、パパロメ王女とセネアトレク王と、ルルルフ
姫を盗賊団の元から救出しないと、元の世界に戻れず、世界は平和にならない
のです」

僕は言った。

「蜘蛛のホメネカのせいで、上瓶は水が無くなって、ぼろぼろに破壊されたん
だよ」

トポとエニは溜息をついた。

「『ソンパラメードの森』が抜かれたんですね。あそこはジャンガズガンズの
墓のはず」

「どうして『ソンパラメードの森』が抜かれたんですかねぇ」

タタソソマラティは唸った。

「ホメネカは、強さが逆転して、デゾーの次に強くなったんだよ」

情報屋のトポは言った。

「…でもさ、誰かに囲まれていると思わない? …蟻だ!!」

茂みの周りは蟻の盗賊団達によって、囲まれていた。エニとトポとタタソソ
マラティは林の奥に隠れた!!


「ケッティのハンサメとレオポンのチンギューガはサンガズの草原の何処かに
いる!! 見つけたら、伝説の『地底世界ソロンペパール』の入り口のありか
を聞いておくんだ!! ひぇぇぇぇ!! 『地底世界ソロンペパール』は、こ
の『ヘーミッド』と『ソンデワン』を繋ぐポールの、『デンダララン』に繋が
る唯1の世界だ!! こいつらを倒してくれ!! お願いだ!!」

トポはタタソソマラティの耳の中に隠れて警告のメロディーを発した。メロ
ディーが林中に響き渡った。僕は自転車を倒して、ソフサラコマと駆け出して
真空刃を飛ばした。

蟻の首は真っ2つに切れ、バラバラと倒れた。蟻達が飛び上がって真空刃を
飛ばしてくると、僕達は避けて、拳を握り締めて、1回転して拳から伸びる真
空刃を飛ばした。蟻達はエニとトポとタタソソマラティの隠れている林の方に
落ちた。これで蟻の盗賊団は解決できた。争いがおさまって、3匹はおそるお
そる林から出てきた。僕達はやっつけたよ、と教えてあげた。3匹はほっと、
胸を撫で下ろした。それから3匹と日が暮れるまで話をした。僕はヘッスンを
呼んで、オムライスをみんなで食べた。夜になると、ソフサラコマと、「ソン
デワン」での話をした。3匹はおおいに笑った。丸太の上に座って、焚き火を
起こして、面白い話を皆でした。夜になって寝ると、エニの耳をタオルケット
代わりにした。何故か思い出そうとすると、スギミダの大祭の前の日の、エス
ピショーの寝.の情景と思い浮かべていたことを思い出した。あれ? なんで
僕は旅をしているんだ? どうして此処に居るのだろう。きっと僕は住む場所
を失ってしまったからだろう。僕は暗闇の中からやって来た。ルルルフ姫とセ
ネアトレク王とパパロメ王妃を救う冒険。そのあと、僕はどうなるのだろう?
結未の分からない旅。僕は、この夜に、3つの夢を見た。3つ、3つ、3つの
夢を占う老人…「金融経済国ヘンザウロ」に着いてから話そう…遠くなりそう
だ…長い僕の旅…ソフサラコマは兎から元に戻るのか…影が蝶々になったソフ
サラコマの体をイメージした。あの世…あの世……。



朝になると、また出前を呼んで、パンと卵を食べた。牛乳は、タタソソマラ
ティが搾ってくれた。ヘッスンは、ゆで卵を作ってくれた。僕はソフサラコマ
を自転車の後ろに乗せ、林を去った。











15 金融経済国ヘンザウロ












3匹と分かれてから3日後に、「金融経済国ヘンザウロ」に着いた。大都会
のようにビル群が密集していて、国の中にだけ緑があった。ビルとビルの隙間
で、会社の人間が牧畜をやっていた。太陽は出ていた。月は、大人しくしてい
るようだった。「ソンデワン」の世界の、ファニアータル証券や、ホケメダン
証券、ルチャーナ証券や、ビザジズドー証券、コラダングス証券、ビチュアン
ゼ証券、ルダルス証券などがあった。町の人に訊いてみると、

「『宗教国スギミダ』は、崩壊してしまったから、株が暴落して廃止してしま
ったんだ」

と言った。町中には、市中銀行や国銀行、特別地方銀行や、信託銀行、相互
銀行やファニアータル中央銀行や、ヘーミッド銀行などがあった。サラ金ビル
が虫のようにもの凄い数で乱立していた。サービス、電力・ガス、上場投信、
情報・通信、証券・不動産、小売業、卸売業、化学、銀行、食品、精密・緒工
業、輸送機器、電器、石油・窯業、繊維・紙、鉄鋼・金属、建設、水産・鉱業
の有名な株式会社があった。

「象のエニから聞いたんだけど、ここでは株券で商品を買っているらしい。人
口は約半分が、株関係で働いているから、株券がお金の代わりに流通している
らしいよ」

ソフサラコマは言った。

「食品会社の飲料水のCMが空に流れているよ。ここは『ヘーミッド』の心臓
のようなところだね」

僕達はヘンザウロ証券取引所を過ぎた。他の都市への高速道路がすぐ横に走
っていた。

「そのさ、3つの夢のファンタロ爺さんの家は、何処にあるんだろうね? 僕
達は、すごい大都会に来てしまったけど」

僕は言った。僕はソソタタマラティからファンタロの家を教えてもらってい
なかった。スモッグのせいで空気が悪く、湿度が高くて蒸し蒸ししていて、焦
らずに行動しないわけにはいかなかった。

「誰に聞けば分かるのかな。住所とか、自宅の電話番号を知りたいし。そんな
に有名な人なら、電話帳に乗っているよ」

僕は言った。


「どうすればいいのかな。取り敢えず、何処か歩き回って、そういう関連の建
物があったら、其処に入って調べよう」

ソフサラコマは言った。蒸し暑く、ふざけて建てた小さなピラミッドを乗っ
けたビルの中に入っていった。何処でもいいような気がした。中を入ると、す
ぐ右のロビーに、検索台があった。「金融経済国ヘンザウロ」に住む人間の住
所を簡.に調べられる機械だ。しかし、1部上場の株券1枚が必要だった。お
そらく、「娯楽国ネオホケメダン」のカジノコイン金10枚、「ソンデワン」
流通最高紙幣1枚に相当する株券だった。僕達は配達人のヘッスンを呼んだ。

「どうなさいましたか。配達人のヘッスンは、今日は、食事を頼まれてません
が」

ヘッスンは.しいつもと違った表情をした。外で車が行き交っていた。僕は
ヘッスンに言った。

「いやヘッスン、そうじゃないんだ。.はね、あそこのロビーの、検索台を使
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史