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ジェスカ ラ フィン

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だと思っていた。待っているだけでは助からない。あっちもこっちを探して歩
いているか泳いでいる。無限に続く寿命ではない。しかし寿命がないと神では
ない。結局なかった。



真っ白な空間で止まらない僕はアカリの遺体を抱きながら苗木が芽吹くのを
見た。僕の肌にキスをした蝶々が上着のポケットで残っていた。花粉が羽に付
着していた。靴の中に種が入っていた。一生をかけて人々はアカリに水と種を
届けるために泳ぎ続けた。1瞬のことだ。神から始まった。決して蒸発しない
瓶に水を入れて運んできた。一度全てが終わる前に決して無くなることはない
水で満たした。1回目に決して漏れ蒸発することのない破壊することのないタ
ンクをアカリの死んだ場所を測定して設計し飛ばした。僕が考えて案を残した。
決して枯れることのない瓶に苗木を入れて運んできた。



ホメネカと神の会話

「壁に黴がでて、殺菌する為に壁を雲で覆って欲しいのです」

「宇宙の色は行方の分からない者の飲み水の色だ。飲み水と宇宙の限界の間に
は透明な場所がある。直線に見える誤差がある。飲み水のほうに曲がっていて
遠くから見てみると白い輪を狭めた水溜りが浮かんでいる。しかし大きく見て
みると宇宙は包まれている。しかし宇宙は神の手の平に乗る。宇宙の数は晴天
の夜になると分かる。1つの星が1つの宇宙そのものだ…」






「…なんだこれ? さっぱり分からないや」

僕は長いメールを見てそう呟いた。

ホメネカは、夜の暗い暗闇の夜空の中で、何か砂漠が噴き出す湖に、もう1
つの糸を垂らして釣りをするのをやめた。リギーは何処かに行ったようだ。

「あ、もうすぐ出口だ」

逆さに視界が戻ると、ヘップはそう言った。睡眠を取って、半日歩くと、普
通の管の形になって、太陽の眩しい、黄色い砂が外に、飛び出る「ヘーミッド」
の世界の「ヘーラカダデの端」に出た。へップは、また「ペパラロンテ」に帰
って、君みたいな人間を見つけたら案内してやる、と言って、螺旋状の管を下
りて行って、見えなくなっていった。



後ろは空で、前は砂漠だった。いつも前方には雪雲のかかった「フェザ山脈」
があった。峡谷が絶えずあった。携帯電話を取り出して、メールを見ようとし
た。すると、携帯電話の画面が方位磁石の代わりになった。

「金融経済国ヘンザウロがあるよ」

方位磁石で.西に矢印を示したメールはそう表示した。すぐに砂埃で画面が
見えづらくなった。

「バイクの貸し出しをしているから、借りに行ったほうがいいと思うよ。大都
市なんだ。でも、お金を得る為には、店屋の主人に訊くことだね」

携帯電話のメール画面はそう表示した。僕が何かを言っても、答えを返さな
かった。メールを書いて、返信してみても、受取人は受け取れませんと出た。

「しかたない。『金融経済国ヘンザウロ』に行ってみるか」

僕は独り言を呟いた。



腹が減った。

もう我慢ができない、と思った頃、携帯電話が光って、(それは夜だった、
ホメネカの月は上昇して、「ソンパラメードの森」も末人も、見えなくなって
いた)

「出前を頼む為に、配達人を呼ぼう」

というメールを表示してくれた。僕は指定された電話番号を押して(それは
123456789だった)、オートバイを呼んだ。

「ヘイお待ち! 私は配達人のヘッスンです!! ご注文したお品です!!
蕎麦ですね?? 月を見ながら1週間後のバレンタイン・イブを祝うのはいい
ですねぇ? 月は満月じゃなくて、3日月だったらいいのに!!」

ヘッスンは笑った。


「お代金はそちらの長いメールの定理からお引かせ頂きます。えぇと…、僅か
に欠けましたね。気のせいです。大したことないです。お代金は確かに頂きま
した。『金融経済国ヘンザウロ』まで、あと1週間はかかると思うので、毎日
3食、これからどうぞ宜しくお願いします!!」

僕にはメールの定理が全然欠けていないと思った。ヘッスンは砂埃を上げて、
オートバイを暗い温い峡谷に隠した。月は空を支配していて、紫色と群青色に
溶けて存在を誇示していた。食器を置いて、気温が熱いので横になって寝た。



朝、白い太陽が出て、駝鳥の移動民族が目の前を走って行った。月が出てい
て、信号機みたく緑にした。遠くで走っていて、元の色に戻って、真っ赤にし
た。膨らんでいるようにも、萎んでいるようにも見えた。

「月は、ホメネカの乗り物で、玉乗りになってみんなを励ますのが夢なんだそ
うです」

携帯電話は言った。いつの間に意思を持つようになったんだと考えていると
また携帯電話が喋り始めた。

「『ヘーミッド』で太陽を浴びたからですよ。太陽電池なんです」

ホメネカは月を多分ジョイントで緑色にして、(多分「ソンパラメードの森」
の緑を盗ったものだろう)駝鳥やハゲタカや家鴨の大群の交通移動を整備した。
空までも信号で整備しているようだった。僕はハゲタカに訊いてみた。

「ヘンザウロまで、あと何kmぐらい?」

「うーんと、400kmぐらいかな」

ハゲタカは口を尖らせた。それから頭の上を触った。

「俺の襟巻きカッコイイだろ? 『金融経済国ヘンザウロ』で、賞金稼ぎで儲
けて買ったんだ。『ヘーラカダデの端』より、『ヘリオント砂漠』にある、
『ヘルンズ川』を北へ伸びる方角へ進むと、『へミダグリンの町』があるよ。
お前も賭け事を解決して、欲しいものを買おうぜ。じゃあな」



夜になっても、鳥は飛び続け、月は信号機になりすましていた。ホメネカは
眠っているようだった。突然携帯電話は言った。

「『へミダグリンの町』には、出口に古い時計屋.があって、其処を抜けると、
1分で1年時が進んでしまう『ナギャゾグビの長城』がある。崖にあって、生
き物の影を崖に落とすし、不安にさせるし、恐ろしい崖だよ。影を落とされる
と、永遠に『パパロメの間欠泉』の岸辺の死者の周回から出れなくなってしま
う」

携帯電話はそう僕を警告した。僕は携帯電話をしまって、出前を頼んで、砂
漠を歩いた。「ハヌワグネ時計工場」の野兎のショーで使ったスポットライト


のような月は、太陽の光を反射して、砂漠に、緑の海を生んでいた。薄い色だ
けど、灯台が首を回しているような気がした。岩があって、岩の砂が微風にほ
ろわれた。白い花が近くで揺れていた。熱砂の熱が足の裏からじんじんと伝わ
ってきた。すると突然、白い狐の盗賊団が岩の陰から姿を現して、サーベルを
手に持っていた。

「夜になるとヘーミッドでは力の強さが逆転する。つまり、俺達は3だ。お前
のいる領地の10分の7まで迫って来た。ということは、ライフは、12だ」

と笑って、サーベルからドラゴンを呼び.ました。ドラゴンは3末の爪を立
てて、口を大きく開けた。

「ソフサラコマや、仲間達の居場所を知らないかなぁ?」

僕は白い狐に訊いた瞬間に、ブレードを出して、ドラゴンの腹を切り裂いた。
砂漠の砂が出た。積もって山になると、ドラゴンは木の枝を口から高速で出し
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史