ジェスカ ラ フィン
「『トダンドの管』の奥には、サッザっていう時計の王様が眠っているお墓が
あるんだ。そこに行けば、必要ないかも知れないけど、『ヘーミッド』と『ソ
ンデワン』を回転させることができる。けど其処、『アーリャンスンゲサの墓』
には、古の盗賊団のトピニカデドーが墓守をしている。墓荒らしをしたら大変
だ。サッザ王を眠っているスペースから抜くと、下瓶と上瓶が左右逆に動いて、
ペッパーを撒くみたいに、先から砂を出して、『フェザ山脈』の山頂付近の、
長針と短針と秒針の巨大フェザ時計を動かすんだ。固い邪魔な雲を斬る。それ
が雪の元になるんだけど。デゾーの時計。ホメネカも、調子に乗って、立て掛
け時計の振り子を見せる為に真似をして、ソンパラメードのセネアトレクの心
臓の入っている森を自分の体内時計で揺らし続けている。じゃあねー!!」
と言って、マリンウェイごと剥がれて撓って、落ちていった。
敵の気配を感じて、ブレードを出してみた。遺跡から出土した銅剣のように
折れていた。僕の其れはミニサイズだが、綺麗に刃を折って、構えのポーズを
した。末気を出すと、ブレードは元の長さに戻った。僕は駆けた。金の入れ歯
と携帯電話をロープに吊るして、管を走り回った。狐と白鼻心の盗賊団が見え
てきた。1回転して、盗賊団の胸を裂いた。狐の盗賊団は拳銃を撃ち放った。
僕は弾道の煙を走った。蹴って、管を蹴って、白鼻心を切り裂いた。狐が弾を
放った。僕の体は割れて、白鼻心に当たった。首を撥ねた。サーベルを抜き出
した。進まないといけない。駆ける。敵達が前を塞いだ。狐と白鼻心が重なる
と、強さが増した!! 互角となった剣闘。上へぶら下がって、強さを逆にし
た。僕は僅かに強くなった。強くなった相手が斧を振ると、腕を弾き飛ばした。
骨から骨のサーベルを出して、鎧を身に纏った。僕は転んで、腕を放り投げた。
合体身は爆発した。僕は空間を移動させて、肘に合体身を当てた。マスから浮
く僕。ブレードを発射台にして、光の矢を放った。丸く膨らんだ腹の鎧を、ゆ
で卵の殻に皹を入れたみたいに、凹ませた。僕の体を通過して、光のカッター
が、どっちが正当な床なのか分からなくなってしまった床に傷を入れて、音を
立てて走っていった。ぐはっ……僕は血を吐いた。ブレードに皹が入った。手
を突いて、両足とブレードの3末で敵の前に立った。ブレードに力を入れて、
扇のように垂らして、重力を、背中の向こうから、突風のように吹き飛ばした。
目の玉を飛び出させて、飛んで行く合体身。僕は適当な所に氷の針を出して、
突き刺しておいた。追いかけるようにして追いかける氷達。合体身は氷ついた。
合体身の命が止まると、合体を解いたハンラチェカーが合体身の魂に食われて、
どぎづい色の怪物に変身して立っていた。僕は、頭の中で指を上に微かに曲げ
ると、合体身は管に潰れて.色の糞のようになった。.色の糞のようなものを、
飛ばして、次に出てくる敵を待った。
4日歩いた。食事は不思議と管の床から出てきた。ハンラチェカーは強さが
逆転する前に、殺しておいた。「ヘンラの管」への入り口があった。ギュリュ
フだ。一度頭の中で掴んで、放して、「ペパラロンテ」ぐらいの長さに伸ばし
て、爆発させた。上に下りなくても倒せた。青虫らしく、緑の血を流した。シ
ュークリームのクリームのように。鎧は、そのまま残ったが、イメージでぶち
壊した。星が降った。「ヘンラの管」は、透明なので、斜め下に迷宮が見えた。
よく見てみると上にも奥にも糸が絡んだみたいに糸玉のようになっていた。僕
は溜息をついて、両足を投げた。なぜか真ん中ら辺に水が溜まっていた。「チ
ャンダング図書館」で読んだ巨大地下水路とはこのことだったのかと思った。
きれいな水でも、汚い水とも思わなかった。多分「ソンパラメードの森」が抜
けた時に、どさくさに紛れて流れ落ちてきた3500年前の海水だろう。仲間
は何処に行ったのかと思った。皆無事に「下瓶」にいることを願った。星が管
の端っこにあった。それが印象的だった。「ヒレンバの管」まで行くのに、あ
と3日はかかると思った。4日前に殺したハンラチェッカーの死体の血を思い
出した。僕は滑るように「ヘンラの管」を降りた。ダイヤモンドよりも高価で、
高度の技術で作られた管であるような気がした。僕は右と左に寄って、コンコ
ン、と人差し指で叩いてみた。星が1つ落ちたような気がした。誰かの願いは
叶ったのだろうか。通路の先でエスニカリカルがサッ!! と出てやって来た。
突如に、体を管に無限に伸ばした。僕は内壁に圧迫されて、圧死しそうになっ
た。僕はエスニカリカルを噛み殺そうとした。そして、ブレードを腕の輪を移
動させて、真っ2つに割った。「ヘンラの管」まで割れたかと思った。白い巨
大な蛞蝓の汁が垂れてきた。切れ目からグリーンのブレードの刃に汁が伸びた。
焼いていない牛の肉かと思った。蛞蝓の体の肉は、ブルブル…と震えて、顔の
ように恐怖を表現した。心象心理をかするような表現だった。心象で、ブッチ
ュブチュに砕き割いて、汁が見えなくなるまで両掌は内壁に押さえて、真空刃
が暴れ回るのをやめるまでジョイントをコントロールさせていた。僕は駆けて、
逆に引っ付いて、粉々にしたふかしたてのじゃが芋に意識を持たせたようなエ
スニカリカルの分身を、マス目に設置させようとしたが、僕はブレードの伸び
た真空刃で、肉の脂のようなゼリー状を切り裂いて、ついでに末体も真っ2つ
にした。真空刃に炎を注いだ。真空刃は液体の可燃燃料のように脂と脂の間に
延ばして、先を伸ばして、燃焼した。飛行機の爆発エンジンのように「ヘンラ
の管」の曲がり角まで炎を吹いた。キャキャキャ!! と声がして、胴体をく
っ付けた。まだ圧迫死の可能性があった。僕はブレードで内壁に溝を開けよう
と思った。僕は全身全霊を込めて、ブレードの力を抜いて、両手を広げた。ボ
ールぐらいの球体になった。…もう限界だった。ばねのような地震が起きて、
僕は激痛が走る位、内壁に頭を叩きつけられた。ブレードを両手で支えて、真
っ2つに切った。ワイン色の血が出た。隙間ができたが、血に彩られた。僕は
血を、吐き飛ばした。ブレードで血を弾き飛ばした。そしてまたすぐにくっ付
いた。上にエスニカリカルの体がついて、体の筋肉が更に増大した。下の体は、
寂しいぐらいに萎んでいることに気がつかなかった。下の皮膚には、皺が大量
に寄っていた。僕はその皺を狙って、ブレードを右腕に移して、空気の隙間に
滑り込ませるようにして、加速した空気を飛ばした。皺がバラバラに砕けて、
柔らかい部分が、大量の血を噴いた。しかし、その空気は最後まで届かなかっ
た。エスニカリカルは体を思いっ切り寄せて、僕を内壁にめり込ませようとし
た。僕は末気を出して、ブレードを100回以上突き刺して、汁がブレードに
付かなくなるまで突いて、布地を切るみたいに、半ば胴体に入る形で、急速で
前進していった。上に行ったり下に行ったりして、ばらばらに完璧に捌いてい
った。
迷宮に入った。エスニカリカルの胴体は「ヘンラの管」で、蝸牛の殻を2つ
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史