ジェスカ ラ フィン
レードで切り裂かれて、青いドロッとした血液を出した。美味しそうな匂いだ
った。クリームのような。しかしギュリュフはすぐ再生し、ジョイントで僕の
ブレードを溶かした。ドラゴンとのバトルで欠けたばかりだった。僕は戦闘の
準備ができていなかった。スウォーダは、尻尾を無限に伸ばして、橙色の尻尾
を僕に打ち当てた。僕は峡谷にめり込んだ。立ち上がって、指の関節をバラバ
ラに解いて、マリオネットを引くような感じにして、肩と肘をギュン!! と
向かいの壁に引っ張って、3体の重力を僕から引き離した。大きな落盤の音が
聞こえて、3体が山に埋まった。まだ海溝の中だ。飛び上がって、トラフまで
やって来た。僕は完全に仲間を見失った。ここはどこのフィールドだ!? …
と思った。
「力の強さは逆で、俺達は『10』以上になった!!」
ハンラチェッカーは言った。0字天文が飛んで来た。僕は激突して、雷が落
ちたみたいな衝撃を食らって、壁を削り続けた。そして、土砂となって僕の上
へ落ちた。石を飲み込んで、咳き込んだ。
「お前とお前の仲間達はもう離れ離れになっている!! 浮遊船は命の欲しさ
の為にドリルでヘーミッドへと向かったらしい!!」
馬陸のカンカリーザは言った。
「オラオラ!! 強さは逆なんだぜ!! だから早く外に出ろや!! ハ
ァ!!」
と言って、重力を操作して土砂を持ち上げて、僕を持ち上げて、下からほど
走る火炎を立ち上げて、僕は炎に巻き込まれた!! 目の前で石が炎に包まれ
て黒い煙を出している!! 僕はジョイントで水色の水を身に包んだ。ジュバ
ジュバジュバー!!…と聞こえて、シールドの水は1瞬にして氷付いて、倒れ
て膝を突いて元の景色に戻った。僕は回転して黄色い真空刃を出した。鎧の溝
がジュジュジュ…と微かに燃えた。1瞬ソフサラコマのことを思った。頭が寒
く、力を振り絞って、ジョイントでドラゴンを召喚した。業炎を吐かせ続けて、
カンカリーザを火達磨にしようとして、顔を守っていたカンカリーザを僕は隙
を突いてブレードを収めて殴った。炎が止んで、カンカリーザは朦朧となった。
足を蹴り上げて、回転してきた。僕は上に吹っ飛んだ。しかし、重力の分だけ
吹っ飛ぶことはできずに、停止したように思えた。強さは逆であるトラフであ
り、僕はどの位に当てはまるか分からなかったから、曖昧な考えのまま、戦っ
ていた。僕は白い壁に頬を張り付かせていた。倒れていた。無音で、心の音だ
けが聞こえた。心の中でバック転すると、起き上がった。…水は、無い。ファ
イティングポーズをして、構えている。月は、太陽は背を過ぎて行く。僕は1
人だ。地面に突いて両足で目標を蹴った。敵を薙ぎ払った。僕は、ジョイント
で海溝を水で満たした。上がっていく僕。…地上は凍っていて殺伐としていた。
ルダルスで戦ったドラゴン達の化石が、地層に半分程埋まっていて、辺り1帯
に広がっていた。…寒すぎる。僕はジョイントで保温した。遥か上空に高速道
路が皹に覆われて立っていた。海面高速水路のボールやレールが、埋まって、
ぐにゃぐにゃに曲がって、汚れて顔を覗かせていた。「ソンパラメードの森」
のあった穴には、何故か風車風の穴の開いたルーレットのようなものがあった。
街は廃墟と化していた。ほとんど腐った土で埋まっていた。もの凄い物質の音
が聞こえて、高速道路が浮き上がった!! 僕はジョイントで駆けた!!
「流通国ファニアータル」で、6末の高速道路がドラゴンのように集まって生
き物のように動き回ってもの凄い速さで走って来た!! 補給艇が頭で、海中
都市が胴体と尻尾で、エレベーターホールビルディングが首で、千切って巻い
た2末の高速道路が手で、残りバランスよく巻いて広がっている4末が浮き上
がった羽だった! 固定されたライトが棘のように見えた。
カンカリーザがデグズーファントルと合体し、3体のスウォーダと、ギュリ
ュフと、ハンラチェカーと合体した。カンカリーザが意思を持った。
「ルールは、1旦足が着くまで、着陸できない。分かったか??」
カンカリーザはそう言って、高速道路より下にある海溝を全て吹き飛ばし、
世界の端の水の落ちる崖の「ジェラーネ」から外の宇宙へ弾き出した。補給艇
が開いて、ドラゴンが鳴いた。岩壁は、海水のように落ちていった。
僕はダッシュして、宙を回転しかけて、高速道路の裏を蹴った。均等で平坦
な地面を蹴って、雲を蹴って下りた。雲より上へ行けなかった。両手に力を入
れて、脇を締めて、狙いを定めて、両手をタイミング良く開いた。ドラゴンの、
手が、2末、きつく貼り付けられるように伸びた。手を叩いて、重力をかけて、
振り下ろした。ドラゴンの頭が、首が折れるように地面にのめり込んだ。僕が
高速道路に着くと、感電した。…逃げ出さなければ。僕は記憶の中までも黒焦
げにされそうな気分だった。ドラゴンがあらかじめジョイントで地面に高速道
路を隠して、罠に引っ掛かるのを待っていたのだ。光通信の機械と機械の間に
引っ掛嘗て、麻痺した。僕は人形のように地面に落ちた。高速道路を上げて、
空を黒くして(感電して)雲を呼んで、僕に雷を落した。僕は白骨になったよ
うな気分で倒れていた。ドラゴンは手で砂煙を起こして、竜巻を起こした。僕
は吹き飛んだ。カンカリーザはドラゴンを操縦していた。煤だらけになった僕
は、汗の代りに血を流していた。植物は残っていた。僕は峡谷の壁に激突した。
骨が欠けた。ドラゴンは天に吠えた。空気を吸って、火炎を吐いた。眼にも止
まらぬ早さで尻尾が峡谷を押して、僕を「宗教国スギミダ」まで押し飛ばした。
「ソンパラメードの森」の代わりに、風車が洗面台の異物止めのような横向き
で丁度良く挟まっていた。「古代国パルスミンド」という古代都市が、何処に
あるか分からなかった。僕は、…ここが「ユンデサ」の上の、「へサノサの洞
窟」かと思った。風車に下りて下の黒い湖を見てみると、白い汚れた高等学校
のようなものが映っていた。巨大な穴の内壁に手をかけ、風車に体重をかけて
いると、動きだすかも、という恐れを抱いた。洞窟じゃなくて黒い湖じゃない
か、と思った。風車が.しずれると、なんと突然夜になって、全ての星がもの
凄い速さで太陽の自転と同じように動いた。肘が折れた。頑張って体重をかけ
て風車を戻してみると、また逆に全ての星が動いた。僕は、1か8かでその湖
に飛び込んでみた。痒い泡を立てて背中から沈むと、勝手に体が縮こまって、
体温が溶けていって、そのまま沈んでいき、僕は気を失った。
何重もの地底洞窟の層を意識が朦朧としながら、毒の沼地などを通りながら、
降りて、流され、気が付いた時には、僕は黒い滝の流れる岸に倒れていた。砂
が服、皮膚に張り付いて、起き上がってほろった。波紋が広がっていて、水の
流れる音がした。ゴン!! という激しい音が上から聞こえていた。僕は上手
く逃げられたようで、ドラゴンに乗ったカンカリーザは追って来なかったよう
だ。振り返ると洞窟が口を開けていた。僕は進んで30分ぐらいすると、エメ
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史