ジェスカ ラ フィン
『ジュラーネ』へさらわれてしまったよ!!」
と言って、逃げてしまった。僕達は「ジュラーネの崖」へエスニカリカルの
後を追いかけることにした。
超高速で、水の落ちる「ジュラーネの崖」まで行くと、マップを見ていたシ
ャクトラが、
「突然遠くで『ソンパラメードの森』が光り出しました!!」
とダビャーズに叫んだ。
「なんてことだ!! どうして『ソンパラメードの森』が光る!? やはりこ
れからソンパラメード……何だ!?!?」
突然浮遊船が激しく揺れ始め、僕達の右側にもの凄い力が働いて、徐々に海
水の落ちる崖の、『ジェラーネ』の下へ落とされそうになった。不思議な力で
崖の方へ引き摺られた。
「くっ!!、どうすればいいのだ!! どうにかして元に戻さなければ!!」
ダビャーズは大声で叫んだ。
船が揺れ、天井のパーツが外れて降ってきた。もう駄目かと思った時、いき
なり皆の胸のペンダントが輝き始め、外を見ると浮遊船を紫色の膜で覆い、流
れ落ちるのは済んだ。不思議な力を解除し安心しかけたその時、スウォーダが、
凄いスピードで大口を開けて浮遊船の膜を破り、海中に道ずれにしようとした。
熱帯低気圧のせいで上昇することができなかった。僕達はフルエンジンで逃げ
て来た。
2のリギーは、パパロメ姫とセネアトレクとルルルフ姫を掴んで、叫んだ。
「俺がジョイントを使って宇宙から、ホメネカを呼び出したんだ!! ホメネ
カ!!」
リギーは結界を張り人々を除けさせると、空へ飛んで行った。ルルルフ姫ら
しき人物は気絶してうな垂れていた。僕達でも近づけなかった。リギーを捕ま
える為に海に出て、船に乗ってUターンをした。
スギミダ大祭の日の夜。星天の空に、巨大な満月の迫ったスギミダに、リギ
ーは不気味に嘲笑って地上を見下ろしていた。月からホメネカの頭が見えてい
た。
リギーは両手を胸でクロスさせ、目を閉じ、その時を待った…。
「2500年掛嘗て、やっとできるのだ!! 喰らえ!!」
遥か上空のリギーは張り叫んで、両手を引き離し、勢い良く後ろに振り落と
し、洗脳し暴れ回った黄色い毛で、マーブル模様のホメネカを使って腹から糸
を垂らさせ、なんとジョイントで「ソンパラメードの森」を、ゴゴゴゴゴ……
と引き抜いた!!!!
「ルルルフ姫が危ない!! 即刻森に引き返そう!!」
抱き抱え込んだダビャーズは叫んで、上空を見た。巨大な「ソンパラメード
の森」が海水を流して浮かび上がり、岩盤部分が剥き出すと、ルルルフ姫の足
に刺さっていた釘が突然抜け、景色が変わった。
「何が起きたんだ!!」
ダビャーズは叫んだ。
「ルルルフ姫の釘の靴が抜けたせいで、時が3500年進んだようです!!」
ホートロは時空波計測メーターを見て突然言った。上空には月も、リギー等
4人もいた。しかし、「ソンパラメードの森」を引き抜いたホメネカは、月を
上昇させ、「ソンパラメードの森」を、盗んでしまった。そして、そのまま、
遥か上空まで消えてしまった。
「ジョーカーのババのジャンガズガンズの墓を抜いて盗んでしまったよ!!」
リギーは言って、笑った。
遥か中心から1000発原爆が落ちたような轟音が鳴り響いてきた。津波
が辺りを襲いかかった。海が灰色に変わると、下にいたスゥォーダは、大声で
喋り始めた。
「ホメネカのジョイントさ!!」
と笑った。
エスニカリカルはジョイントで大竜巻を呼び、「宗教国スギミダ」を壊した。
僕達は「宗教国スギミダ」の人々達を助けることはできなかった。ラロレーン
の肩の隙間の円状の窓から外を見ると、ゆっくり.向きから海に渦の溝ができ
てきた。前方も後方も海が動き、晴れているのになんだかここは映画の撮影所
か、劇の中のような場違いのような気がした。
1時間後に、ゆっくり、大きく勝手に海が動き始めた。やがて船も動き出し
た。舵でブレーキをかけても、船はぴくりとも動かなかった。波の.体の音や
船にぶつ嘗て砕ける音がした。それは暫く続いた…。僕達は流されることに必
死に耐えた。2時間後ぐらいに、大きく渦が巻きだして、急に海抜が下がって、
引き摺られていった。
「それでは頼むぞ!! ホメネカ!! お前が裏切れば、俺はもう一度『ソン
パラメードの森』の蓋を閉じるぞ!!」
リギーはホメネカを脅した。
ホメネカは糸を引き上げ、もの凄い振動が起こし、「ソンパラメードの森」
を海中から抜いた!! そして、天道虫の、足のような鋭い山脈のような黄色
い塔が、ドバドバドバ!! と、海中から次々と飛び出して来た!!!!
僕達はギリギリで船に乗って空へ上がった。雲を出ると、遥か上空に浮遊石
が見えた。雲の隙間から茶色い峡谷が見えた。更に上昇すると、「トーロの小
島」が無かった。「文明国スワンダ」に着くと、まっ平らで鳥羽色の岩盤があ
った。6000年前とは違って、ここには何も無かった。風が吹いた。僕達は
調査船を降りると、「トヤランズ城」が出てくるとばかり思っていた。何か嫌
な予感がした。僕は仲間達と顔を見合わせた。そして、言った。
「ダビャーズさん、上空に上がって逃げておいて下さい」
彼等を調査船に乗せ、上昇すると、僕達は戦闘の構えを取って、何かが起こ
るのを待った。しばらく何も無かったが、ある時突然、3000体ものドラゴ
ンがフィールドに現れて、僕達に襲い掛嘗て来た!!
「スゥォーダだ!! 恐竜使いのな!!」
スゥォーダはマントから両腕を広げて、ドラゴンに食い殺すように命令した。
岩盤が山折りに折れた。僕達は落下し、エスニカリカルがジョイントで浮遊
石が落ちるのを止めた。灰色の岩が宙に舞い僕達はドラゴンを殴り倒した。火
炎を吹き、腕で守っていたがジョイントでグリーンのシールドを出して、皺の
あるミルク色の腹を、ブレードで真っ2つにした。ドラゴンが5、6体襲い掛
嘗てきた。ペリンガは、腕で受けて、炎を回避しようとしたが、ウィズウィン
グルが回し蹴りでドラゴンを1風して、助けた。ラロレーンは岩盤を除いて、
浮き上がらせて、皮膚が溶けたドラゴンに投げてぶっ潰した。ソフサラコマは
後ろ向きに回転して舌が雷模様に曲がっているドラゴンの腹を切り裂いた。潰
そうと飛び上がってくるドラゴンを、僕はシールドでダメージを軽減し、盾か
ら弾を乱射して、穴を開けた。
エスニカリカルの腕が巨大化し、飛び上がって、割れて直った2つの岩盤を
物凄い勢いで叩いた!! 僕達は飛び上がった!! ブレードを限界まで伸ば
して、飛び上がって50〜100体ぐらいを回転して切り裂いた。汗が額から
出てくる頃には、ますますドラゴンが増えていた。牙を剥き出しにして、上空
から急落してきた。かわして、ブレードを縦にして、背から頭へ真っ2つにし
た。シールドとグリーンのブレードを付けた。遠くにいる敵に向嘗て、黒のグ
リップを握って、円弾を乱射し続けた。後ろから羽をバタバタさせて飛んでく
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史