ジェスカ ラ フィン
「なんてめちゃくちゃな法律だ!!」
ペリンガは言った。
「引き返しましょう!!」
ペリンガの提案で、「浮遊船エスピショー」を「娯楽国ネオホケメダン」に
戻すために、違法禁止のレーザー砲を使って、エスニカリカルを痺れさせ、海
に沈めた。そのうちに全速力で、戦闘機とヘリから逃げてきた。
「流通国ファニアータル」の中で、コンプリート・オーバーホールにより、
1時間かけて「浮遊船エスピショー」を修理し、アンチスキッド・ブレーキを
外し、滑走路を出て、トラフィック・パターン、ランディング・ロール。飛び
出した。クライム。ダッチロールをして、「宗教国スギミダ」の大空へ向かっ
た。
「大変な情報が入りました。スギミダの大祭で、ルルルフ姫が『ソンパラメー
ドの森』に隔離にされて、我々が死ぬのを待っているようです」
ジョンプはそう言った。
「…ファニアータルもあのコンプリート・オーバーホールが最後の提供だそう
です。もうファニアータルに入ってこないでくれ、と、ACARSで伝えてき
ました」
ダウン・バーストを受けた。
「盗賊団はペンダントを付けている『文明国スワンダ』の人々の睡眠時間を食
らい、ジャンガズガンズを生き返らせ、永遠に生き続けようとしているという
…」
ダビャーズは両手を震わせながら、そう記号を解読した。
「ジャンガズガンズって、何者だ?」
ソフサラコマがスタッフの1人のホートロに聞いた。
「盗賊団の元、頭です」
ホートロはソフサラコマに言った。
「私達スワンダの住民の付けているペンダントは命の時間です。ニランガは盗
賊団に利用され、乗っ取られたのです。それを返上する条件で、私達に『宗教
国スギミダ』に来るように、リギーは『流通国ファニアータル』、『宗教国ス
ギミダ』、『文明国スワンダ』を支配し、言っているのです」
ジョンプは言った。
「くっ!! リギーが『宗教国スギミダ』や『文明国スワンダ』を支配し、私
達を狙っているんですか!!」
ウィズウィングルは椅子の手を乗せるところを叩いて怒鳴った。
「流通国ファニアータル」を出て2000km走った所で、真っ青な夜空を
見ながら、スタッフが緊急事態を告げるように言った。
「…METARは深刻さを報じています」
「天候だけでなく、僕達の命も危ないよ!!」
ソフサラコマは叫んだ。
「何だと!? それでは『宗教国スギミダ』に辿り着けないではないか?」
「『ソンパラメードの森』に閉じこられたパパロメ王女とセネアトレク様は何
も知らないようです」
スタッフの1人は言った。
「ルルルフ姫とパパロメ王女とセネアトレク王は別々に閉じ込められているの
か!? リギーは何千年生きているんだ?」
僕は叫んだ。
「…おそらく5000年以上です」
シャクトラは青ざめた表情で言った。
僕達が「浮遊船エスピショー」を旋回させて雲を抜けようとすると、突然、
「待って下さい!!…私達は、しっかりと古の記憶を持っているのです…」
と、センターモニターが降りて、ホログラムのパパロメ王女が姿を現した。
「あなたは…パパロメ王女…まさか」
ダビャーズは両手を差し出し、震え口を大きく開けながら目を大きくさせた。
「今私は盗賊団に捕らわれています…。盗賊団の方が1足解凍するのが早かっ
たようです。森には形を変えたエスニカリカルと、スウォーダが見張りとして
います。エスニカリカルは、ジョイントで体を伸ばしてあなた方の船を襲いま
した。私達をお助け下さい…。あなた方が.来に来てから、デゾーが、森と海
に新しく有利なフィールドを出しました…。先にジャンガズガンズを殺したか
らです…」
パパロメ王女は言った。
「パパロメ王女と首の無いセネアトレクを見張っているのです」
パパンは言った。
「段差があり、中心が凹んでいる『ソンパラメードの森』は複雑な道です」
ジョンプは画面で調べて皆に伝えた。
「盗賊団のホメネカとリギーが、私達の娘のルルルフをさらって、『宗教国ス
ギミダ』の島の奥の『ソンパラメードの森』に隔離したのです…どうか娘をお
助け下さい、お願いします…もう時間がありません…」
パパロメ王女は話し終え、涙を流すと、突然フッ…、と消えていってしまっ
た。
「ルルルフ姫の元へ行こう!!」
僕は皆に叫んだ。
「…向かう前に、これを見て下さい。…衛星を上げてホメネカの全体図を写し
てみました」
操縦席を外して、シャクトラはダビャーズの元へ行って渡して来た。
「なんだね? これは?」
ダビャーズは、目を丸くして驚いた。
「…巻物を読んで凶暴化させ、巨大化させ、黄色になり産毛のような白い毛が
いっぱい生えた背中に2500年後の世界を、渦を巻かせて崩れさせ、黒い模
様を浮かべています」
パパンは深刻そうに告げた。
「そして、近づいて来ているのです…」
「体長は全長1738m、体重は666万t…」
海上に下り、調査員と僕達は、「宗教国スギミダ」を目指し、「流通国ファ
ニアータル」に戻る為に、海を進み続けた。熱帯大気圧により到着予定時刻が
遅れていた。
12 ソンパラメードの森
僕達は3人を救うためにスギミダを目指した。海は比較的穏やかだった。鴎
が遠くから鳴き、水と食料を積んだ調査船は順調に.へ進んでいた。ここは飛
空禁止地区だった。たまに空に無断で、飛空艇で飛んでいる者がいた。墜落さ
せられるんじゃないかと思った。通りかかる者全てが羽を休めていた。並んで
進む船もあった。飛空禁止地区から先へは海面高速水路があった。1般の浮遊
船の水路と、料金を払って進む高速水路が内側にあった。海面には夜になると
光るボールが浮かんでいた。海面にはスケルトンのレールが建っていた。右側
には浮遊自動車が走っていた。高速道路は.し薄めに走っていて、2500年
前より曲がって走っていた。傾斜が全ての路面についていたのだ。僕達の調査
船が.しダサく見えた。海面高速水路の道の幅は多めに取っており、海中には
色の鮮やかな.し進化した魚が泳いでいた。船内の側面の壁をスケルトンにし
た。「ファニアータル給油艇」を出る前に海面高速水路の料金を払い、出発し
た。海中には.来都市があった。ICで船が持ち上げられて重さを計り、カウ
ントがボードの料金のランクに当てはまって、100万ワークンを機械で払っ
た。雲の山のトンネルを走った。船の起こす波飛沫が、雲のふわふわとした壁
を溶かし、自動的に雲は元のサイズに戻った。雲の中を鳥が走っていた。外に
出ると虹は伸びる途中で走り続けていた。ターコイズブルーの海中を、サンゴ
や岩礁や珊瑚礁や色の綺麗な岩が彩っていた。椅子の下から見える景色は最高
だった。椅子を浮かせ、アームが僕を持ち上げた。ダビャーズが天井の壁をス
ライドさせて空を見せた。目の前にある雲が空に浮かんでいた。僕はいつか雲
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史