ジェスカ ラ フィン
「.の、『デンザの島』です」
ダビャーズはそう答えた。
僕達は調査船を進化させたという浮遊船でリギーの後を追うことにした。空
から紐のような高速道路が見えた。ずっと続いていた。後部座席の観測.でリ
ギーの偵察飛空挺を見てみると、遥か彼方3000km離れた雲の上を飛んで
いた。1階に降りて、市役所から直々に任命された調査隊を呼んだ。ダビャー
ズを含めて4名だった。皆若い連中だった。僕達は外に出て、ペーブメントを
歩いた。舗装されたのか、と僕は懐かしく思った。シャンクスも含めて僕達9
名は、調査船のある「トーモの小島」に橋を出してもらい、「スワンダ飛空挺
基地」の離陸場から、浮遊船を出して出発した。黄色のボディーの船だ。
「なんという名前ですか? この船は」
ソフサラコマが尋ねた。
「『エスピショー』です」
「『STOL』ですね?」
「さすがシャンクスさん、詳しい」
シャクトラというスタッフは答えた。
操縦.では4人のスタッフが「浮遊船エスピショー」のレバーを両腕で握っ
て操縦していた。
「…『I‘m safe』」
「はい…」
「…高揚力装置を」
「…はい」
「管制間隔が規則通りに守られてませんねぇ」
スタッフの1人のパパンは、自動推力調整装置を使って、エンジンの推力の
調整を行った。
「NDは正常ですPFD」
バイパスを上げた。エンドレス保存機が、操縦.の音声や「ファニアータル」
管制塔との交信内容を記録した。スタッフは自動飛行制御装置を押した。
「自動推力調整装置を作動させて下さい」
僕はその様子をじっと見ていた。
「『宗教国スギミダ』は『流通国ファニアータル補給艇』の遥か.東3000km先にあります。時速1200kmで飛びますから大丈夫です」
パパンはそう言ってスピードを上げた。僕達は故・タイリュー王の話をした。
彼は操縦席を開けて、
「補給艇は5000km先にありますよ」
と言った。ルルルフ姫を守っていた兵士は皆殺されてしまったと教えた。ALSを使って、APSにして、「流通国ファニアータル補給艇」の中に入って、
APUを作動させた。
「『エーカーズ』を交換します、よろしいですか?」
「ラジャー」
流通国コントロール・タワーとコクピットにいるジョンプとのやりとりが続
いた。
「FDR、EICASは大丈夫です」
「最終的にエプロンに降りて下さい」
ジョンプは方向蛇を踏み、左折した。
「ILSは基準内にあります」
「INSを使いましたか?」
「いいえ、今回は」
「アップウインドレッグ、クロスウインドレッグ、ダウンウインドレッグ、ベ
ースレッグ、ファイナルアプローチを通って中に入ってください」
「ビトー管を計って下さい」
「分かりました」
そう聞こえてきて、トラフィック・パターンを出し、ヨー・ダンパーにして、
滑走路を延ばした。
「浮遊船に詳しいんですか?」
ホートロという若者は僕に聞いた。
「ちょっと飛行機に興味があったんですよ」
僕は言った。飛空艇はタキシングをした。貨物機が飛んでいった。逆推力装
置を使い、ブレーキをかけた。
「ジョイントオペレーションですから」
「『ATS』で『ACED』であなた方の『STOL』を認識します」
マーシャリングマシーンに従って、アウターマーカーを通り、入り口に入っ
て、飛空艇の洗浄とコーティングと燃料の補充をするためにスタンドに入った。
「フライトプランは?」
「えー…、1日です」
ホートロは言った。
「…分かりました」
燃料のガスと石油は地上の「機械国ルチャーナ」からのものらしい。
「この『ファニアータル補給艇』は国際空港で、『流通国パシキゾーフ』の上
に建ち、管制区管制塔兼エレベーターホールビルディングになっており、支度
が完了した後海上に降ろされて指定された場所に停泊するのです」
ダビャーズは言った。
「煉獄に行くわけではないですから。ゆっくり今日は休みましょう」
スクリューモードに変えて海を越える船もいればエレベーターに上がってい
って空から飛び立って行った船もあった。補給艇はもうこの先にはないため、
下ろされて、ホースを繋いだまま停泊して、1日かけて補給するらしい。
翌日、高度1000mの高さのビルから飛び出し、3000km先にある
「デンザの島」へ出発した。
「30分後に『デンザの小島』に到着致します。リギーは、昨日のうちに『デ
ンザの小島』に入っていったようですね」
パパンは特殊な双眼鏡を見ながら言った。しばらく進むと、雲の奥に虹が真
横に架かった小島が見えた。満月が、すごく近くに見えていた。嫌な予感がす
る。突然雲行きが怪しくなり、ジョイントのものらしき雷電を受けて墜落し
た!! 墜落するところを戦闘機の大群が押し寄せてきて、レーザーやミサイ
ルで攻撃を受けた!! どうやら「デンザの小島」の要塞基地から出てきたも
のらしい!!
「リギーの部下達だ!!」
ダビャーズは叫んだ。高速回転して突っ込んできた戦闘機は、レーザーで攻
撃すると、旋回して後ろから迫ってきた。僕達は後ろから指示を出し、操縦席
へ伝えた。激しく何度も揺れ、上下に振られながら、パンパンが鳴った!!
「何処かに掴まれ!! 着陸するぞ!!」
僕達の船は無事海の中に落ちた。.し海に浸嘗て触れていると、牛乳色の霧
が起こって包まれて嵐が起こって、スタッフがスクリューを出しても、動かな
くなった。突然巨大な蛇が海面から顔を出して大声で叫んだ!!
「ふははぁ!! 俺は蛞蝓のエスニカリカルだ!! 海では強さは逆だ!!
リギーの命令により、お前等をここで殺し、デクズーファントルやギュリュフ
を呼び出して世界中を破滅させるつもりさ!! デクズーファントルとギュリ
ュフは『ソンパラメードの森』でセネアトレクとパパロメに面会させた時に、
隙を狙って毒を浴びせたんだ。ホメネカは月にいる限り流転が働いて、地上最
強だ。俺達は仲間達を狙わない約束だ」
そうエスニカリカルは言って、背中から出した尻鰭をぶん回して、「浮遊船
エスピショー」に大打撃を与えた。舵を逆に向かせて、逃げようとすると、化
学アルミニウム合成製の、バルーンの部分に噛みか嘗て来た!!
「どうやって『ソンパラメードの森』から抜け出して来たんだ!!」
「あそこは奴らを封印する為に、ずっと結界が張ってあったはずです!!」
「やはりデクズーファントルとギュリュフが逃がしたに決まってる!!」
ジョンプは叫んだ。
「ジャンガズガンズの後を引き継ぐ資格があるのは、どうやらリギーのようだ
な」
ダビャーズは言った。牙を更に食い込ませてきて、船が横転しそうになっ
た!!
「上昇しろ!! 上昇しろ!!」
ダビャーズは大声で叫んだ。レーザー砲があるが攻撃することができなかっ
た。「娯楽国ネオホケメダン」より法律で認められていないからだという。
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史