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ジェスカ ラ フィン

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とはいかないが、.しは夢から.めてくれるだろう。おそらく、リギーのジョ
イントにか嘗ているんだ」


「タイリュー王はこの前お会いした時、『農業国ビザジズドー』の、『サーラ
ムの葡萄園』に行ってみなさいよ、と言っていましたよ。夢現だったのかもし
れませんが。そこには、一体、何が待ち構えているんでしょう?」

ソフサラコマは話した。

「おぉ…、そうか。タイリュー王がそのようにお話になさったか…なら、行っ
てみなさい。『娯楽国ホケメダン』でエントリーを済ませたら、『農業国ビザ
ジズドー』に原材料を取りに行きなさい。此処『機械国ルチャーナ』へ持って
きて加工しなければならないのだが、『娯楽国ホケメダン』の祭りだ、『商業
国コラダングス』の人間も特注で受け持ってくれるだろう。そうすれば優勝は
確.だ。きっと、その『サーラムの葡萄園』の何かの原材料を使えば、必ずや
優勝できるはずじゃ。頼む。この国の、いや、この世界の平和を守れるのはお
前達だけじゃ。まだ班猫のデグズーファントルやリギーにはかなわんが、経験
を重ねていけば間違いなく勝てるはずじゃ。轡虫のデボズルジは、強いが、皆
でまとまって協力して戦えば、勝てるはずじゃ。もう1日休んでいけ、と言い
たいところじゃが、コンテストまで時間がない。1刻も早くホケメダンへ行っ
て、参加を希望してくるように」

「分かりました」

僕達は返事をした。



ナヌコラーゼに挨拶をして、「機械国ルチャーナ」の北東にあるレンタカー
センターで、6人乗りにセットされた、ステーションワゴンを借りた。地図で
現在地を確認して、.東に車を進めた。運転はウィズウィングルがハンドルを
握った。

ICを出ると、高速に乗った。半日以上かかる「流通国パシキゾーフ」まで
の長い道のりを、ソフサラコマと僕とで盗賊団のルトワーゼとノザロッチと戦
闘したこの高速道路を思い出しながら景色を見た。戦いで破損した路盤やその
他の箇所はいつの間にか直っていた。

僕は加速して過ぎて行く車等を眺め、天気が悪くて荒れた海を見た。深夜10時頃に「流通国パシキゾーフ」の入り口に着いた。蛍烏賊漁船の群れのラン
プのように渋滞の高速道路の中に乗用車のライトは大行列を成して並んでいた。
.しずつ、.しずつ、進んでいた。

ホテルで1泊せずにロータリーで待つ間に、目的地の方向に回転しながらガ
ソリンを入れて満タンにした。「娯楽国ホケメダン」へレールが重なると、移
動ショップで食料を買ったお釣りを貰って、1時間後に「娯楽国ホケメダン」
行きの入口から、出発した。先に進んでいる車を追い抜いて、前方の地平線と
後方の地平線に高速道路以外何も障害物のない景色に入った。


朝方前の海が、綺麗で、屋根を開くと、風が入ってきて、みんなが笑顔にな
った。朝日が光を広げて海の彼方から出てきた。壮大で、ドラマチックだった。
世界がこんなにも広いのかと思うぐらい凄い景色だった。途中から森の中に入
った。



4時間走った未に、渦巻き状の環状線が見えてきた。あんなにも「娯楽国ホ
ケメダン」の海抜は低いものかと思わせるものだった。ぞくぞくと後方から車
が集まり、次々と軽く抜かされていった。

「戦争の結果ですね。おそらく、休戦中に『流通国パシキゾーフ』が建ったの
でしょう。ですから、他の国と直接繋がっていないのですね」

ペリンガは言った。

環状線に入ると、さすがに車の数は思ったより.なかったが、30分ほどの
渋滞はできていた。電光板に外の気温と路面の気温がパチパチと点滅していた。
何処かの工場から煙が立っていて、何百末ものパーキングタワーが高さを競う
合うように立っていた。鉄橋を渡る物資鉄道が見えた。連結した石油タンクを
運んでいる列車も見えた。掲示板をぶら下げたアドバルーンが、色とりどりに
テーマパークを.伝していた。ビルや歓楽街が細かくびっしりと見え、娯楽国
のエリアは6つの地区に分かれていた。ICのある右から演劇の町、食事の
町・繁華街、記念館の町、ショッピングの町・快楽街・映画俳優の町、レジャ
ーランド、中心を覆う草原、遊園地テーマパークを両側に挟んだカジノ、後ろ
に聳えるサファリパーク、背的役割の山。タワー。全てが豪華だった。

ICを出ると、工場街を抜いた。40分程走って、記念館の町の国の市役所
に着いた。国立博物館の隣にあった。虹のバルーンが空を動いた。僕達は中に
入った。城のような装飾でブジョイントンを基調とした床。赤紫色の絨毯が奥
に伸びる。30分歩いた未に「ホケメダン映画祭・演劇祭 企画部・コンテス
ト大会審査委員会」とプレートを貼った部屋があった。なんだか天井の高い大
学の教授の研究.のある階のようだった。中で複数の女性が手続きに追われて
いて、僕達が受付の前に来ると、

「抽選を引いて下さいませ。キャストの衣装のデザインは、定員制なっており
ますゆえ」と言って選択したいキャストを書き込ませた。100組の予約が
先にあった。中で手

続きを済ませると、僕達は部屋を出た。

「『農業国ビザジズドー』の素材と、『商業国コラダングス』のデザイナーが
必要なんだろう?」

ペリンガは言った。

「素材はこれから探しに、デザイナーはブランド店から引っこ抜こうよ」


「材料は『農業国ビザジズドー』の養蚕場から直接『機械国ルチャーナ』の工
場に頼んで、『商業国コラダングス』に送るそうだ。それまでに2日かかる」

「2日でしたね。それまでに無事にオートクチュールをメイドさせることがで
きるでしょうか?」

ラロレーンは言った。

「しかし海が綺麗。どんな魚が獲れるのかな」

ラロレーンは窓から港町を見て喜んでいた。

「タコとかヒラメじゃないの?」

ソフサラコマは言った。

「工業用水で滅茶苦茶汚いからね。『機械国ルチャーナ』では、あまり良い魚
は取れなさそうだな。ってさっきトイレで役員の人が話していたよ」

僕は口添えした。ラロレーンとウィズウィングルとペリンガは、衣装のデザ
インの打ち合わせをしていた。もし主演女優が獲れなかったらどうしようかと
も話していた。魚の話に似ていた。

「さてどうしようか。まず『農業国ビザジズドー』に行って、繊維を取りに行
こう。現地の人に聞いてさ、それと、『サーラムの葡萄園』に行ってみよう」

「染料を手に入れさせるためにタイリュー王は教えてくれたのでしょうか?
『サーラムの葡萄園』では、葡萄しか手に入らないような気がするんですが」

ウィズウィングルは口をつぐんだ。

「『農業国ビザジズドー』は染料の産地なのかな?」

ソフサラコマが言った。

「繭はたくさん採れるよ、って役人にさっき聞いてみたんだ。なんでも、食事
の町・繁華街で、各国の特産市が始まっているみたいだよ。其処へ行って、隣
だから、話を聞いてみよう」



僕達は記念館の町のコンサートホールを過ぎて、食事の町・繁華街に入った。
市場や建物を通ると、「農業国ビザジズドー」の農場の野菜や果物を並べて売
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史