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ジェスカ ラ フィン

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「…行きましょう。ペクノの灯台の入り口まではすぐです」

バートンは右人差し指で再び眼鏡のブリッジを押した。



僕達は、砂浜を駆け出して坂を上がり、「ペクノの灯台」の道を渡った。

「ペクノの灯台」の上空には無数の泡が浮いていた。下りてきた大きな泡に
触れてみても全然爆発しなかった。泡の杖はどうやって作ったのだろう? ど
のような文明が昔発達していたのだろう? と僕は思った。入り口の前でジュ
デは真っ黒焦げになって、死体となって死んでいた。泡を蹴ると、樹海に聳え
る「ペクノの灯台」の中へ向かった。泡が、内部中で充満していた。

「うわっ!!」

僕達は泡を退けながら、壁の内側の螺旋階段を上がった。



最上階から、

「…もういいだろう」

という声が微かに聞こえて、下から順に泡が爆発していった。壁が傷つき、
階段が揺れた。階段に上がっていた泡が連鎖して爆発してきた。僕達は急いで、
螺旋階段を上がった。

白い.の入り口に入ると、黄金虫のリギーと鰐の下部が奥で待ち構えていた。
部下はウィズウィングルの手綱を握って睨んでいた。僕達が前に進み出ると、
リギーは杖を床でカン、と突いて辺りを静けさせた。

「あなた方が『ビチュアンゼ』から渡ってきた勇者達ですね?」

リギーは僕達を嘲笑って言った。

「さぁ、ウィズウィングルを離せ。お前を殺すのは当然だけどな」

僕は気を溜めてリギーを倒すことに集中した。


「うん? 何を言う? 私に倒されるのはお前達の方だろう? .悟しろ、と
言いたいところだが、私はこの、杖を使ってトーワラを作らなければならない。
バートン君、言っておくけど、復活させるんじゃなくて、作るんだ」

「私の名を知っているんだね? …世界一の盗賊か。光栄だよ」

バートンは頬に汗を流しながら答えた。

「残念だが、君の目論みは外れたよ。もう材料は揃っている。ここに、この馬
と、鰐がいる」

「何? 鰐なのか? 必要なのは人間ではなくて?」

「人間との約束なんてどうでもいいのさ」

リギーは杖の先端を手の平に載せてゆっくり叩いた。

「ひぃぃぃ!!」

部下の鰐は歯を出して顔を歪ませて怖がった。

「なら、戦え。俺様が楽できるように、あいつらを、殺れ。ゼギオノ」

リギーは表情を変えずに手の動きを止めて、強いオーラを出した。ゼギオノ
ははぁぁぁぁ…と気合いを入れて、爪を逆さに立て、額の堀を浮き上がらせ、
全身を震わせて、体の色を黒に変え、体から黒い棘と翼を出した。











6 ジャトジャス遺跡











「…時間を稼げ。?逆?だ」

腕を組んだリギーはゼギオノに命令した。

ゼギオノは、

「へへ…」

と長い桃色の舌を見せて何かを言おうとした。

ウィズウィングルは、リギーが作った結界の手錠で柱に縛られた。

「大丈夫か!!!!」

僕はウィズウィングルにそう叫ぶと、ウィズウィングルは半泣きになって
大声で、


「助けてくれ!!!!」

と悲鳴を上げた。舌なめずりしたゼギオノは、太い爪をつけた足で1歩踏
み出した。こいつが強かったら、リギーはどのくらい強いのか…ルダルスの
ことを想像してみた。…くっ。暗闇の中で僕は強い者を想像した。僕は、そ
の暗闇の強い者と、共に踏み出した。僕の左手にはぶぅぅん…と唸っている
光のブレードが巻かれて伸びていた。ラロレーンは走る氷の柱を飛ばした。
ぶちゅぶちゅ、と音を立ててゼギオノは体内から氷を出した。氷で開いた体
から赤い血を出した。僕はゼギオノの首を真っ2つに切った。首は落ちて灯
台から落ちていった。

「やった…、僕もらうが使えるようになったんだ……」

ラロレーンが呟いた。

「…リギー、お前の出番はねぇぜ。早くトーワラでも作れよ」

僕はブレードを構えて振り払った。

「はぁぁぁぁ…」

ラロレーンは唸って、円周状の頂上を氷の刃で囲って伸ばして突き上げて、
天井をぶっ飛ばした。天井がリギーの視界を覆う前に、僕はブレードでリギ
ーを真っ2つにした。しかし、

「不死身だよ」

と彼は呟いて、分断された体の2つの手から顔のついた悪魔を伸ばして、
ドロドロに溶けた。僕の攻撃は外れた。股が灯台の端から伸びて、液体はシ
ンプルな顔の悪魔になって、手を挙げて、ギャハハ!! と笑った。そして
外の泡を全て爆発させた。森が、焦げた。



風が吹いた。窮屈そうにしているウィズウィングルが見えた。悪魔から手
が伸びて杖を掴むと、上空でリギーの影になった。手を上げて、杖の先から
紫の雷を呼び出した。

「いけない!!」

バートンが叫んだ。床が細かく欠けて浮いてリギーの下にもの凄い力で吸
い集まろうとした。後ろでググググ…と、背中で氷を曲げる音がして、氷つ
いた体を手に力を入れて砕いた。ブシュゥゥ…、リギーは体に力を込めると
ゼギオノの首の穴から雲を吸い込んだ。

「…トワーラを創造する」

飛んだ頭を影が0い、口を開かせ、声を絞らせた。リギーの姿が元に戻り、

「煌け!!」


と叫んで、ウィズウィグルとラロレーンをゼギオノにぶつけ、その後に杖
を砕いて光をぶつけ、真下に流して合体させた。煙が裸体から離れて巻き上
がると、強靭な体をしたトーワラがいた。

「トーワラだ!! 俺様の出る幕ではない!! お前達の仲間のソフサラコマ
という兎は、『ジャトジャス遺跡』で檻に閉じ込めている。悔しかったらトー
ワラを倒してジャングルを越えろ!! お前らにできるかな!? ハーッハッ
ハッハッハー!!」

と叫んで、リギーは残像を残し、その軌跡が空に残っていた。風に消えた。

「お前らを倒すのはいとも簡.なことなんだ。俺の、肉体を使って、今すぐぶ
っ倒してやる!!」

そしてトーワラは、

「お・お・お…」

と声を出した。

「俺は強い。どのくらい強いか試してやる! リギーが強いと思うなよ!!」

はっ、と気づくと、部屋の辺りは水の中に入っていた。上空が水の壁に囲ま
れて見えなかった。ふと、「ハヌワグネ旧時計工場」の塔を登った時のことを
思い出した。

「最も戦いやすいだろ?」

トーワラは笑った。鉄の3末の槍を床に突き刺して、両手で空気を潰して合
わせて指を立ててこめかみに力を込めて強く念じた。水の滝が勢いを増した。

「ウィズウィングル君とラロレーン君がゼギオノに取り込まれたんだ!! 戦
えるはずがない!!」

バートンは叫んだ。

「しかし、倒さないと『ビチュアンゼ』に危険が及ぶばかりか、先に進むこと
ができません!!」

と僕は言った。

「吹っ飛べ!!」

トーワラが叫ぶと、床が上に突き上げられるような感じがして地震が起きて、
立っている場所が下にめり込んで、床が上がってきたと思ったらロケットのよ
うに灯台が持ち上がった。上空で灯台全体が爆発した。

「うわぁぁ!!」

「鳥よ、来たれ!!」
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史