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ジェスカ ラ フィン

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「『テンピョーテイレンの宇宙』に2度入ると、『文明国スワンダ』は滅びて
しまうのです」

ピネイル王女は言った。

「『機械国ルチャーナ』で『機械巨兵セネアトレク』を完成させたのですが、
『文明国スワンダ』の住民にしか動かせないようです。誰か『機械巨兵セネア
トレク』を動かせる者はいませんか?」

「ソフサラコマです。私の末当の兄、ソフサラコマが、『機械巨兵セネアト
レク』を動かせるでしょう。…『センファビルの天の川』では、シンラークと
ホチョーチの娘のタイランがソフサラコマの復活を願っています。『センファ
ビルの天の川』に行って下さい。全ての神器は揃いました。『アパプルードの
海水』、『フェダリダダマスの水瓶』、『パパロメの布』、『ソピョーゾギャ
ニアンの宇宙の切れ端』、『ジッグベバナの鋏』、『シュンプレンナの宇宙の
糸』、『メッタラーの針』、『レピアトレモダルの流石』、『ゴペルチンジャ
ーの銀の眼冑』です。この9つの神器を使い、『新しい宇宙』を完成させるの
です。さぁ、『文明国スワンダ』の端へ行って、『フェダリダダマスの水瓶』
に、『アパプルードの海水』を注いで、北の『レンタファンダの空』に振りか
け、『センファビルの天の川』を完成させて下さい」

僕達は出掛ける前に食事を取り、麻の袋に9つの神器を入れて、「トラヤン
ズ城」を出た。空では流星群が流れ、事の慌しさを表していた。僕達は「文明
国スワンダ」の東の端に着いた。そして麻袋から「フェダリダダマスの水瓶」
を取り出して、水袋から「アパプルードの海水」を10袋、1つずつ注いだ。
すると、「フェダリダダマスの水瓶」の中が輝き出した。僕は、北の「レンタ
ファンダの空」に「フェダリダダマスの水瓶」の中にある「アパプルードの海
水」を振りかけて、ダズバクルフ教に心を支配されていない、聖なる星々が集
まりだした「センファビルの天の川」へ、吸い込まれていくような感.に襲わ
れた。すると「センファビルの天の川」が下りて来て、「文明国スワンダ」の
僕達のいる場所まで、川を下ろしてくれた。「チユドラッド」と呼ばれる舟が
下りて来て、僕達は舟のオールを漕いでその星の川を上がった。



「文明国スワンダ」が見えなくなると、もの凄い時を舟で漕いでいたような気
がした。僕達は漕ぎ続けた。万華鏡の空を上がって、天井へ上がって、万華鏡
の動く空の、「センファビルの川」の畔に1軒家が立っているのを見た。僕達
は「チユドラッドの舟」を下りて、その1軒家の所に向かった。するとその1
軒家の扉が開いた。

「ようこそおいで下さいました。ここは、『センファビルの天の川』です。外
に出て下さい。私は、『ダギラメの谷』のシンラークです」


富士絹を着たシンラークと西陣織を着た女性と、金紗の着物を着た10代ぐ
らいの若い女の子が出てきた。

「お迎えが来る頃だと思っていたのです。私達は、この子が地上に下りると、
私達の睡眠時間が終わってしまい、この『センファビルの天の川』と共に無く
なってしまうのです」

シンラークは言った。











24 テンピョーテイレンの宇宙











「『機械巨兵セネアトレク』の心臓は、あのままでは動きません。ソフサラコ
マ様が搭乗してもです。此処、『センファビルの天の川』で私達が造る『新し
い宇宙』を『デッマの額縁』へ打ち上げて、『テンピョーテイレンの宇宙』に
張り付けます。すると、新しい宇宙の上に、ソフサラコマ様のお父様の『セネ
アトレクの夢』という空間が現れます。『セネアトレクの夢』はピンク色の夢
です。ソフサラコマ様を『バンダラ天文所』までお運び下さい。ソフサラコマ
様はそこで復活します。『パパロメの神殿』という『セネアトレクの夢』の中
に漂うソフサラコマ様のお母様の神殿へ、行って下さい。新しい宇宙が復活す
れば、飛行は自由になります。ジョイントを使い、『パパロメの神殿』へ行っ
て下さい。『パパロメの神殿』では、セネアトレクの魂を司っています。その
セネアトレクの魂をソフサラコマ様にお渡しして、地上へ戻って下さい。ソフ
サラコマ様が『機械巨兵セネアトレク』に乗れば、『機械巨兵セネアトレク』
は動き出すでしょう。私の名は、ホチョーチです」

西陣織を着たホチョーチは言った。

「『新しい宇宙』を作る、残り7つの神器です。製作を、お願いします」

僕は言った。

「タイラン様ですね。『文明国スワンダ』で、ソフサラコマ様の妹君、ピネイ
ル女王がお待ちしております」


バートンは言った。僕達は麻袋を宇宙のように黒い透明な地面で、道具を広
げた。僕とバートンとタイランは、シンラークとホチョーチの傍に立って、そ
の様子を見ていた。ホチョーチは、「センファビルの天の川」の、「スクチア
の階段」で、流れる星の川の中で、「パパロメのぼろ布」を洗い、血痕や汚れ
を落とし漂白して、「アパプルードの海水」で洗い流した。綺麗になった「パ
パロメの布」を、ジョイントで白い糸にした「シュンプレンナの宇宙の糸」で、
綺麗に跡が残らないように縫い、糸を切った。穴が塞がったのだ。それから、
「デッマの額縁」の寸法をホチョーチに教え、「パパロメの布」をホチョーチ
が測って、「ジッグベバナの鋏」で切った。続けて、「ソピョーゾギャニアン
の宇宙の切れ端」を、丁寧に、均等に、「新しい宇宙」が白と黒になるように、
寸法を測って、「ジッグベバナの鋏で綺麗」に切った。落ちた切れ端は、宇宙
の地面に溶けて、宇宙の始まりのように広がった。1辺15cm程の正方形の
切れ端の中で、流星痕を伸ばして泳ぎ回っている星が、冷静な気持ちになり、
聖なる心に満ち始めた。「シュンプレンナの宇宙の糸」で、今度は、携帯電話
にあるパッチワークの模様のように縫ってもらうように頼んだ。地面に生えて
いた星の待ち針を抜いて、縫う場所に刺し始めた。ホチョーチは、その写真の
通りに、正確に縫い始めた。すると白と黒が正確に表裏に現れた。

「白と黒は、共に宇宙を表しているものです。黒は正義を、白は邪悪を示して
います。マタハラーの神殿の命の時間の天秤と同じようなものです」

ホチョーチは言った。縫い終わり、星の待ち針を抜いて、元の場所に戻した。
「センファビルの天の川」は、ホチョーチの裁縫箱の中のようだった。シンラ
ークが、パパロメの布を持った。そして、「ゴペルチンジャーの銀の眼冑」を
被って、天体望遠鏡から顕微鏡モードに変えて、「メッタラーの針」を持って、
あらゆる所に、規則的に並んでいる、シンラークの脳の中にある、「ダイラコ
ダラムの世界」の星座の星を、1つずつ空けていった。.しでもずれると、全
てが無駄になるのだ。シンラークは丁寧に丁寧に、空けていった。「センファ
ビルの天の川」の光を当てて、穴の大きさを確認した。穴の大きさも、光の出
方も気にしなればならなかった。シンラークは、その作業を、3日かけてやっ
た。僕達は、1軒家で寝泊りをしたが、1向に寝付けなかった。


作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史