ジェスカ ラ フィン
スワンダ』まで行かなくちゃいけないようですね。しかし、『パチャラグルの
流転』がリギーやデゾーによって制御されていては、『文明国スワンダ』へは
行けません…どうすれば…」
すると、突然、警報の音が鳴り響き、ダズバグルフ盗賊団のファニアータル
ドラゴンが攻めて来たことを知らせた。バートンが叫んだ。
「大変です!! ファニアータルドラゴンが、『機械国ルチャーナ』に攻めて
来たようです!! …うわぁぁぁぁぁっ!! 私達も外に出て戦いましょ
う!! 『パチャラグルの流転』と、『アッペランメの重力』のみを働かせて、
『浮遊船エスピショー』で『文明国スワンダ』へ向うんです!! そして、
『パチャラグルの流転』を思いのままにする為に、『新しい宇宙』を貼り付け
るんです!!」
バートンは叫んだ。僕はコクピットを下りてダビャーズ達の所に向かった。
「私達も向かいます!!」
「ダメだ!! ファニアータルドラゴンの炎は、ジョイントの使えない者が食
らうと、ひとたまりもない!!」
「それでは、あなた方が『文明国スワンダ』から帰って来るまで、待っていま
す!! …これは、綺麗に削った『レピアトレモダルの4つの流石』です!!
どうぞ!!」
ダビャーズは言って、「レピアトレモダルの流石」を4つ渡してくれた。。
僕達は「機械国ルチャーナ」の離陸場まで行って、「浮遊船エスピショー」を
動かした。そして浮上して、「機械国ルチャーナ」の上空に飛び上がると、フ
ァニアータルドラゴンが巨大な体で太陽を隠して、僕達に巨大な口を開けた。
太陽は月と同じ大きさで、「ヘーミッド」の「ヨークナッドの瓶壁」に被さっ
たら大変なことだった。僕達はファニアータルドラゴンを避けて、上昇しよう
とした。すると、突然、ファニアータルドラゴンの目が光って、全ての浮遊船、
雲が、ズドドドドドーン!!!! と、重力を失って、ジョイントによって叩
き落されてしまった!! 重力は戻り、エンジンは爆発して、僕達は「浮遊船
エスピショ」ーから飛び降りた。
「ぐはっ!!」
僕達は煙を吐いた。海水が.ない分、見たことも無い地形が出ていた。僕達
は、.し標高の上がった「機械国ルチャーナ」の近海の岩岸に着陸していた。
洋が広く、見渡せた。
「くっ!! これじゃ『浮遊国スワンダ』に上がることができない!! まさ
か、『パチャラグルの流転』が起きないのは、『リッドホール』でヘッゼ・ジ
ター2がデゾーによって捕まってしまったからではないか??」
「ホメネカとリギーを倒さないと『ダイヤグラスの大富豪』は終わりませ
ん!! このままではファニアータルドラゴンに破壊されて、世界は終わりで
す!! どうすればいいんだ!!」
バートンは血を流しながら岩盤を叩いた。ファニアータルドラゴンが、炎上
した海水の上で、炎を吐きながら鳴き叫んでいた。すると突然、ゴゴゴゴ…と、
「ソンデワン」が動き出した!!!!
「なんだ?!」
僕は叫んだ。
「『パチャラグルの流転』だ!!」
バートンは叫んだ!!
「ヘッゼ・ジターニが、『パチャラグルの流転』を作動させたんです!!」
バートンは、海を漂うホメネカの大量の毛を見つけた。
「あれです!! あの『ホメネカの毛』を、『ペクノの灯台』に行って、巻き
つけて、絶対切れないホメネカの毛を、『パチャラグルの流転』と『アッペラ
ンメの重力』が働く隙に、私達2人のジョイントを伝わらせ、『文明国スワン
ダ』の浮遊石に巻き付けるのです!! そうすれば『文明国スワンダ』へ行く
ことができます!! …1周の流転です。絶対に切れないホメネカの毛でも、
半周を過ぎた頃には切れてしまうでしょう。『文明国スワンダ』に毛が垂直に
届く時間までと、垂直に届いてからホメネカの毛が切れるまでに『文明国スワ
ンダ』に辿り着く時間、この2つのタイムミットです!! この『パチャラグ
ルの流転』の速さだと、おそらく2日間と半日です!! 急ぎましょう!!」
バートンは言って、上空へ飛び上がった。僕も上空に飛び上がった。そして、
ファニアータルドラゴンを避けてホメネカの浮いている毛を0いながら、北方
の「ターピスの小島」へ、海面ギリギリを飛んだ。
「ターピスの小島」の「ペクノの灯台」に着くと、まず、「ペクノの灯台」
に巻いてある空の破片を取り外した。それから、膨大なホメネカの毛を灯台の
頂上にくくり付けて、毛の先を結び合わせながら、下へ、下へホメネカの毛を
結んだものを巻きつけていった。
「『文明国スワンダ』まで届くか分からないが…」
バートンは呟いた。もの凄い突風が吹いた。海面が荒れ果て、海水の津波が
ここまで何度も飛び掛って来た。景色が変わり、宇宙が、星が、惑星が、幾つ
も飛び過ぎ、2日後になると、僕とバートンは、両手を「ペクノの灯台」に付
けて、全力でジョイントを伝わらせた。1気に、ホメネカの毛は上空に飛び、
「アッペランメの重力」が働いた「文明国スワンダ」の、下の先端の、浮遊石
に、ホメネカの毛が巻き付いた感触を感じた。
「さぁ、1つ目のタイムリミットは終わりです!! ホメネカの糸が『パチャ
ラグルの流転』で切れてしまう前に、この糸を上って行きましょう!!」
バートンは言った。「デンダララン」が不安定なせいで、「アッペランメの
重力」、つまり、「ダイラコダラム」への「ライファモンの神殿」の「シュレ
クトムの祭壇」の重力が、上空から地面にかけて掛かり、僕達は、地面に叩き
付けられた。僕達は急いで「ペクノの灯台」のホメネカの糸を上がった。途中、
上っている時に、ファニアータルドラゴンと、ホメネカが、僕達を襲って来た。
もの凄い重力を感じた。補給艇や浮遊船等が2体を攻撃しても、ダメだった。
2体は、「ペクノの灯台」を食いちぎった!! そして、ホメネカの糸を、食
いちぎり、「文明国スワンダ」を、引き摺り落とそうとした。しかし、僕達は、
ジョイントで浮遊石に絶縁する電撃を伝わらせて、2体を感電させた。「パチ
ャラグルの流転」が「文明国スワンダ」の下を過ぎ、宇宙と空の狭間の「ハウ
ミテネミナ大気圏」にある、「文明国スワンダ」に着いた。高速で上がって、
1日後のことだ、「文明国スワンダ」の岩盤を、手をかけて登り、半日後に
「文明国スワンダ」の鳥羽色の地面に出た。
「やっと『文明国スワンダ』に着いたぞ!! 『文明国スワンダ』は、今回は
『テンピョーテイレンの宇宙』に『ダイラコダラムの砂時計』の世界の、『ア
ッペランメの重力』に引き寄せられて、ひっくり返って行くことは無かったけ
れど、『ヘーミッド』のある、『バーギャリアンの宇宙』に取り残されてしま
ったよ」
バートンは言って、僕達は飛び飛びに、「トラヤンズ城」へ向かった。ピネ
イル王女の間に入ると、ピネイル女王と、ハンサメと、チンギューガと、ソマ
ゼと、ソンハがいた。僕達はハンサメとチンギューガに頼んで1旦トラヤンズ
城を出て、「マタハラーの神殿」で命の時間のペンダントを造ってもらった。
それから再び「トラヤンズ城」へ向かった。
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史