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ジェスカ ラ フィン

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光の柱を下りて、「テンペライモンドの神殿」に戻ると、外に出て、バイク
に乗って、「山脈連邦シャフキウ」を目指した。「文明国スワンダ」にいた時
は曇っていた地上が、太陽が現れて晴れ渡っていた。バイクを西方に走らせた。


「バラダラマスの町」を通って、サイドカーにいるソンハに、食料などを貰っ
てひたすら走り続けた。

5日後に、「山脈連邦シャフキウ」の峡谷を越えた。「ベパー・ランゼの崖」
に辿り着くと、見たことも無いようなデザインの「ジッグベバナの鋏」を麻袋
から取り出して、太陽に翳してみた。美しい色をして輝いた。「ヘーミッド」
の西方の端の「ベパー・ランゼの崖」は、山々に囲まれており、水色の下瓶の
端は、砂漠が無くて、窪みができ、そこに数千年前(「ソンパラメードの森」
の「パチャラグルの流転」だ) に山に引っ掛けて嘗て溜まった、「アパプルー
ドの海水」がある。深さは、海深500mはある。「海水」としか名が付けら
れていないが、ひょろ長い湖のように見えるのである。「アパプルードの海水」
はすぐに手に入るが、「シュンプレンナの宇宙の糸」は、何処に沈んでいるの
か分からなかった。

「潜って、調べる必要がありそうですね」

ソンハは言った。僕もソンハも服を脱いで、下着だけになって、飛び込もう
とした。ジッグベバナの鋏を持って。ダズバグルフ盗賊団にも、空のダズバグ
ルフ盗賊団にも見つからないような場所でありそうだった。僕達は音を立てて
「アパプルードの海水」に潜った。…しかし、すぐに浮き上がった。嫌な色と
香りがしたのだ。藻が海水で溶けるような匂い。

「ぶはぁっ!! 何だ?! この海水は?? 塩分が、異常に含まれてい
る!!」

「よく見て下さい!! 底が、塩の岩で塞がっています!! 海抜がもっと高
かった時に、水分が蒸発して、結晶となったんです!!」

ソンハは僕に言った。僕達は、一度上へ上がって、縄を体に巻きつけて、も
う片方を巨大な岩に結びつけた。2人で1つの岩だった。僕達は岩を押して、
「アパプルードの海水」に落とした。海水に浸かり、深呼吸をして息を止める。
岩に引き摺られて、僕達は海底に沈む。透明度はあった。ただ、.水のような
感があったのでぬるぬるして、嫌なゼリーの風呂に入っているような感じがし
た。頭が入って、僕達は岩の方に向って泳いだ。岩が、塩の岩盤に乗ったまま
動かなくなった!! 僕達は息が続かないので、仕方なく肺の中の空気を地上
の空気と交換するジョイントを使った。視界に意識を持った。岩を2人で押し
て、塩と塩の割れ目に流した。ますます僕達は奥深くへと潜った。ジョイント
で肺の空気を7、8回交換した後頃から、水圧がかなり酷くなって来た。20
回ぐらいジョイントで交換した後に、ようやく、底に着いた。もじゃもじゃと
した毛のようなものが絡まった。…「シュンプレンナの宇宙の糸」だ!! 僕
は錆び付いていないか「ジッグベバナの鋏」を取り出して、海水に入る光に当
ててみた。「シュンプレンナの宇宙の糸」は、シャボン玉の膜の色に.し見え


た。そして「シュンプレンナの宇宙の糸」は塩岩に挟まって、身動きのできな
いまま漂っていた。漂っていた部分を切った。…パパロメのぼろ布はどれくら
いだっただろう…? もっとたくさん取った。

0分に取ると、上へ上がった。上に上がると、麻で体を拭いた。夕方になっ
ていた。「アパプルードの海水」に、陽が映っていた。服を着ると、麻袋に
「シュンプレンナの宇宙の糸」を入れて、水袋10袋に「アパプルードの海水」
を入れて、バイクで「ベパー・ランセの崖」を下りた。



「バラダラマスの町」と「テンペライモンドの神殿」の間まで来るのに、2
日かかった。季節は秋に差し掛かろうとしていた。突然、彼方の、「パパロメ
の間欠泉」の噴き出し口が巨大化し、高さ1万mぐらい、円周500kmぐら
いの砂柱の噴水が、噴出した!! 僕達は衝撃で吹っ飛んだ。

「うわぁぁ!!」

バイクは吹っ飛び、僕とソンハはバラバラになった。

「『リッドホール』で、『デンダララン』の『スペランザ維管束道』の『ゾッ
ドメラー砂道』の砂の量をとうとうマキシムまでしてしまったんだ!! 『パ
パロメの間欠泉』が壊れる!!」

ソンハが叫ぶと、突然、西方の「ライファモンの神殿」が爆発した!!

「リギーの奴、『アッペンラメの重力』をこのままの状態で保って、『パチャ
ラグルの流転』をする気だな!! 『ジャンガズガンズの鎧』を着ているのは、
リギーのはず!!」

ソンハは言った。どんどんどんどん砂漠の砂が「ヨークナッドの瓶壁」で囲
まれた「ヘーミッド」を覆い尽くす!!

「エクアクスさん!! タイムリミットです!! ここからバイクを全力でぶ
っ飛ばさないと、『ソピョーゾギャニアンの宇宙』を必要な分だけ、切り取る
ことができません!! ジャグベバナの鋏でしか切り取ることができないので
す!! 2つに1つです!! 『ソピョーゾギャニアンの宇宙』を切り取って、
砂に飲み込まれる前に、中に入るか、このまま、『文明国スワンダ』に戻るか
です!! もう時間がありません!!」

「駄目だ!! 『地底世界ソロンペパール』から、『文明国スワンダ』に帰る
方法を探そう!!」

「無理です!! 『ソピョーゾギャニアンの宇宙』の端まではギリギリ行けま
すが、中心部の宇宙までは行けません!! 宇宙の端を『ジッグベバナの鋏』
で切って、スワンダへ戻りましょう!!」

ソンハは僕を説得して、僕はバイクを運転した。砂は増えるばかりだった。
砂は町を飲み込み、村を潰した。




5日後に、「ソピョーゾギャニアンの宇宙」に着いた。巨大な宇宙は波立っ
ていた。僕は端まで行き、砂から持ち上げて、「ジッグベバナの鋏」で切った。

「…これで大丈夫ですね…けど、砂漠の砂が宇宙を飲み込もうとしている。も
う『ヘーミッド』はおしまいです」

「砂丘ばかりで、何も見えない!!」

「大丈夫です!! 怪盗ジャックを倒せば、『ヨークナッドの瓶壁』の洞窟に
俳砂口ができて、満杯になるのを防いでくれます!!」

「きっと、満杯まで溜まったら、盗賊団を伸ばして、蓋をする気だ!! しか
し、太陽が近づいて来ている。ジョイントで、瓶の縁のみを冷やして、ブレー
キをかけるつもりだ!!」

「…とにかく、エクアクスさん、『文明国スワンダ』へ帰りましょう!!」

ソンハは言って、僕達は「テンペライモンドの神殿」にバイクのタイヤを向
けた。



2日後に、砂の津波に流されている、「テンペライモンドの神殿」を、携帯
電話を見ながら見つけた。「テンペライモンドの神殿」が移動していたのを、
携帯電話は確認したのだ。僕達は、バイクから飛び降りて、ギリギリで「テン
ペライモンドの神殿」に入って、光の柱の中に飛び込んだ。「文明国スワンダ」
に着くと、すぐさま「トラヤンズ城」に入った。ソフサラコマの遺体は、絹に
包まれて、豪華に装飾されたケースの中に入っていた。「フェダリダダマス水
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史