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MARUYA-MAGIC

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キマス、メモリーニヨル、ジコボウエイキノウガサドウシタタメデス、サヨウ
ナラ。さよなら。開放的な瞳。僕は君の分まで、君の為に、楽観的な観念でこ
れからも一人で生きようと思う。この、純粋で透明な心に天五から光が降り注
ぎ、僕は幾多の創作物を創造する。











2001年で世界は終わっていた 2009.5.26



先程、僕が述べたように、2001年で世界は終わっていました。これは神
の概念です。僕達は─八年間もそれに気付くことがありませんでした─。もっ
と分かり易く言うと、あの「9・11」テロが起きる前、つまり、二十一世紀
が来る前に、僕達の世界は?死んでしまっていた?のです。映画女優がストリ
ップ劇場に出演し始めたのもその頃です。─僕が学校祭で書いた劇の脚末を映
画化させ、主演を務めた?君?が、浮浪者達の群がるステージの上で、女陰を
開いてみせた。夢野久作の「ドグラ・マグラ」の表紙の絵のように─。僕は今、
この教壇の上で、君達クラスメイトの前で首を.ろうとしています。何故なら、
?君?が、その映画監督や、先程、射殺したこのクラスの担任と寝てしまった


のですから、絶望と、怒り、憎しみ、そして悲しみ、.の東京は何故か僕に寄
り添ってくれて、そっと、そっと、共に枕を濡らしてくれるからです。死にま
す。こんな気分を晴らしてくれる音楽は、ベートーヴェンしかありません。僕
は僕の愛した女性が自殺しただとか、殺されたとか、そんな過去のことを二度
と振り返らずに、今現在、絶望しているのです。絶望という感情に酔っている
のもありますが─、目の前で絶望がうねうねと蠢いているのです。─まるで無
数の芋虫のように─、君は、ま、だ、生、き、て、い、ま、す、が、─君とは
一体何者なのでしょう? シフトキーを一回押すことは、僕の心の襞を一段、
掘り下げることを意味します。僕は貴方達がこの学校を卒業し、九割九分進学
したのに対し、そうはせず、ずっと無職のままでした。今は詩人という名誉あ
る職業に就き、貴方達をこうやって?教壇?の上から見下ろしていますが─、
僕はこの演説を終えた後、二度と貴方達に話し掛けることはないでしょう。─
だって、僕は自殺するのですから─。思い返せば、ろくな人生をおくることが
できませんでした。太宰治に感化されたわけではありませんが、末当に僕は、
一人の愛する女性すら守ることのできない「人間失格」です。─その前に、「自
分は神に認められた人間である」と胸を張って言える「人間」が果たしてこの
世にいるのかという疑問がありますが─、とにかく、今、僕は貴方達男性しか
いないこの場所で、自殺しようと思います。僕はほとほとに生きることに疲れ
てしまったのです。世界が終わってしまった後の詩人─、末当に暗い詩しか残
すことができませんでした。─僕はよく思うのです─、「人間」として能力が
高ければ高いほど、他者を愛することができるのではないかと。つまり、それ
らは比例し.う関係なのではないかと、僕の愛する君は、バイクで恋人を失い
ました。そして現在の僕の心には、君に対する愛情があり、やはりどんなに時
が流れても、「生きている君」に対する想いは消えないのですね。だって、君
が僕の夢を叶えてくれたのだから。君の身体が汚されたと思うのは僕の─神の
─固定観念でした。僕はこう思うのです、詩人とは愛した人が二人以上死ぬと
なることができる唯一の職業であると─、この国境が力のある者達によって好
き勝手に引かれた「個人的に」終わってしまった世界で、僕は重たい瞼を精一
杯開け、貴方達「死体」に話し掛けています。貴方達は死体です、貴方達は─
あぁ、貴方方への幾多の負の感情が、泡沫となって空へ上がっていきます。し
かし僕はまたすぐに、世界について憤りや失望を感じ、このような演説をして
しまうかもしれません。けれども、今は、僕の目の前にぶら下がっている、荒
縄を、天五から切り離してしまおうと思います。そしてすぐに君に逢いに行こ
う。逢いに行こう。その先のことは考えることができない。僕は生きられるん
だ。僕は…僕は…僕は生きられる。












十九歳のスパイ



隣の部屋にある大物マフィアの親分が潜伏している。僕は壁越しに、「お前
はもう完全に包囲されている、だから観念して出て来い」と説得を昨晩から今
までずっと繰り返しているが、一向にそうする気配はない。僕は数日前からこ
の部屋に張り込みをしていて、昨晩、ようやく親分を除くマフィアの一味を全
滅させたとの連絡がCIAから入ったので、僕は素性を明らかにし、自首を勧
め、警察に身柄を渡そうとしているのだ。ところで話は変わるが、僕は今十九
歳で、普段は大学生に成り済ましているが末職はCIAのスパイである。一ヶ
月前、突然CIAの幹部達が僕のアパートにやって来て、「君は今日からCIAのスパイとして世界の為に働いてもらう」と言われてCIAのバッジと拳銃
を渡されたのだ。どうして僕が選ばれたのか.だに理由は分からないのだけれ
ど、スパイとしての初仕事が、この部屋に住むアフリカ人の家にホームステイ
しているローマ大学の留学生として隣に隠れている大物マフィアの親分を見張
り続ける、というものであった。話を元に戻すが、ここ一ヶ月間お世話になっ
た、アフリカ人の家族には先程安全の為に避難してもらい、アパートには僕一
人だけが残っている。外からはヘリの音が聞こえている。たった今入った情報
によるとマフィアの親分は、体中にダイナマイトを巻き付けているらしい。下
手に刺激すれば、自害する可能性だってあるだろう。僕は一旦説得するのを止
め、握り締めていた拳銃を放り投げ、ヒーターに向かって両手を挙げた。「ほ
ら、もう何も持っていないだろう、あんたと公平に交渉がしたい、だからその
手に持っているジッポーを捨ててもらえないか?」と話し掛けた。ヒーターに
は隣の部屋から此方の様子を確認できる隠しカメラが内蔵されていて、親分は
逐一僕の日常生活を確認していたのだった。僕はこのアパートに大学生として
やって来た時からそのことに気付いていた。吃驚して声を上げたのは隣の部屋
のマフィアの親分だった、「…い、いつからカメラの存在に気が付いていたの
だ!?」やはり生のマフィアの親分の声を聴くと緊張が脳髄を駆け抜けたが、
自分が観られているということに気が回り、その衝撃を表情には出さなかった。
「此処にスパイとして来た時からだよ、そんなことより、その純金製のジッポ
ーを早く、手放して欲しい、僕が拳銃を捨てたようにね」「…な、何故、この
ジッポーライターが純金製だということが分かるのだ? CIAがこの部屋を
盗撮しているのか?」親分の声は非常に慌てふためいたものだった、僕は彼を


落ち着ける為に、なるべく穏やかに彼を客めた。「違うよ、ただなんとなく、
僕の勘が僕にそう教えてくれただけさ、さぁ、僕の言う通りにしてくれ……!?」
すると彼は僕の忠告を聞かず、自暴自棄になってダイナマイトの導火線に火を