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MARUYA-MAGIC

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仮想の見境が付かなくなり、殺されるのではないだろうかと恐怖に怯えていま
した。しかし、現.もそのGAMEのように、拳銃で頭や心臓を撃ち抜かれれ
ばすぐ死ぬし、刃物で胸を刺されれば大抵は死んでしまいます。僕達は何故そ
んな危険と隣り.わせの世界で生きていかなければならないのでしょうか?
もっと平和で恒常的な平安で、共生を第一に願う世界があってもいいはずです。
よく拳銃や刃物は文明の利器であると同時に、それと相反して誕生したものだ
と思うのですが、僕達人間の、特に男性の性は、神が定めたとされる、一言で
言ってしまえば、「弱肉強食」、つまり、優れた遺伝子だけを後世に残す為だ
けに、闘争末能を植え付けたという観念に関しては、僕は神を殺すしかないと
いう手段を考えました。正に、凡庸で陳腐な引用ですが、ニーチェの、「神は
死んだ」というお言葉は、存命中の神に対する、僕とニーチェ等が結成した秘
密結社からの「過去」という「現在」からの警告なのです。もう一度神がこの
作文を読むことを想定して警告しておきます。神よ、お前が一体何の為に闘争
末能を、一部を除く僕達全生命体に植え付けたのかは知らないが、僕は君を守
る、それだけの為にお前が創造した闘争末能を行使する代わりに、殺すまでと
は言わない、お前の有限なる命が尽き果てるまで、この広大な世界(∨宇宙)
が滅ぶまで、半永久的に植物状態にさせてやる。「殺す」、という言葉も「植
物状態」、という言葉も、全てお前を恐怖に陥れる為に僕達人間が生み出した
言葉達だということを忘れるな。

愛する君へ、僕は今、君への愛情で心(なんと陳腐な響きの言葉だろう!)
が満たされていて、何も恐怖を感じない! つまり簡潔な言葉で言うと、これ
また僕達秘密結社の会員の一人、ソクラテスの言葉であるけれど、「僕は自分
が無知であることを知っているだけで無知ではない」のです! 今、僕の脳裏
には、世界(∨宇宙)よりも広大な展望や構想が広がっているのです!! あ
ぁ、愛しき君よ、僕はこの作文だけ、感情のまま詠います。僕は君に伝えたい


ことを沢山持っており、それを一瞬にして君に伝えることができるのです。「神
は死にました」。黒い罪悪感の.が僕の心に降り積もり、僕は罪人として君だ
けを愛さなければならない罰を蒙りたい! 僕は「神」を殺して、「ある特定
の人達」から、地位や名誉を授かる代わりに、君だけを手に入れたい! 君だ
けしか見えない、盲人になりたい…。僕と君の愛の結晶を具現化しなくてもい
い、君だけが欲しい…。欲しい……。

しかし、そういう幸せも束の間でありまして、僕は、神が何処にいるのか分
からないと気が付いた途端、君への愛情の代わりに、恐怖が頭の奥から溢れて
きました。そして君を愛している、そのことを証明する為に書いた膨大なる自
己顕示欲の塊のような詩が、拳銃や刃物に変わり、僕を度々脅かしました。そ
れはもう、僕が「無知」であるとかないとかそういった次元の問題などではな
くなり、混乱した時に、此処が不特定多数のGAMEの世界なのではないか、
という「現.」に支配されるようになりました。そして遂に、僕が最も恐れて
いた、「君」が、僕から完全に繋がりを断ち切ってしまった時、ニーチェのよ
うに、発狂し、ソクラテスのように毒を仰ぎ、死にたくなりました。全てのこ
とを信じられなくなるのは、自分が無知であるからではなく、君を愛している
からだけなのでした。











HEART



今でもあの着信メロディーを、使わなくなった携帯電話で聴くと、波音と共
に、君のことを思い出す。僕は布団の中に潜り込み、震える体で絶え間なく涙
を流す。それにも耐え切れなくなり、一人、古い携帯電話と新しい携帯電話を
ポケットに突っ込んで、.し生温い外界の闇に包まれに行く。君は僕にとって、
今でも高根の花だ。一?離れた防波堤まで歩きながら、あの着信メロディーの
着うたフルを新しいものでダウンロードして、イヤホンを繋ぎ換え、立ち止ま
り、瞼を瞑り、時々の強い夜風に吹かれながら、「君の唄」を心に浸透させて
いった。僕は第二詩集や長編小説が出版社の編集長に気に入られるか、それと
茹だる暑さの為に全く眠られなかった。僕は第一詩集が出版されたことで有頂
天になり、ついつい編集長に?次の詩集と小説を出版して頂けませんか??と
直談判してしまったのだ。その返答が僕にとって望んだものではなかったので、
僕は激しい勢いで深いところまで落ち込み、一日経過してようやく元の精神状


態に戻ったのだった。僕は君の些細な我が儘すら叶えてあげられなかった。防
波堤に辿り着くと、僕はそれに攀じ登って足を下ろし、途中のコンビニで買っ
た缶ビールのリングプルを開け、苦い煙草に火を点けた。海の向こうから汽笛
が聞こえてくる。潮の香りが僕の嗅覚を幾分麻痺させ、まるで塩でできた煙草
を吸っている気分だった。一リピートの君の唄が携帯電話の充電マークを一つ
消滅させ、僕は何だか日常の束縛から解放された気持ちになった。取り留めも
ない君との数々の思い出を回想すると、心が弛んできて、君からの愛情でうる
かされたようなそんな緩い気持ちになった。僕の中には君が居て、その君の中
にまだ僕がいるとしたら、そんな空想をしていると、感無量となり僕は思わず
煙草を海面に落としてしまった。

眼球の重みが君との思い出の重さ。ただ単に、僕は疲れ過ぎていたのかもし
れない。そして恐らくは先程考えていたような、ストレスや恐怖が引き金とな
って、頭の毛が突然真っ白に変わるくらい、精神が著しく不安定だった。僕は
防波堤の上に横になり、缶ビールの空き缶を灰皿代わりにして新しい煙草に火
を点け、ぼんやりと満天の星空を見上げた。僕はそれに魂が吸い込まれてしま
いそうだった。そうだ、あの満天の星々は、今夜世界中のあらゆる所で、僕の
ように夜空を見上げ、それに魂を抜かれたもの達のそれらなのだ、波飛沫が時々、
僕の顔を弾こうと必死に助走をつけて飛び上がって来る。軽トラックが傍を通
り過ぎた。僕は彼(運転手)に意識を持っていかれた。それからだ、僕が一気
に覚醒し始めたのは、彼のアートは、潮の香りにも負けない程の汚らしい排気
ガスだけだった。

僕は君の唄を聞きながら、半ば夢の世界に頭部を突っ込んでいた。僕は夢を
みていた。全身の力を抜いて、純白のこの街の防波堤に横になり、君君君君、
を想い続けていた。そして僕のペニスはジェット風船のように巨大になり、ペ
ニスの外皮と亀頭の間に君を詰め込んで?君?に逢って、セックスを要求して
いた。しかしそれは叶わずに、現.でも叶わずに、君は首都へ夢を叶える為に
僕に別れ話を告げた。一年半の付き.いだった。僕はこの街を横断する大河に
沈んだ名も無き漬物石であった。僕に残されているのは「作家」になるという
ことだけだった。そして?また?笑顔で君と再会することだった。僕は.十%
の意識の中で再び煙草を海へ落し、煙草の灰の入った空き缶を道路側に手放し
た。夢の中で僕はそれをたまたま通り掛かった二足歩行の猫の頭に落としてし