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MARUYA-MAGIC

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しているのを発見、ぶるぶるぶる、僕の貧弱な心は震える。自分で勝手に武者
震いだと認識する。

ドリンクバーは頼まなかった、前述のような恐怖が前もって予想されたから
である。部屋の貼り紙には、「持ち込みが発覚した場.、.千円の罰金を支払
ってもらいます」とのこと、僕は家から、サントリーのお茶のペットボトルに、
自家製の麦茶を入れたものを、床のカーペットにしゃがみ込みながらついつい
半分程飲んでしまった。非常に緊張していたのと、喉が渇いていたことが原因
だった。朝まで一度も外に出ないつもりでいたのに、もう早尿意を感じるよう
になった、僕はそれを誤魔化す為に、早速、九時間ぶっ続けで唄を歌うことに
した。しかし激しい尿意によって時間との戦意は喪失し、今日は真っ直ぐ家に
帰るべきだと今更後悔した。僕は麦茶を作った自分の母親の顔が脳裏に浮かび、
人のせいにして恨んだ。そして九時間も一体何を歌えばいいのだろうか、と、
いう自問自答が僕の思考を混乱させた。僕の思考を混乱させた。僕の執行を混
乱させた。僕のオシッコを…。視点が定まらぬまま、数十秒が経過した。意識
に反して膀胱に力が入る。その時だった、サントリーのペットボトルの存在が
目の前の机の上にありありと姿を現し、ペットボトル? プラスチック? …


「ポリリズム」!! と閃いた。反射的に歌末に手が伸び、Perfumeの
欄を開き、「ポリリズム」の番号をカラオケ機械にリモコンで入力すると、テ
レビ画面に、「Perfume、ポリリズム」と表示され、数秒後に、突然、
炭酸水の泡の弾けるような爆音が部屋中に木霊し、「Perfume」のメン
バーの一人の顔がアップされると、白い歌詞の文字が浮かび上がった瞬間、咄
嗟にマイクを取りスイッチを入れ、僕は歌い始めた。

サビに入る数秒前、僕は一気にテンションが最高潮に達しそうになり、ソフ
ァーの上に上がり、感情を込めて歌い、サビに入ると飛び上がって、Perfumeのメンバー三人と一緒に踊り始めた。すると突然、酔っぱらったいかに
もアルバイターらしき成人男性四人組が、部屋のドアを開けて入って来て、一
瞬、目が.った後、アハハハ!! と笑ってその四人組と.人でポリリズムを
歌い、踊り始めた。間奏の間、何十回も「ポリリズム」を入力する僕、繰り返
す万物の事象、僕等は再びこのカラオケ屋で出会い、繰り返される「ポリリズ
ム」を歌い続けるのだ。僕達は個.のドアを全開にして、何度も何度も「ポリ
リズム」を歌い、踊った。すると実のクレームを受けて店員が飛んできたが、
彼女もつられて「ポリリズム」を歌い、踊り、他の店員のクレームを受けて警
察官が駆け付けてきたが、拳銃をくるくると繰り返し回しながら「ポリリズム」
を歌い、踊り続けた。やがて他の実も加わった僕達一団はカラオケ機材を持ち
出して大音量で街中を歌い、踊りながら練り歩くと、末物のPerfumeの
メンバーがヘリで駆け付けてきて、街中は突如ライヴ会場となった。僕は世界
の中心に立ち、突然尿意に耐え切れず、公衆トイレに飛び込み、用を足し、外
に出てみると、カラオケ店員が僕の学生証とペットボトルをにこやかにちらつ
かせた。











時の頭蓋骨



深い深い心の底のような干乾びた五戸の底の下に、その頭蓋骨は眠っている。
無量大数に、世界が完全な暗闇に満ちる時、人の命は燃え尽き、その瞬間に、
その頭蓋骨達はあなた達に古の世界の記憶の扉を開くであろう。その五戸は三
つ在り、三つの無量大数のそれらが、あなた達に掘り起こされるのをずっと待
っている。


あなた達は禁断の記憶の世界へ誘われることを望むだろうか? あなた達は
その世界で一体どんな望みを叶えるだろうか? その世界が封印されたのには
それぞれ一つの頭蓋骨ずつ意味があり、その内の一つが、私達を運命の万有引
力によって理想の世界へ誘ってくれるのだ。絶望や失望の間に挟まれて苦しみ
もがいている者達は、この詩を読んだ後に、近くの森の干乾びた五戸の底を掘
り返してみるといい。私のあなた達に対する予言は当たっている。.が空から
地上へ降り注ぐ。有限の森の葉を叩く。その音に己の心が。時が満ちれば、あ
なた達は必ずや「時の頭蓋骨」を手に入れることができるであろう。そして、
世界が完全なる暗闇に満ち、あなた達の命が燃え尽きるその一瞬に、その、「時
の頭蓋骨」のこめかみを、両手の薬指で押さえるといい、そうすれば──。

僕は、愛する女性への猜疑心に苛まれ、結局は自分が殺される、自発的に命
が尽きる、又は──恐怖の毒牙に心臓を突き刺され、又は、撃ち抜かれるので
はないかという絶望に打ち拉がれていた。結局は、僕は彼女の愛を信用するこ
とができず、彼女への愛に苦しめられていた。そんな時、僕の頭の中に、先程
の己の啓示が舞い降り、僕の命の重みを.し軽減させてくれた。「現.」とい
う、違う空間と空間を一つの「仮想」世界で複.させ、互いの意思を疎通でき
る場所で僕と彼女は「再び初めて」出会った、何故、「再び初めて」出会った
と書いたのかというと、僕達は同じ人生を何度も繰り返し──それはこの世界
と宇宙が生まれた「確率」の世界からの見解からでも同じことが言える──「不
滅の魂を鍛練している」だけであるからである。僕は成人してからそう考える
ようになった。そして彼女が、その「現.」という「仮想」世界を抜け出して
僕に会いに来てくれた時期から、その観念を揺るぎないものにしたのである。

僕は梅.の降る中、この自宅から最も近い森の朽ち果てた五戸─つまりは【心】
の中である─、へ傘を差し、スコップと縄梯子を担いでやって来た。森はしっ
とりとした多分に湿気を含んだ空気に支配されていて、僕の体の中に蓄積して
いた絶望や恐怖といった類の負の感情を幾分緩和させた。僕は五戸に縄梯子を
垂らし、スコップとライトを持って五戸の底へ下りた。その行動の最中、僕は、
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」と、鈴木光司の「リング」を無意識に想
起させた。ライトを灯し、僕は、僕の【悲しみ】の土に埋まった幾つもの「時
の頭蓋骨」を掘り出し続けた。それは僕の決して誰にも存在を知られたくない、
過去の古傷そのものであった。僕はその古傷を「再び初めて」開くように、土
を払い、「時の頭蓋骨」のこめかみを両手の薬指で押さえ、過去の記憶の世界
へ赴き、きちんと一つずつ「治癒」していった。どの位「時の頭蓋骨」を掘り
続け、「膿」を出し続けたのか分からない。僕が愛する女性、僕を愛してくれ
る女性に、「再び」巡り会うまで、誰も自分の【心】を癒してくれる人間なん
かいない。全ては自分の力で解決し、生き延びなければならないのだ。僕は世


界に完全な暗闇が訪れ、自分の命が燃え尽きる、僕の愛する女性が僕の目の前
に「再び初めて」現れるまで、【心】を修復し続けるだろう。











サヨナラ



恐怖に怯えるのは自分が無知であるから、そう君への愛情の果てに、僕はそ
う悟りました。僕は誰かのGAMEのように、君を愛すれば愛する程、現.と