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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「この聖水は、輝クンの家の水道水と塩を使って作ったものなの。簡単に言うと食塩水みたいなものかしら」
「そんなんで、幽霊退治なんてできんの?」
「塩は昔から除霊などにも使われているものだし、それを清めた水と混ぜれば下級霊には効くかなと思って作ってみたんだけど、本当に効いたみたいね」
「もしかして、あの幽霊が実験台?」
「ええ、でも成功したでしょ」
 あっさりと答える未空に、世の中は何ごとも結果が全てなのだと思い知らされた気分の輝だった。
 幽霊との遭遇がなかったことのように再び歩き出した輝たちであったが、今度は前方から足音が聞こえてきた。
 それは先ほどと同じように青白い光を纏った人だった。それも今度は複数だ。
 ぞろぞろと歩いて来る青白い人影はゾンビと言われる者に似ていた。
 身体をギクシャク動かしながら、輝たちの方に歩いて来るゾンビたちの身体は、いたるところが欠けていた。中には首のない者のいる。
 そんなゾンビたちを見て輝は吐き捨てるように呟く。
「ここはホラーハウスかよ」
「それに近いかもしれないわ。すでにここは病院内じゃないかもしれない」
「それって、どういうことだよ?」
「話はあとでね。今はこの状況をどうするかよ」
 ゾンビたちの動きは遅いので走って逃げることも可能だ。しかし、椛と楓が前に出た。「椛に任せて!」
「楓に任せて!」
 椛と楓は横に並ぶようにして立ち、椛は右手を横に、楓は左手を横に出して互いの出し合った手を合わせてゆっくりと上にあげると、二人の身体はまばゆい光に包まれた。
「「お化けさん、ばいば〜い!」」
 二人が声を揃えて叫んだ瞬間――二人を包んでいた光がものすごいスピードで飛んでいき、ゾンビたちを丸呑みにして激しく輝いた。
 暗い廊下が一瞬にして光に包まれ、それが治まるとゾンビたちの姿も消えていた。
 またまた、すごい光景を目の当たりにした輝は感動したが、こんなゲームの戦闘みたいに敵をばっさばっさと倒していいものなのか、とも思った。
 未空はすぐさま懐中電灯を持って、ゾンビたちのいたところを照らした。
「やっぱり、そうなんだわ。椛ちゃんと楓ちゃんもだいぶ前から気づいていたんじゃないの?」
「椛も変だなぁって思ってたの」
「楓もそうだよ。尊たちに連れてこられた時から、もしかしたらって思ってた」
「三人とも、何なんだよ?」