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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 ここにいる中では今のところ、琥珀たちと同じ存在であるこの二人が最大の戦力となる。そして、彼女も戦力になってくれるに違いない。
「大丈夫、あたしもいるわ。あたしは学校の?噂?通りの人間よ」
 ぞっとするような未空の声だった。その声を聞いた者は誰も震え上がり凍りついてしまうに違いない。現にここにいる者たちは皆、蒼ざめた顔をしている。
 未空は冷笑を浮かべて輝を見た。
「それに、輝クンの力もきっと役に立つわ。一番危ないのはあなたよ、悠樹クン」
 まさかこんな展開で自分の名を呼ばれるとは思ってもみなかった悠樹は、大声を張り上げた。
「なぜ輝は力になれるのに俺は駄目なんだ!」
「駄目とは言っていないわ。ただ、あなたは普通の人間だから、琥珀たちと戦うのは無理だわ」
「輝だって普通の人間だろ!」
「輝クンは特別なのよ。彼はあたしと同じで強い力を持っている。だから琥珀たちと戦える――あたしはそう信じてるわ」
 未空は立ち上がると誰もがそうだにしなかった行動をとった。
「ごめんなさい、悠樹クン」
 そう言うと同時に未空はすばやい動きで悠樹の前に移動して、悠樹を気絶させた。
 誰もが一瞬何が起きたのかわからなかった。未空の手が悠樹の首元に動いたようにも見えたが、手の動きが早すぎて断言はできない。しかし、悠樹はその直後に意識を失いソファーにもたれるように倒れた。
 輝はすぐさま悠樹に駆け寄り、悠樹の意識を確かめると、びっくりした表情をしながら未空のことを見た。
「マジですんげぇ! 未空さんどうやったの? てゆーか、未空さんが体育苦手なの有名な話じゃ!?」
 学校一の運動オンチと言われる未空があんなすばやい動きで、それもあんなことをしてしまうとは輝にとってそれは、悠樹が鼻からスパゲティーを食べながら逆立ちをして町内一周するくらいの驚きだった。
「学校の体育は、だるいだけ……」
 未空はだるいだけで、マラソンの途中で学校の横を流れる川を眺めたり、ハードルを全て足で明らかに蹴飛ばしてゴールまで行ったり、バレーボールのボールを顔面で受けたり、テニスのボールを打ち返そうとしてラケットを相手の顔面に当ててみたり、その他にもいろいろとあるが、全て?だるい?から……なのか?
 未空はソファーに再び座ると一息ついた。