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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 輝は突然立ち上がると奇怪な行動を取り始めた。
「ギャオー! ガオー! うにょら〜! って感じのが使い魔だろ?」
 身振り手振りによる熱演であったが、輝の説明では使い魔がなんであるか理解しがたい。
「今の輝クンはかわいかったけど、少し誤解があるみたいね。使い魔というのは動物及び低級悪魔などを、 一定の魔法法則によって束縛して自分に従わせるものよ。中世の魔女たちの間では、フクロウやオオカミ、そして、黒猫が使い魔として使われていたようね。日本では陰陽師が使っていた式神も使い魔の一種と言えるわね。尊たちが呼んだ使い魔たちは妖怪の一種だと思うわ、きっと」
「なんだ、怪獣とかじゃないのか……」
 今の未空の説明を聞く限りでは、怪獣とは違うものに思える。だいぶ輝は誤解をしていたようだ。
 一通りの話を聞いて悠樹が口を開く。いつも彼は一通りの話を聞いた後に結論や意見を述べる。
 まず、悠樹を人差し指を立てた。
「ひとつ、その使い魔という奴らがここに二人の椛を捕まえに来る可能性が高い」
 悠樹は人差し指に続いて中指を立てた。
「ふたつ、そこにいる椛は琥珀たちの隠れ家から逃げて来たのだから、当然その場所を知っている」
 悠樹は最後に薬指を立てた。
「みっつ、先程、琥珀たちは『力を蓄えている為に外に出れない』ともうひとりの椛が言ったが、つまり、俺たちが動く絶好のチャンスと言える」
「叩くなら今がチャンスってことだな?」
「そうだ。しかし、その方法をどうするかが問題だ」
「そうだな、ものすっごい問題だな」
 何時になく真剣に考え込む輝。しかし、ちょっと的の外れていることを考えていた。
「もうひとりの椛のこと呼ぶ時、困るよな……。やっぱ、もうひとりの椛の名前は楓って呼んで区別するようにしよう」
 言葉と同時にバシッと輝の後頭部に悠樹の平手打ちが炸裂した。
 そんな光景を見た椛&楓はお腹を抱えて大きな口で笑い転げた。こんな光景前にもあったような気がする。
 悠樹は咳払いをするような格好をした。
「こほん、話を元に戻すぞ。ここにいるみんなが止めても琥珀たちのもとにいこうとすることはわかっている。だが、闇雲に奴らに向かっていくわけにはいかないだろう?」
 椛と楓がソファーの上に乗ってジャンプした。
「椛がいるから大丈夫だよ」
「楓もいるよ」