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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「うん、それは椛にもわからないの。でも、あの子はもしかしたら……」
 未空ももう一人の椛についてある推測があった。
「あのもう一人も椛ちゃんにあたしは会ったことがあるわ、きっと」
 輝は首を傾げた。会ったことがあるのは椛なんだから当たり前じゃないかと思った。けれど、未空の言いたかったことはそうではなかった。
「あの椛ちゃんに会ったのは小春神社の境内。椛ちゃん、あの子はそうなんでしょ?」
「椛もそう思うの」
 二人の間だけでは会話が成立しているが、他のものは誰一人としてついていけなかった。
「だからぁ〜、どういうことなのよ?」
 綾乃に話を急かされ椛が答えた。
「あれはきっと楓なの」
 答えを聞いても何のことを言っているのかわからなかった。そこで未空が補足を加えた。
「さっき椛ちゃんが琥珀と戦う前に楓の御神木から力を貰ったって言ったでしょ? きっと、あの時分かれたもう一人の椛ちゃんは、その楓の御神木が椛ちゃんのエネルギー元にして人間の姿になったもの」
 輝の頭の中では椛が一匹、椛が二匹、椛が三匹……と廻り廻ってっていた。
「だから、二匹目の椛は楓ってことで一匹目の椛は椛で、楓は椛とは全然別人ってことかよ?」
 輝の中では椛は?匹?で数えることになっていた。
 未空が空かさず答えた。
「そうとも限らないわ。椛ちゃんをベースに楓のエネルギーから生まれたわけだから、椛ちゃんと同じ能力や性格を持っているかもしれないわ」
「とにかく、こっちの椛が椛で、あっちの椛が楓ってことにしとけばいいんだろ?」
 少し強引な解釈なような気がするが、輝が納得したのならそれでいいだろう。
 一通り話を聞いたところで悠樹がやっと口を開いた。
「では、問題はこれからどうするがだが、俺は明日学校を休んで椛の傍にいようと思う」「オレも残るぜ」
「あたしの力が必要になるかもしれないから、あたしも学校休む」
「じゃあアタシも学校休んで……」
「駄目だ!」
 悠樹が綾乃の言葉を途中で遮った。
「どうしてダメなのよ!」
「綾乃にまで危険な目に遭わせたくないから、おまえは学校に行け」