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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「私は夜の眷族の神。昼がある限り、夜もまたある。夜がある限り私はこの世界から消えることはないだろう。しかし、人間は夜を拒み、光を灯し眠ることのない街を作り出した。私の存在は消えなくとも、力だけは急激に落ちていった。消えることもできず、ただ老いていく自分が嫌だったのだ。だから私は昔のように人間に夜を恐れさせたかった、昔のように人間が幻想の世界に生きる我々に畏怖を抱かせたかった」
 未空がゆっくり尊に歩み寄ろうとすると、尊はすぐに弓を構えて矢を放った。矢は未空の耳のすぐ横をビュンという音を立てながら通り過ぎた。
「どうして外したの?」
「人間は私たちが生きるために必要だ。無駄に殺しはしない」
 未空は再びゆっくりと歩き出した。それに向かって尊は再び弓矢を構えた。
「次は射抜くぞ」
 尊の忠告を無視して歩く。矢は放たれ未空の肩を射抜いた。赤い血が傷口から滲み出す。
「尊はあたしの大切な友達。それは今も昔もかわらないわ」
 再び歩き出す未空に対して尊も再び矢を放った。今度は右足のふとももを射抜かれた。「私にとって未空は友達でもなんでもない。ただ利用しただけだ。未空の持つ霊力は非常に高い、その未空が私のことを強く想えば私の存在を強く維持することができる。それだけのために友達のフリをしただけに過ぎない!」
 尊は弓を構えて、今度は未空の心臓を狙った。ビュン! 矢が放たれた。しかし、矢に刺されたのは尊だった。
「お返しです」
 そう言うと椛は連続して矢は放った。その放った矢は全て尊の身体に突き刺さり、尊は地面倒れた。それに続いて未空も地面に倒れそうになり、悠樹が急いで抱きかかえた。
「大丈夫ですか星川さん!」
「少し貧血になっただけだから……」
「少しどころじゃありませんよ!」
 未空の受けた傷は重症だった。このままでは命の危険にも差し障る。
 よろめきながら椛も未空の元へ駆けつけてきた。
「私の力でどうにか出血は止められるでしょう。ですが、その前に矢を抜かなくてはなりません」
 すでに悠樹は未空が倒れそうになった時に冷静さを取り戻していた。
「星川さん、矢を抜く時に激痛が伴いますが我慢してください。椛さん、星川さんが舌を噛まないように厚手の布か何かが欲しいんですが、持ってますか?」
 椛は白い布を自分のエネルギーを消費して具現すると悠樹に手渡した。