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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 今、輝と悠樹が二人暮しをしている部屋にはもともと輝が家族と住んでいた。しかし、輝の父親の転勤でやむなく引っ越すことになった時、輝とその妹は学校などなどの問題からこっちに残ることにして、父親と母親だけが父親の転勤先に行ったのだ。
 輝の妹である慧夢はもともと近くにあった祖父母の家に行き、輝もその家にいることになっている。少なくとも学校にはそう伝えてある。が本当のところは元々住んでいたマンションに今でも住んでいるのだ。
 そして、そのマンションに家庭内の複雑な理由から家を飛び出した悠樹が同居することになったのだ。
 悠樹は一様居候ということになっているので、家事全般をそつなくこなしてる。だが本当のところは、輝が家事を何ひとつできないから、しょうがなく悠樹が家事をしているのだ。
「そうだ輝、今日の夕食は何を食べたい?」
 突然夕食の話を始めた悠樹。悠樹と輝はいつもこの昼食の時間に夕食の話をしていた。そして、輝は決まってこう言う。
「何でもいい」
「何でもいいじゃわからいだろ? 毎日食事を作るこっちの身にもなったらどうだ?」
 悠樹の言葉は主婦の小言のようだった。
 口いっぱいにごはんを入れて弁当箱のフタを勢いよく閉めた武は、
「じゃあねえ、パスタなんて食べたいなぁ〜」
「武には聞いてないが……夕食はパスタにするか……」
 別に夕食を食べに来るでもない武の意見を尊重して、こんな感じでいつも悠樹は夕食のメニュー決めていた。
 昼食を食べ終えた武は何かを思い出したように手を叩いた。
「そうだ二人とも知ってる? また昨日火事起きたの?」
 武の言葉に悠樹は眉をひそめた。火事と言えばつい先日、小春市内の神社の御神木が不審火で燃えたばかりだ。
「火事? この前小春神社の御神木が焼けてニュースになったのは知っているが?」
 輝は何かを思い出したような顔をして首を大きくうなずかせた。
「昨日の火事のことだろ? 遅刻してゆったり飯食ってた時ニュースで見た。あれって武んちの近くじゃなかった?」
「そうそう、それだよ〜。あれさぁ、ウチからも火が上がってるの見えてビックリしちゃったよ。でねでね、その火がすごかったんだよ、まるで生きてるみたいにこうゴォォォって」