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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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ぶつかる想い


 別れた二人は再び出逢い、運命のこの場所で対峙することとなった。
「貴方を力ずくでも止める覚悟はできています」
 静かな声であったが、その声には強い決意が感じられた。
「僕も力ずくでも君を連れていく。あの計画には僕らの未来がかかっているからね」
 琥珀の手が獣の手と変化した。まずは風の刃で小手調べだ。
 シュッという風の音を立てながら琥珀の手が振り下ろされると、風の刃が発生して椛に襲いかかった。けれども一つではなかった。琥珀は連続して風の刃を放ったのだ。
 いくつもの風の刃は地面を切り裂きながら椛に向かっていく。その刃の破壊力は、輝の家で放たれたものを遥かに凌駕していた。
 椛も負けずと円舞を踊るように風の刃を作り出し、琥珀が放った全ての風の刃を相殺した。
 次に琥珀は韋駄天のような身のこなしで、椛を中心にして円を描くようにぐるぐると回った。ずっと見ていると目を回してしまいそうなくらい琥珀は回っている。
 椛の周りを回る琥珀が残像によって何人も見える。これは残像のせいだけではなく、琥珀の妖術だった。
 何人もの琥珀は椛の周りを高速で周りながら別々の動きを見せた。まるでそれは本当に何人もの琥珀がいるようだった。
 一人目の琥珀が鋭い爪を振りかざしながら襲いかかってきた。
 椛は自らの力を具現化して弓矢を作り構えると、襲いかかって来た琥珀に矢を撃ち放った。
 矢で心臓を射抜かれた琥珀は瞬時に透明な物体になり、シャボン玉のように弾け飛んだ。四方に弾け飛んだ物体は床に落ちると煙を立てながら消滅した。
 椛が後ろを向くとすでに二人目の琥珀が襲いかかって来ている。後ろだけではない――左右からも琥珀の魔の手が襲いかかる。
 弓矢を構える椛は狙いを定め次々と琥珀を射抜いていく。その間に二人の琥珀が風の刃を放った。
 自分に襲いかかって来る琥珀を射抜くことに気を取られ、椛は風の刃に気づくのに遅れてしまった。
 鋭い爪を振りかざしながら襲いかかってくる三人の琥珀を射抜いたものの、一撃目の風の刃を避けたところで二撃目の刃を腕に受けてしまった。装束の左腕部は鋭い刃物で切り裂かれたようになり、その奥の白い肌には一筋の赤い線が走り血が流れ出していた。
 琥珀は一人だけになっていた。
「もう止めよう。僕らは戦うべきではない」