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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「勝手に上がったのは悪かったけど、それよりも、椛がいないんだよ。しかも部屋が荒らされてるし……」
「もう一度言って!?」
「だから、椛がいなくて部屋が荒らされてるんだよ」
「身代金目当ての誘拐!?」
「わかんねぇよそんなこと。とにかく綾乃も椛探すの手伝え」
「あったり前じゃない」
「じゃあ急いで行くぞ」
 走り出そうとした輝の腕を綾乃が掴んだ。
「ちょっと待って、どこを探すのよ?」
「知るかそんなの!」
「まずは輝んちで手がかりとか探した方がいいんじゃないの?」
 こう綾乃に言われて、二人はまずは輝の家で何かないか探すことにした。
 輝の家で手がかりを探し始めてすぐに、綾乃はダイニングの上にであるものを見つけた。「バッカじゃないの輝」
「はぁ? オレのどこがバカなんだよ!」
「これ見なさいよ」
 綾乃は片手を腰に当て、もう片方の手でテーブルの上にある紙を指差した。
「あっ、こんなのあったんだ」
 呟きながら輝はその紙を手に取り、書かれている文字を読み上げた。
「椛が琥珀という人物に襲われて行方がわからなくなった。俺と星川さんで探しにいく――悠樹。……はぁ? 意味わかんねぇよ、もっと詳しく書けよ。ってか琥珀ってもしかして……あの琥珀か!?」
 輝の表情が驚愕に変わった。
「琥珀って誰よ?」
「長い銀髪の若い男で、この前学校の図書管理人になったばっかの人だよ」
「だから、なんでその人と椛ちゃんが関係あるのよ」
「いや、待てよ。違う琥珀かもしれない……けど、あの琥珀は確かに変な感じがした……そうだよ、椛ちゃんと同じような感じがしたような気がする」
「それってまさか!?」
「琥珀も人間じゃないかもしれない!」
「もしかしてだけど、椛ちゃんの探してたお兄ちゃんって、その琥珀のことなんじゃないの?」
「ナイスだ綾乃! オレも冴えてるけど、おまえも冴えてるな。でも、わかんねぇことばかりだ。くそーっ、とにかくどこでもいいから椛を探しにいくぞ!」
 輝はわき目も振らず急いでいってしまった。
「待ってよ輝!」
 綾乃のも輝の後を追って玄関を出た。

 椛は逃げていた。
 記憶は戻ったが、力の方がまだ全くと言ってほど回復していない。