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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 ここでいったい何があったのか、悠樹には検討もつかなかった。
 悠樹はまずは未空の身体を軽く叩き起こそうとした。
「星川さん、大丈夫ですか?」
「……ううん……葵城クン?」
 未空がすぐに気がつき、悠樹は安堵の表情を浮かべた。
「よかった、気がついてくれて。でも、どうしたんですか、何があったんですか?」
「椛ちゃんが琥珀という人物に襲われそうになって、あたしはそれを阻止しに来たのだけど、気絶させられてしまって……その後はどうなったのか……」
 ゆっくりと状態を起こした未空の腕を見て悠樹は驚愕した。
「腕から血が出ているじゃないですか!」
「大丈夫。もう血は止まっているから」
「……もしかして、玄関の外の血も星川さんの!?」
「それはきっと琥珀の血よ。ナイフで刺してやったから」
 悠樹は未空が人を刺したということにびっくりし、なぜナイフなんかを持ち歩いているんだと思ったが、そのことには触れないで別の話をした。
「それで、椛はどうしたんですか?」
「わからないわ。でも、きっと逃げてくれたはずよ」
 ふらつきながら未空は立ち上がると玄関から出ていこうとした。椛と琥珀を探しにいく気なのだ。
「どこに行くんですか!?」
「早くいかないと」
「待ってください、僕には話が全然わかりません。まずは星川さんの腕の手当てをしながら、詳しく話を聞かせてください」
 ダイニングで未空の手当てをしながら悠樹が聞いた話は、高等向けで悠樹が信じられる内容ではなかった。だが、未空が傷を負っていることは事実だし、椛の姿も消えてしまっている。
「僕は椛を探しにいきますが、星川さんはここで待っていてください」
「駄目よ、あたしも行くわ」
「駄目ですよ、星川さんは怪我をしているんですよ」
 未空の腕には包帯が巻かれ、首にも絞め痕を隠すために包帯が巻かれている。だが、未空の決意は固く、その瞳は真剣だった。
「あたしも行く」
「……わかりました」
 悠樹はそれ以外の言葉は言えなかった。
 二人は急いで椛を探しにいった。ある場所に向かって――。

 悠樹と未空が家を出て比較的すぐに輝が帰って来た。
 家まで続いていた血痕に驚かせられたが、家の中に入った輝はもっとびっくりした。
「なんじゃこりゃ〜!? なんで家の中が荒らされてるんだ?」
 それは琥珀が暴れたためだが輝は知る由も無い。
「椛ちゃ〜ん!」