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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「委員以外の人は教室で他のことするから覚悟しとくように。それと今帰りのホームルームやっちゃったから、委員会終わったら別々に帰っちゃっていいから、以上。質問は受け付けないからね」
 どこまでも自分優先な人であった。
 立花先生が話し終えたのと同時にちょうどチャイムが鳴った。チャイムが鳴り終わる前にはすでに立花先生の姿は無かった。ちなみに立花先生のティーセットはそのまま放置してある。
 このクラスには先ほど委員決めと一緒に決めた特別な係りがある。係りの名前は『立花親衛隊』と言い、仕事内容は立花先生のティーセットの片付けから立花先生の言うことなら何でもやる係りである。立花先生の美貌と色気で毎年簡単に立候補者が出てしまうという係りらしい。
 昼休みになると生徒たちは各々の場所で昼食を摂る。輝もまた例外ではなくとりあえず悠樹の後ろの席に座りに行く。
 このクラスはまだ出席番号順(男女混合)で席が決まっているので、悠樹の席は最前列の窓側から数えて三番目の授業中は先生がまん前に立つという席だ。
 昼食の時間になるといつも輝は悠樹のところに出向く。しかし、輝も悠樹も昼食を食べない主義だった。
 そんな二人の元へ武がお弁当箱を持って現れる。いつものことだった。
「二人ともたまにはお昼食べたらぁ?」
 武は高校に入ってから輝&悠樹と知り合いになった。というより輝と悠樹が一緒にいるといつも武が割り込んで来ていたのだ。そして、いつしか三人は仲良くなっていた。
 武の目には輝と悠樹の存在は特別なモノとして映っていた。二人ともすごく変わり者でたくさんの才能を持っていて、とても興味深くおもしろそうなモノだった。だから武は自然と自分に無いモノへの魅力に惹かれて二人の輪に入っていったのだ。
 武は適当な席に腰を下ろすと、お弁当箱のふたを両手で持ち上げるようにして開けた。中にはおいしそうなおかずがギッシリ詰まっている。しかし、武の表情は浮かない。
「いつもボクだけお昼食べて、ちっとも楽しくないんだけど?」
 少し唇を尖らせて幼い子供のような表情で武は輝と悠樹を見る。武は顔立ちと小柄な身体のせいで歳より幼く見られることが多く、時には小学六年生と間違えられる。そんな武だからこそ唇を尖らしたしぐさが様になっている。上の学年にモテるという風の噂もある。
「オレはもともと一日二食と決めているから」