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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 綾乃は片手で頬杖をつき、冷めた表情をしながらシャーペンの頭をクイクイっと横に振った。
「自分の名前の横見なさい、よ〜こ」
「何ぃ〜っ!? 何で星川……っさんなの?」
 机に手を付き声を荒げる輝と悠樹の目線が合致した。
 見詰め合う二人。この時、輝は悟った。愛のトキメキなどではなく、憎悪に満ちたものを――。
「悠樹キサマか! キサマの陰謀か!!」
 この発言をした瞬間、輝は自分に向けられた鋭く痛いくらいの視線を多く感じた。悠樹ファンの女子生徒がいっせいに輝を睨みつけたのだ。
「あんたバカ? 皇子ファンの前で呼び捨て&キサマはないでしょ」
 冷ややかな顔つきをしながら綾乃は小声でそう忠告した。
 悠樹は一部の悠樹ファンの間で皇子様と呼ばれている。綾乃の場合は悠樹の本性を知っているので皮肉を込めて皇子と呼んでいる。
 一瞬、鋭い視線のあまり胸を押さえて呪い殺されそうになった輝であったが、すぐに気を取り直し、女子生徒たちに向かってビシッとバシッと指を差した。
「おまえたち、悠樹とオレは親友なんだから呼び捨てが何だってんだ! キサマが何だってんだ!」
 一応威勢よく言ってみたが、皇子ファンの視線がより一層鋭くなった。このままでは輝が呪い殺されるのも時間の問題だと思われる。
 その時、救いの手を差し伸べたのは他でもない悠樹だった。
「僕と輝は親友同士だから、少しぐらいの汚い言葉使いは許してもらえないかな?」
 悠樹スマイル炸裂! 女子の悩殺されまくり! 立花先生突然立ち上がる! 立花先生が立ち上がったのは、ただ紅茶を飲み終えたから、そろそろ仕事をする気になっただけのことなのだが……。
「さ〜て、一見落着したところで今日は先に帰りのホームルームやっちゃうから」
「先生まだオレは図書委員を……」
「お黙りなさい真堂クン。図書委員はアナタで決定よ」
 見事に輝の発言は押し込められた。このクラスの権力分布は偏りがあり、絶対的権力を持っているのが立花先生。次に大半の女子の指示を受ける葵城悠樹だ。
 立花先生は教壇に両手を付き、たわわな胸を揺らして生徒たちの視線を集めると、鼻先で悠樹と尊を席に戻しホームルームを始めた。
「ハイじゃあ話すわよ。今日の五時限目は委員になった人は集合場所に集まるように」
 そう言って委員会の集合場所の書かれた紙を片手でバシッと黒板に貼り付けると話を続けた。