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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「琥珀、それは間違っているわ。この世界は神が創ったものではなく、神や妖怪などそう言った存在は、それを求める人間によって想像され存在しているもの。人間を支配するなど間違っていることだわ」
 この世界にいる全ての神々及び妖怪や妖精などは、人間によって想像され創り出された存在だったのだ。
 人間が救いを求めることにより多くの神が生まれ、人間が何かに恐怖することによって妖怪などが生まれたのだ。しかし、今現在では多くの存在たちが人間たちから忘れれようとしていた。
「僕は消えるのは嫌だ。椛だって人々から忘れられ、神社は廃れ、御神木を焼かれて人間を恨んでいないのか?」
「そうね。私は人々の信仰によって存在していたものだから、信仰されなくなった今現在は力も衰え存在が消えかけ、ついには幼児化までしてしまったわね。そして、御神木の楓の木まで焼かれてしまって完全に消えかけてしまった――でも、それも運命。人々が私のことを必要としない時代が来たことのだけ、それならば消えるのも運命として受け止めます。でも、今は……」
 小春神社の神として存在していた椛は消滅の危機まで一度陥った。しかし、今は記憶も取り戻し、力も取り戻しつつある。それは輝や悠樹たちのお陰だった。
 椛の存在を身近に感じ、椛が存在していることを実感する。その想いが強ければ強いほど椛は存在していられる。
 それと同じ方法を琥珀は行ったのだ。人間の世界に溶け込むことによって自分の存在を維持する。そして、今、琥珀はそれを大規模にやろうとしていたのだ。
「僕らはこの小春市に僕らのように消えかけている存在を呼び、人間の世界に溶け込ませる。そして、いつしか人間を支配する存在へとなるんだ。そのための大規模な術を行うためには椛の力も借りなくていけないんだ。椛、ここに僕らの楽園を創ろう!」
 沈黙して話を聞いていた未空が口を開いた。
「小春市全体に張り巡らせれていた術はそのためだったのね。術を張ることによって、戸籍も、なにも自分を証明する物のない存在たちを人間の世界に溶け込ませるための人間への目くらまし……」
 未空は休日の二日間、小春市全体に張り巡らされている術を不信思い、独りで調査をしていたのだ。
 琥珀の手が高く上げられた。
「人間にしては高い霊力を持った娘だ。この場で始末せねば僕らの脅威となることは間違いないな」