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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 そんな武を見て輝は、今は昼休みなんだと思い、あることを思い出した。
「そうだ。図書委員来なくてもいいって言われたけど、昼って本当は仕事の時間だからいってみるか」
 席を立ち上がり図書室にいこうとした輝を尊が止めた。
「今日は管理の人が休みで図書室は開いていないぞ」
「えっ? そうなの?」

 学校を休んだ未空はある場所に向かっていた。
 輝と悠樹が学校にいる今しか椛を襲うチャンスは無い。だから急いで輝のマンションに向かわなくては……。そう未空は考えた。
 マンションに着いた未空は急いで階段を駆け上がり、輝の部屋の前まで行くと、まずドアノブに手をかけた。――開いている!? 
 未空はゆっくりとドアを開けて、静かに部屋の中に忍び込んだ。
 ダイニングのドアを開けて入って来た未空は不敵な笑みを浮かべた。
「間に合ってよかったわ。でも、やっぱりあたしが思った通り、今がチャンスと考えていたのね、あなたは……」
 ダイニングの中ではすでに椛と琥珀が対峙していたのだ。未空は琥珀の計画を阻止しに来たのだ。
 未空は琥珀から目を離さないように移動して椛の前に立ち、椛は未空の背中に隠れる形となった。
「僕は椛に用があるんだ、そこを退いてくれないか?」
「駄目よ、この子は渡せない。この子を渡すととんでもないことが起こりそうな気がするから……」
「とんでもないことか……さすがここまで来たことはあるな娘。だが、理由はそれだけじゃないんだ椛。僕は椛を敵に回したくない、できれば僕らの仲間になって欲しいんだ」
 椛は未空を後ろに押し退け前に一歩踏み出した。
「それは私にはできないわ、琥珀」
 まるで別人のような椛。その声質は幼児のままだが、口調と表情は妙に大人びていた。――記憶が戻ったのだ、それもだいぶ前に戻っていた。
「なぜだ!? なぜ僕らの仲間になれないんだ?」
「琥珀、貴方と私は長い時を一緒に過ごし多くの部分を分かち合うことができました。しかし、私と貴方は根本の存在理由が違ったのです。人々の想った我々のイメージは違うものだったのです」
「人間は僕らのことを忘れようとしている。だから僕らは人間を支配することによって、存在を維持しようとしているんだ。この世界に残るためには仕方ない選択なんだ」