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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 向かう先は歩いて二〇分ほどの距離にあるデパートだ。
 自転車だと数分でいくことが可能だが、椛を連れて自転車の二人乗りでいくのは危険だということになった。
 ちなみに輝はじゃんけんで負けた奴が椛と歩いてデパートまでいき、残りの二人は自転車でいくという案の出したが、瞬時に反対され却下された。
 椛と綾乃は手を繋いで仲良く輝と悠樹の前方を歩いている。綾乃は今、二人っきりの世界を満喫している。
「デパートに着いたら椛ちゃんのお洋服、いっぱい、いっぱい、買おうねぇ〜」
「本当に椛のお洋服買っていいの?」
「だいじょうぶ任せなさい、代金は皇子様持ちだから好きなだけ買いましょう」
 綾乃たちの後方で悠樹がクシャミをしたが、きっとただの風邪だ。虫の知らせなんてあるはずがない、きっと、たぶん、おそらく……。
 だが、悠樹は嫌な予感がしていた。誰が椛の洋服の代金を出すのか、彼は聞かされていなかった。
 しばらくするとデパートが見えてきた。もう、信号を渡ればすぐの距離だ。
 信号が青に変わり、椛は綾乃と手を繋ぎ、もう片方の手を高く上げて信号を渡る様は、『お姉さんとお買い物、手を上げて信号を渡るなんて偉いねぇ〜』って感じで、とてもかわいらしかった。
 そんなかわいらしい椛の後ろ姿を見て、輝は自分の妹とついつい比べてしまった。
 輝曰く、自分の妹は小さい頃から世界一かわいかった。だが、最近は兄に反抗的でちょっぴり生意気、でも、そんなところがまたかわいんだよなぁ〜。とのことである。
 輝の妹の慧夢[エム]が最近輝に反抗的なのは事実だった。蹴りは飛んでくるは、罵声は飛んでくるはで、輝は反抗期なんだなと思っているが、実は別の理由がある。ついつい妹がかわいいあまり、輝がちょっと苛め過ぎてしまったのだ。それに輝は気づいていない。
 デパートの中はそれなりに人で溢れていた。このデパートができた当初はもっと人で溢れていたのだが、何処も彼処も不況のあおりを受けているのだ。
 それにもう一つ、客足が年々減少傾向にある原因がある。