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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 ぎゅぅっと抱きしめられている椛は少し苦しそうな表情をしているが、綾乃の猛攻の前には声が出なかった。
 ハグハグしながら綾乃は自分の頬を椛にスリスリしている。
「柔らかくてスベスベェ〜」
「うぐぅ〜……やめてよ、ねえ」
 ぽあんとした桜色の頬をした椛が少し潤んだ目で、しかも上目遣いで綾乃を見つめるが、それが綾乃の感情をさらに刺激してしまった。
「カワイイ、カワイイ、もうカワイイ〜っ!」
「あうぅ〜……」
 椛はノックアウト寸前だ。だが、綾乃の攻撃はさらに続く。
 クラスでも一番の大きいバスト(自称)を誇っていたりする綾乃の胸には今、椛の顔が押し付けられている。そんなわけで椛は呼吸ができなかったりする。
「うぐ、うぐぅ〜……うっ」
 椛の身体から力が抜けた。自分の世界に入っている綾乃はそんなことには気づきもしない。
 ふと椛に視線をやった輝の表情が変わり、慌てたようすで綾乃を吹っ飛ばして椛を救出した。
「何してるんだよ! 椛が死んだらどうすんだよ、巨乳バカ!」
「巨乳バカって何よ! 好きで巨乳やってるわけ……あっ」
 この時初めて綾乃は椛が死にそうになっていたことに気づき、輝の身体を遥か遠くへぶっ飛ばして、椛の身体を抱きかかえた。
「だいじょうぶ椛ちゃん、どうしてこんな……」
 やったのは綾乃だ。自覚が少し足りない。
 ゆっくりと椛は目を開けて綾乃の瞳を見つめて……。急に怯えた表情をして逃げた。
「お姉ちゃん怖いよぉ」
 ぶるぶる震えてしまっている椛は輝の後ろに隠れて、輝の服を強く掴んで、顔だけを出して綾乃のことをじーっと見ている。
 綾乃はショックを受けた。こんなかわいい女の子に嫌われるなんてありえないと思った。――明らかに非があるにも関わらず。
 かわいい娘に恐れの眼差しで見られているなんて綾乃には耐えられないことだった。
「ごめんね椛ちゃん。お姉ちゃんが悪かったから……だから、だから、一緒にお風呂に入って全部水に流しましょう」
 輝はそれは違うだろうと思ったが、今さっき綾乃の攻撃を受けてぶっ飛ばされたばかりなので、その気持ちは心に留めて置くことにした。
 気持ちを切り替えた綾乃は、猛ダッシュで輝をぶっ飛ばして椛を抱きかかえて掻っ攫うと、お風呂場へと消えていってしまった。