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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 話の進行、及び決定権はこの場では綾乃にあるようだ。
 話し合いと夕食も終わり、尊と未空は帰ることになり、悠樹は二人を送っていくと申し出たが断られてしまった。
 悠樹にしてみれば、夜になれば女性を家まで送っていくのが当たり前のことだと思っているのだが、高校生にもなって夜は危ないからなどと心配するなんて小さい子供じゃないんだからと笑われてしまう。
 それでも、悠樹はキャラ的に女性を家まで送っていかなければ気が済まなかった。それで結局、悠樹は二人を駅まで送っていくことになった。
 輝の自宅からは駅がそれなりに近くにあり、デパートや駅前商店街があったり、朝方まで営業している店が多くあるので、駅までの道は車や人の往来があり、コンビニなどの前には柄のよくない人たちがたむろっていたりする。だから悠樹はどうしても駅まで送ると言ったのだ。
 星が瞬く夜空をぼーっと眺めながら未空は前を歩き、その後ろを悠樹と尊が並んで歩いていた。
「尊さんは、どうして俺が無理してるって思ったんですか?」
「人間の心なんて簡単に読めるものだし、まだ出会って間もないが学校での悠樹とあの場所での悠樹は雰囲気が全然違っていたよ」
「俺は他人の気持ちなんて理解したいけど全然理解できない」
「私も人間の気持ちなんて理解できない。でも、なんとなくだが伝わってくる」
 ――やがて、駅前の広場を抜けて駅ビルに入る前で悠樹は二人と別れることにした。
「二人とも気をつけて」
「葵城くん、さよなら」
「ありがとう悠樹、送ってくれて」
 そう言って二人は駅の中に入っていった。
 片手を上げて二人をしばらくの間見つめていた悠樹は、踵を返して自宅への岐路に着いた。

 未空と尊がいなくなった輝宅では、綾乃が本性を現そうとしていた。
「椛ちゃん、ちょ〜カワイイ!」
 声を上げる綾乃。ソファーの上にちょこんと座っていた椛に魔の手が忍び寄るまでもなく、飛び掛る!
 ガフッと綾乃は椛を押し倒した。もうこれで椛は綾乃の餌食だ。
 顔を真っ赤にする椛の顔見て、喜色満面の笑みを浮かべる綾乃。綾乃は小さくてかわいい子供を見ると襲いたくなってしまうアブナイ人なのだ。
 椛に襲いかかった綾乃を白い目で輝は見ているが止めようとはしなかった。
「犯罪行為だぞ、それ」
「だって、カワイイんだもん」