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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「はぁ!? 調査って何するんだよ。それに明日はせっかくの休日じゃん」
 明日・明後日は土日で休日だった。
 フォークを持っていた綾乃の手がすばやく動き、前方に座っていた輝の顔の前に突きつけられた。フォークが凶器と化して輝の顔数センチ前で止まっている。
「輝は強制参加ね、あと悠樹も」
 少しドスの聞いた声で言う綾乃に輝も悠樹も何も言わず反論しなかった。
 尊はスープをひと口飲んだ後、
「私は、土日は用事があるから無理だ」
 続いて未空も、
「あたしも無理」
 二人とも断ったが、綾乃はこの二人には無理強いはしない。輝と悠樹が特別なのだ。
 口にいっぱいスパゲティーを頬張りながら輝が綾乃に質問する。
「それで調査って何すんだよ?」
「それを今から話し合うんじゃない」
 確かにそのために設けられた食事会ではある。
 尊が椛にやさしく聞いた。
「何か覚えていることは?」
 首を横に振る椛。
「自分の名前とお兄ちゃんを探してることと……」
 椛は何かを一生懸命思い出そうとしているようだった。
「それから、それから……キツネ」
 一同は不思議な顔をしたが、その中で悠樹と輝は――特に輝は『キツネ』という単語に何か引っかかるものを感じた。
 未空が急に呟いた。
「椛ちゃんの服装、巫女装束よね?」
 この言葉を聞いた輝の頭の中では何かが思い出されようとしていた。巫女装束と言えば神社が思い浮かべられる。そして、輝は武との会話を思い出して、飛び上がりながら声をあげてしまった。
「そうだ!!」
 全員の視線が輝に集まった。
「……いや、何でもない」
 普段は何でもかんでも思いついたことは口に出して言ってしまう輝だが、この時は言わなかった。今は椛について少しでも情報が欲しいが、確信の薄い情報では周りを混乱させてしまう。
 少し怒ったような表情をする綾乃。
「もぉ、何でもないなら大きな声上げないでよ、ビックリしたじゃない!」
「すまん。ちょっと別のことで思い出したことあって……」
 未空がさっき言おうとしていた話を続けた。
「巫女装束と言えば神社だと思うんだけど、この辺りに神社はある?」
 輝は瞬時に小春神社の名前が浮かんだが、答えたのは悠樹だった。
「この辺りにある神社と言えば……この前火事のあった小春神社が一番近い」
「じゃあ、明日は小春神社に行くってことで決定ね」