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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 そうなのだ、輝にとっては皆目見当もつかない、この少女はいったいどこの誰で何者なのか、もしかして……。
「もしかして本当に誘拐して来たのかっ!」
 勝手な想像でショックを受ける輝。再び動く悠樹のスナップを利かせた手。
「いてっ!」
「だから違うと言ってるだろう。この子は道端で迷子になっているところを月夜霊さんと星川さんに発見されて……」
「じゃあなんでウチにいんだよ?」
「たまたま通りかかった俺が警察に電話しようとしたら、星川さんがどうせ人間じゃないから警察に電話しても無駄だっていうから、仕方なく家が近かったウチに連れて来ることになったんだ」
 今の話を聞いてひとつだけ輝の頭に引っかかる言葉があった。
「……今、人間じゃないって言わなかったか?」
「星川さんが言うにはこの子は人間じゃないらしいんだが……」
 悠樹は信じていないが、未空に強く言われて尊にも説得されて仕方なく家に連れて来たのだ。
「この子人間じゃないの? ってことは超高性能アンドロイドか」
 そう言いながら輝は椛の腕を持って何度も上げ下げした。
「よくできてるなぁ〜、まるで人間みたいじゃん」
 輝は完全に椛のことをロボットだと認識した。
「やめてよ、椛はロボットじゃないもん」
 輝の腕を振り払った椛は顔を膨らませて、続いて未空が小さく呟いた。
「真堂くん、その子ロボットじゃないから乱暴に扱わないで」
「これアンドロイドじゃないの? じゃあ何?」
 質問された未空は何もかも見透かしてしまいそうな瞳で輝を見据えた。
「真堂くんは超自然的存在って信じる?」
「超自然的存在?」
「妖精とか精霊のことよ。この子もきっとそう」
「マジで!? すんげぇじゃん。小さい頃から妖怪とかと会ってみたかったんだよな」
 未空は妖精とか精霊という例えをしたのになぜか輝の頭の中では妖怪と認識された。妖精と妖怪ではイメージが違うと思うが?
「椛妖怪じゃないもん!」
 怒った椛は輝の胸の辺りを叩くが力が弱いので痛くも痒くもない。そんな椛も見ていると輝はどうしてもからかいたくなってくる。
「じゃあなんだよ?」
 そう言いながら輝は椛のほっぺたを両手でつまんで引っ張り戻したりして遊んでいる。輝は椛に相当な興味を惹かれたのだ。
「痛いからやめてよぉ」
「妖怪も痛覚があるのか、大発見だ」
「だから椛は妖怪じゃないもん」