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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 二人にこう言われてはどうしょうもない。これが輝や武だったら強く反論できたかもしれない。しかし、この二人に対してはしなかった――輝や武以外には自分を押さえて接してしまうのだ。
 このままこうしていても仕方が無いので、悠樹はケータイで警察を呼び、この少女の身柄を引き取ってもらおうと考えた。
「ケータイで警察の方を呼びますから、この子の身柄を引き取ってもらいましょう」
 そう言って悠樹はケータイをポケットから取り出した。

 自宅近くにある本屋でマンガ雑誌を読んだりなどして時間を潰した輝は、自宅マンションへの道を自転車を漕いで急いだ。
 マンションに着いた輝は駐輪場に自転車を置き、階段を駆け上がる。輝の部屋は209号室である。
 自宅のドアを勢いよく開けて輝はダイニングのソファーまで走る。家に帰ったらソファーの上に寝転んで『疲れたぁ〜』と言うのが日課なのだ。
 が、しかし、輝の足は急に止まり、フローリングの床を勢いよく滑って、腹からコケた。
「痛ーっ!!」
 叫び声を上げて床の上でうずくまる輝を物珍しい目で見る人たちと呆れ顔の悠樹。
「大丈夫か輝?」
 微妙に上から悠樹に見下されているように感じの輝は、バッと起き上がってソファーに座っていた三人の女の子に人差し指をバシッと突きつけた。
「何でいんの?」
 ソファーに座っていたのは未空と尊と輝の知らない少女――椛だった。
 何故か輝は三人に向かって防御ポーズを取って明らかに取り乱していた。
「何で星川さんと月夜霊さんと……誰この子? ま、まさか悠樹、かわいいからって誘拐して来たのか!? ……ロリコンじゃないかなと前々から思っていたが、まさか少女誘拐なんて……」
 悠樹の手がすばやく動いた。
「アホだろお前」
 言葉と同時にバシッと輝の後頭部に悠樹の平手打ちが炸裂した。思わず輝はコケそうになる。
 そんな光景を見た椛はお腹を抱えて大きな口で笑い、未空と尊は学校では見たことのない悠樹に少し驚き戸惑いを覚えた。
 笑われてしまった輝は自分を殴った葵城に飛びかかったが、すんなり交わされてしまった。
 それを見てまた大笑いをする椛。
「あははは、このお兄ちゃんおもしろい!」
 再び笑われてしまった輝は笑っている少女を見て、最初の疑問を思い出した。
「だからこの子何?」