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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 ロビーに着いた輝と鉢合わせになるように、別の方向からちょうど未空が走ってきた。その後ろには悠樹と楓もいた。
 輝は楓たちに向かって叫んだ。
「綾乃が重症を負ったから楓ちゃん治療を頼む! 二人は綾乃についてやっていてくれ」 輝は綾乃を床に仰向けに寝かせた。そこにすぐに楓たちが駆け寄って来て、楓は綾乃の治療を始めた。
 輝はすぐに自分が走ってきた方向に弓矢を構えた。すると、すぐに琥珀がロビーに現れた。刹那のうちに輝は矢を放った。
 矢はまたも琥珀の身体を掠めるだけだった。だが、それでも威力は強力で琥珀の頭を吹き飛ばした。
「やったか?」
 頭を吹き飛ばしても輝には不安が残る。
 頭を失った琥珀の後ろから椛のよって矢が放たれ琥珀の身体を幾本もの矢が貫いた。残酷とも言える容赦ない攻撃であるが、相手は驚異的な再生能力を持っていた。
 琥珀の身体が炎に包まれ、その身体が再び復元された。
「ウソだろ、もういい加減にしろよ!」
 輝は再び矢を放とうとしたが、矢が切れた。矢を全て使い果たしてしまったのだ。
 巨大な炎が輝に襲いかかった。もう駄目だと輝が思った瞬間、綾乃の治療を終えた楓が輝の前に飛び出し、円舞を踊るようにして爆風を巻き起こし火を掻き消した。
「大丈夫ぅ、輝?」
「サンキュー、楓」
「もう、安心して楓と椛が揃えば恐いものなんてないもん!」
 椛&楓が琥珀を挟み撃ちにして、鋭い矢先を向けてチャンスを伺っている。
 戦線離脱した輝はすぐさま綾乃の様態を確かめた。
「だいじょぶかよ綾乃?」
「うん、楓ちゃんのお陰で傷と痛みは消えたけど、ちょっと体力が……」
 綾乃はじゃべっている途中で意識を失った。
 輝は驚いて綾乃を叩き起こそうとしたが悠樹がそれを止めた。
「大丈夫だ、眠っているだけだ」
「今あたしたちにできるのは、涼宮さんにつき添っていることと、椛ちゃんたちの戦いを遠くから見守ってあげることだけ」
 悠樹と未空がそうするように、輝もまた、二人の少女に運命を託した。
 椛&楓は阿吽の呼吸で矢を放った。琥珀はそれを上空に飛び上がり避けると二人に向かって炎を飛ばした。
 飛んでくる炎を椛&楓はまるで鏡のような動きで、同時に円舞を踊るにして爆風を巻き起こして炎を掻き消し、その風は炎を消してもなお勢いが治まることなく琥珀の身体を包み込んだ。
「くっ、なんだこの風は!?」