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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 未空はナイフを地面に突き刺して手前に引いた。すると、地面に黒い筋が入った。そして、この黒い筋――あの?闇?に似ているような気がする。
 だが、未空がナイフを抜くと黒い筋はすぐに消えてしまった。やはり、あの?闇?と同一のものかもしれない。
「空間に傷はつけられたけど、力が足りないわ」
「どういうこと?」
「魔力などの力を秘めたもので空間に穴を空けようとしたのだけれど、もっと強力なものでないと人間が通れる穴は空けられないみたいね」
「もっと強力なもの……あっ、そうだ!」
「何かあるの?」
 綾乃は何かを思い出してある場所に駆け出していった。未空もその後をゆっくり歩いて追う。
 綾乃が着いたのは、先ほど綾乃と悠樹が閉じ込められていた牢屋のあった場所だ。そこには、あるものが落ちていた。
「コレコレ! 閉じ込められてた時に一緒に入れられてたのよねぇ」
 うれしそうな声をあげながら綾乃が拾い上げたのは弓矢だった。そう、この弓矢は?あの?弓矢だ。
 綾乃は拾い上げた弓矢をすぐに未空に渡した。
「星川さん、これ使える?」
「強い力を感じるわ、……これならいけるかもしれないわね」
 口元で笑った未空が綾乃の顔を見ると、綾乃は蒼い顔をしていた。未空の笑みが不気味だったのではない。この場に現れた者どもを見てだ!
 未空の後ろからは五匹の赤黒い肌をした小鬼がぞろぞろと歩いてきていた。それに気づいた未空は矢筒から矢を出して、振り返りざまに矢を小鬼に向けて放った。
 矢は見事子鬼の心臓に突き刺さり、小鬼はどろどろに溶けて地面に吸い込まれるように跡形も無く消えた。
「星川さん、カッコいい!」
「今の奴の横の鬼を狙ったんだけど……」
「…………」
「……ウソ」
 綾乃に何も言わせないまま、未空は矢筒の紐を肩に掛けて背負うと、矢を連続して小鬼目掛けて放った。
 弓矢は一本も外すことなく小鬼の心臓を貫き、矢を受けた小鬼はどろどろに溶けて跡形もなく消えた。
「星川さん、すごい、すごいよ! 弓道とかやったことあるの?」
「いいえ、この弓と矢は、弓矢の腕前とは関係無しに使用者の思い通りに矢を飛ばすことができるみたい」
 未空は全神経を集中させて弓矢を地面に向けて構えると、力いっぱい矢を引き、手を放した。
 矢は地面を貫き直径一メートルの穴を空けた。
「どこに繋がっているのかしらね?」