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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 手負いを受けた琥珀の前に突然、人が通れる高さで長方形の扉のような?闇?が現れ、琥珀はその中に逃げるように入っていった。
 ?闇?に消えた琥珀の直ぐ後を椛が追い、輝もまたその後を追って?闇?の中に入っていった。 悠樹も?闇?の中に入ろうとしたのだが、輝が入った瞬間に?闇?は跡形もなく消えてしまった。
 ここにいる者たちは皆、束縛され捕らえられている尊の周りに近づいて来た。
 尊を捕らえることができたが、これからどうするか誰も考えていなかった。
 尊が不敵な笑みを浮かべる。
「今が絶好のチャンスだというのに誰も私を殺さないのか? 甘い奴らだ」
 突然尊の足元に穴が開き、尊はその穴の中に落ちていった。――逃げられたのだ。
 すぐに椛と悠樹が穴の中に飛び込んだ。すると、穴は跡形もなく消えてしまった。
 この場に残されてしまった二人はあることに気がついたが、口にいち早く出して言ったのは綾乃だった。
「もしかして、アタシたち閉じ込められたの?」
「ええ」
 未空はあっさりと答えた。その声からは微塵の動揺も感じさせなかった。
 みんなが出ていった?闇?はもう消えてしまっているし、未空が最初にここに入って来た時の?闇?もすでになかった。
 ぐるっと一周辺りを見回しても何もない空間。見えるのはどこまでも続いていそうな地平線。状況は最悪と言える。
「星川さん、何かいい考えない?」
「向こうの方まで歩いてみる?」
 未空の指差した先には地平線が見えるのみだ。未空は本気で歩こうと言っているのか? ボソッと未空が呟いた。
「……冗談」
「…………」
 綾乃は、この人の性格は絶対好きになれないと思ったが、ここでケンカをしてもしょうがないので、そのことは心に留めて置いた。
「涼宮さん、あきらめては駄目よ、方法が無いわけではないわけではないから」
「本当に!?」
「これを使ってみる」
 未空はポケットからいつも持ち歩いているナイフを取り出した。綾乃は何でそんな物を持っているんだ、と思ったがこれも心に留めて置いた。
 未空によってカバーを外すされたナイフは不思議な光を放っていた。その光を見ていると吸い込まれそうになる。
「このナイフは特別なナイフなの、だから、こうやって――」