シルバー・ラビリンス
そう、それはシルバーの間で語られる昔話。
遠い昔、山のシルバー城にシルバー・ラビリンスというシルバーがいました。ラビリンスは人に幻(ハルーサネイション)を見せるのが得意でした。ある日、ラビリンスは仲間のシルバー達と地世界(地下にある国ね)に行く途中、天世界(つまり地上)と地世界の間にある狭間に飲み込まれてしまい、行方が分からなくなってしまいました。
それから長い時間が経って、ラビリンスは時空の狭間に辿り着きました。そこではラビリンスはいつもひとりぼっち、そこで、幻を使って友達を呼んで遊ぼうと思いつきました。
そのときに作り出された幻が「銀の迷宮」。ラビリンスと同じ名前の幻です。
つまり、今私が見ているこの書いて字のごとく銀世界は、シルバー・ラビリンス――たぶん、この声の主――が私に見せている幻、ということね。
作品名:シルバー・ラビリンス 作家名:アリス・スターズ