シルバー・ラビリンス
さて。
ずっとここにいると、とにかく頭がおかしくなりそう。だから向こう側にある銀色の扉を開けて、外に出ることにした。
ドアノブに手をかけたその瞬間、甲高い声が聞こえてきた。
“わたしといっしょにあそぼうよ。”
私はびっくりして反射的にノブから手を離し、さらにはポケットから愛用のカードを取り出して攻撃態勢まで取ってしまった。
「誰っ!?」
ばっと効果音をつけたくなるほど機敏に周りを見回す。でも、視界は一面の銀世界。そう、書いて字のごとく銀世界のまま。当然のように誰もいない。もしかしたら全身銀色の人がいるのかもしれないと思ったけど、どうやらそれもなさそう。
作品名:シルバー・ラビリンス 作家名:アリス・スターズ