シルバー・ラビリンス
おっと、自己紹介が遅れたわね。
私の名前はシルバー・カンタール。シルバーって言われてる種族よ。シルバーって群れるのが大好きで、同じ考えを持つシルバーたちが集まって建てた城が7つばかりあるんだけど、私はその7つのうち、山の頂上に建てられた「山のシルバー城」の出身。
得意技はカードを使った符導術(ふどうじゅつ)。まぁ簡単に言えば魔法みたいなもんよ。いつでも使えるように、スカートのポケットにはいつもトランプサイズのカードを入れてる。
シルバーっていうのはやけに外傷に弱い。擦り傷が致命傷なんだから、すごいもんよね。これはシルバーが人為的に作り出された生命だから、らしいんだけど詳しいことは知らない。
でもちゃんと、母親はいる。私にもちゃんと。でも、父親はいない。死んだとかそういうのじゃなくて、最初から存在しない。シルバーは「核」と呼ばれているもので増えるから、核が父親なのかもね。
作品名:シルバー・ラビリンス 作家名:アリス・スターズ