シルバー・ラビリンス
出世すると、シルバーはそれぞれの城にある核を使って、自分の娘を生み出すことができる。なんで出世しないと無理なのかはよく分からないけど、出世の時に渡される「鍵」がそうさせてるのかも知れない、と思ったことがある。実際どうなのかは知らないけど。
本来なら、私も核を使って娘を生み出すはずだった。そう、「はず」だった。
今でも覚えてる。机の引き出しの2番目に入れてる、質素なフォトフレーム。折りたたみで2枚入るタイプのそれの右側の写真は生まれたばかりのローラ。左側の写真に写っているのは、私と、それから私の愛した人。
異性を愛することを知らないとされていたシルバーの私が、愛した人。
ロバート・エレイネ。
シルバーには存在しないはずの、私の娘シルバー・ローラの父親。
作品名:シルバー・ラビリンス 作家名:アリス・スターズ