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文殊(もんじゅ)
文殊(もんじゅ)
novelistID. 635
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とある学校の委員会は!

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今度の体育大会にこの種目入れよう、などと常人を理解できない発言をする委員長を見て。
「運動能力が普通じゃない人は、考えも普通じゃなくなるんですかね……」
そう呟いたが、既に聞いちゃいない。
というより、二人を抱えたまま既にグランドを出ようとしている。
仕方なく一年生の一人を背負って後を追いながら叫ぶ。
「ちょ、どこ行くんですかぁ!」
「ん? マラソン!」
さも当然、と野球部の学校合宿で使われているらしいマラソンコースを指差して言う。
必死に走ってベルトを掴み、玄関前まで連れて行く。
「あ、あんたバカですか!」
一人でやるのは勝手だが、連行したばかりの一年生の心にトラウマを残しかねない。
既に、手遅れかもしれないが。

「委員会やるんでしょ!」
会議するんだから、屋内に行きますよ。
そう言って引っ張る間も、口だけは休まらない。
「なぁ、今度の体育大会さー」
「なんですかっ」
また一般人にはできないことを言うのか、と汗が止まらない。

「俺たちも参加させてもらおう!」

あまりに凄い提案で、思わず表情に出たらしく、ひどく笑われているがそんな事はどうでもいい。
「そ、んなの、受け入れられるわけないでしょうが!」
「大丈夫だ! 生徒会くらいなんとかなる!」
そう言う問題じゃない、と言ったところで通じるわけでないが不動は必死に止めようとする。
矢動丸はとどめと言わんばかりに一言。
「だって、俺出たいんだから良いだろ!」


「こ、この暴君がーっ!」


奴は帝王ではない、暴君である。
ついでに加えておけば、誰の手にも負えない。
誰も抑えようとしないくらいの、暴君なのである。
そう不動が訴えたところで、聞きいれる人物なんて同じ委員以外いないのだが。