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文殊(もんじゅ)
文殊(もんじゅ)
novelistID. 635
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とある学校の委員会は!

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一時間目 そもそも委員会はそこまで活発な必要があるのか?



―そんな、俺の名前はネタじゃない。―

「男子なら誰でもいいんだぞ、誰かいないのか?」
一年は組の教室に残された数名の男子は全員、空気が重い。
この学校で一番敬遠される委員会の委員が、まだ決まらない。
担任教師はため息交じりに教室を見渡した。
しかし、一向に誰も手を挙げる気配がないのだ。

「困ったなぁー、決まらなきゃ終われないし帰れないんだ」
委員会まで後数分を示している時計を見て、またため息。
その内くじ引きになりそうだ、と主計 一は思った。
そこそこ運のいい方だからならなくて済むだろう。
『……だってなぁー』

その教室で昼にあった話を考えれば、こんな風になるのは必然だった。
「なぁ、知ってるか」
一緒に昼飯を食いながら、隣の席の男子がそう切り出した。
「なにを」
「委員会って、確か今日決める筈だろ?」
「あぁ……たしか」
ぼんやりと記憶をたどって、スケジュールを脳内で引っ張り出す。


「予算委員会にだけは、入らない方がいい……」


「え?」
随分と真面目な顔で言うもので、主計は思わず聞き返した。
「入らなければ、三年間楽しく過ごせるって」
「委員会、だろ?」
たかだか委員会である。
時々集まって会議をして、大した活動もしていないような印象がある。
「二つ上の兄貴の幼馴染が、その委員会やってたらしいんだけど」
「おう」
神妙な顔のままつづける男子に、適当な相槌を返す。
関係ないのだ。
どうせ、委員会も部活動もやらないつもりなのだから。
「酷い時には昼飯食いながら計算したり」
「へ、えぇぇ」
「八時過ぎても帰れないくらい忙しい委員会だって」
「……へぇ」
信じられない話である。
主計の姉は吹奏楽部だったが、練習は遅くても八時くらいには帰ってきていた。
それが、部活動でもない委員会で八時を過ぎても帰れないなんて。

「それ……本当か?」
からかわれてるのか、と探りを入れるも相手の表情は変わらない。
冗談ならよかったのに。
そんな考えが行ったり来たりするが、状況に変化はないようだ。
男子は、食べ終えた弁当箱を鞄にしまいながら一言。
「予算委員会に入るくらいなら、うちの部活で一番厳しい野球部に入った方がマシだってよ」
そう呟いた。


「主計、主計 一!」
ぼんやりしていたせいで、呼ばれたことに気付かなかったらしい。
隣に肩を叩かれて、急いで背筋を正す。