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文殊(もんじゅ)
文殊(もんじゅ)
novelistID. 635
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とある学校の委員会は!

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必死に押しとどめようとするも、もう聞いちゃいない。
「じゃぁ、そう言うことでよろしくな!」
それに「待った」をかけるより先に、矢動丸は走り去っていった。


「と、言うわけさ……」
涙目になりながら武田が実情報告を終える。
「……だ、男女混合の競技だけは絶対出ないぃぃ!」
「な、奈緒美ちゃん!?」
「それぐらいなら、ずる休みするー!」
「うわぁ、どうしよう!」
泣きだした奈緒美に、慌てる朝倉。
「もうこれは、自然の力に頼るしかありませんね……」
さすがにずる休みはプライドが許さないのか、水野は両手を交差させて祈りを始めた。

「あー、遅れてすいません……って、なんすかこの状態!」
遅れてやってきた補佐(雑用)の額田 剛士が、生徒会室の酷い有様を見て叫ぶ。
「額田君……」
青ざめた顔の生徒会長。
「わぁ、額田ー! 奈緒美ちゃん泣きやまないよー!」
「こわいよ、こわいー!」
何故泣いてるかわからない会計に、あやしてる本人も泣きそうな書記。
「神よ、どうか哀れな私どもに祝福を……」
それほど気が動転しているのか、来たことも気づかず祈りを続ける副会長。


「……で、どういうことだったんですか」
結局泣く会計をあやし、その後安心して泣きだした書記をなだめ。
会長に渇を入れた後、副会長を現実に引き戻して説明を求める。
全員分の飲み物代を出して痛い財布よりも、問題の解決が先なのだ。
代金は後からどうにでもなる上に、もう仕方がないと思って諦めてもいる。
しかし、問題は理由を聞かねばどうにもならないことで、こんな生徒会の補佐なんてまっぴらごめんなのだ。
「……額田君、体育委員のというより矢動丸君のわがままでね」
「はぁ」
「体育委員会の体育祭参加が、ほとんど決定づけられたんだよ……っ!」
一瞬の間の後に、なんだそんなことですか、と額田が呆れた声を出した。
皆一様に目を見開いて、お互いの顔を見合わせる。

「それなら今度特別に委員会対抗体育大会を開催する、ってことで片付いたんで大丈夫ですよ」

被害を最小限に抑えた額田の手腕に一同はいったん感心するも、すぐに気付く。
「……委員会対抗?」
また泣きだしそうな顔をしながら、奈緒美が恐る恐る問いかける。
「えぇ、だから一般生徒に危害が及ぶことはありませんから」
ご心配なく、と言うよりも先に武田が立ち上がって「待った」をかける。