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顔 上巻

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うーん、合格点とは云い難いが、悪くは無い質問だよね。
「あぁ、すまん、どうやって逃げていたか・・だよな。」
ま、いいっか。
逃げるっていうのはさ。
もちろんそのための金も必要だけどさ、喰っていかなきゃならないじゃない。

傷ついてはいたが、新しい顔のオレ、オレはさ。
新しい人格?ってのかな。そいつが欲しくなったんだ。
別な派遣屋に登録しようとして履歴書買ってきてさ。
「高田隆」を作ろうとした。
だが、考えても見ろよ。あいつら振込みなんだよな。
振込みなんて何時アシがつくかわからんだろ?

だからいつもニコニコ現金払い、な仕事を探したんだよ、オレ。
ところが、この不景気でさ、なかなかそんなところあるワケない。
で、結局、ドヤがいいんだろって思ったのさ。
だが、新薬の試験台やっているあいだに、体が悪くなってね。
少しぶらぶらしていた。

だが街で歩いていても、人の目が気になってさ。
不思議なもんで、オレの。オレのさ、傷のある顔がさ。
街行く人の目に晒されていると・・ジロジロ眺めるんだよな。
右頬に大きな傷があったから・・。
で、関西に腕の良い整形屋が居るって聞いてさ。
あぁ、勿論、無保険の・・・。

それで、大阪に行ったんだ。
あぁー、あいりん地区ってトコ。
凄いところだね、日本で一番やばいところじゃない?
なんかさ、真昼間から警察署のまん前でも麻薬を売ってるようなところさ。
作品名:顔 上巻 作家名:平岩隆